ネコぶんこ


2012年10月22日 ベビー・ブーム世代でも齢上の人たちが、運のいい誕生時期のおかげで集めてしまった、物質的豊かさおよび長期の物質的安定に対するうらやみ。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『クラスのデザイン(Class Design)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私は先週、いくつかの要素に施されるアップデートについて話した。それらがおそらくゲームの目玉であるため、クラスのことは特に大きな話題にした。今週は私たちがどのようにクラスのデザインを行なっているかを話したい。

その方法論は私たちが何かを判断するために使っている、いくつかの重要な概念に分解することができる。

あるものを使おう:いくつかの点でいえば、クラスのデザインはかなり簡単だ。ここではバードを例にしよう。4回デザインされたバードには、多くの良い手本があるからだ。まずはかつての版を検討して一貫している部分に注目しよう。いくつかのものが見えてくる。

  • バードはいつも呪文を使えた。
  • バードはいつも何らかの形で音楽を使えた。
  • バードはいつも伝承を思い出すたぐいの能力を持っていた。
  • バードはいつもかなりの種類の武器や鎧を扱えた。
  • バードは技能をうまく使える。

これらは見ればすぐわかる明白な点かもしれないが、こうすることでみんなが予想しうることを思い出させてくれるので大切だ。私たちはクラスをデザインするとき、D&Dの中でクラスが持つ意味を持ち越せることを重視している。

また、この作業ではいくつかの興味深い問いを行なえる。たとえば、パラディンの一撃能力はクラスにとって重要なものだろうか? ドルイドの動物の相棒は? その能力はアニマル・フレンドシップの呪文でも代替できる。それはクラスのありかたにとって本当に重要なものだろうか? 次の段階ではこのことについて触れよう。

欠落を埋めよう:一覧を作成してそれらを実行できるようにすべきクラスがある。一覧に載ったすべてが重要か、あるいはシステムの他の部分でそれを再現できるか理解する必要があるクラスもある。たとえば、レンジャーは弓術や二刀流について特定のシステムを持たないかもしれない。そのかわり、プレイヤーは適切な専門化を選択したりその他の選択を行なうことができる。特技システムとレンジャーの標準的な攻撃の強化は同じもので表現できる。

しばしば、この段階は私たちに何かを試みる機会を与えてくれる。たとえばバードを例にあげよう。音楽と芸能は常にクラスで重要なものとして光を当てられるが、バードの呪歌の能力は呪文に劣ったものだ。私たちはこの2つを結合させ、バードに特有な呪歌の能力はクラスならではの魔法を表現できる重要な部分ではないかと考えた。システム面の話をするなら、ウォーロックの妖術システムのほうが呪文スロットよりふさわしいかもしれない。バードは魔法を歌に織り込み、感情を操り、勇気を鼓舞するなどの行為を行なう。

動物の相棒などの場合、私たちは一歩退いてそれらをゲームに適合される方法を検討するかもしれない。クラスに相棒を与えるのは慎重にしなければならない。クラスは好きだが複雑はを望まないプレイヤーもいる。それらを他のキャラクターとバランスを取ることも難しい。仲間が弱すぎるなら、なぜ必要だろう? 強すぎるなら、私たちはプレイヤー1人にキャラクター2人分の力を与えてしまっているのだろうか?

これは取りおいておくべき問題かもしれない。たとえば、部下のためのルール・モジュールにレンジャーやドルイドが獣、ウォーベア、あるいはフェイのクリーチャーを相棒にするオプションを含ませることもできる。クレリックやパラディンはアルコンの助けを得られるかもしれないし、ウィザードは低級のデーモンやエレメンタルなどを使役できる。こうした相棒は彼らはキャラクターと同等に扱われ、経験点を得ることもあらかじめ設定されているようにレベルを上昇させることもできる。それらのルールをモジュール化して、(あらゆる部下がほしい)一部のプレイヤー向けのオプション群や、ドルイドのプレイヤーが非常に魅力的な相棒を持つためにバランスの取れた明確なガイドラインをDMに提供する(DMはただ相棒を追加PCとみなせばよい)。問題をどう扱うかは、DMやグループの合意によって決定される。その一方、私たちは相棒(動物やその他のもの)を基本オプションにすることを心配せずクラスを作成できる。

オプションを追加できるように:さまざまなキャンペーン・セッティングとクラスがそれぞれ適合するかの検討をする最終段階も必要だ。そのセッティングはどんな変更をクラスにもたらすのだろう? どんな文化や世界独自のものがそのクラスに存在するだろうか?

ウィザードの流派はこのやり方によるところの好例だ。フォーゴトン・レルムのブレードシンガー、クリンのオーダー・オヴ・ハイ・ソーサリィ、そしてダーク・サンのプリザーヴァーとデファイラーをどうすれば1つのクラスとしてまとめられるかを考え、私たちはそこに到達した。流派はウィザードが秘術の系統によってクラス特徴を入れ替えられる道を与えた。レンジャーの得意な敵、バードが覚える特別な呪歌なども、それぞれのクラスをセッティングに合わせてカスタマイズできるようにする。この方法は、DMに彼らの世界に適合したクラスを設計できる道具を与えるという朗報でもある。

実践:最後に、大規模でやる気のあるプレイテスターのグループと力を合わせれば、私たちは積極的にもう少し前へと進むことができることに注目しよう。バードの呪歌は超常能力から呪文に変更されるだろうか? 私たちは試作品をデザインし、君たちはそれを読み、プレイし、私たちに意見を表明できる。プレイテストを行なわない場合、私たちはもっと慎重にことを進めねばならない。

プレイテストといえば、私たちは月末までにまたプレイテストのパックを発表することになりそうだ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。