ネコぶんこ


2024年11月02日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ガウダ爺さん(2レベル)

今週の小冒険は久しぶりにD&Dで2レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちが滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)では、ドゥエルガルのガウダ爺さんに依頼をして、隣の町へ続くトンネルを掘ってもらっていた。

しかし、約束のトンネルが出来上がってもガウダ爺さんは共同体の者たちにトンネルを開放しない。ドゥエルガルの悪い癖で、細かい部分に凝って作業を終えていないと言い張るのだ。

ガウダ爺さんは引退しているとはいえ昔は冒険もしていて、腕っ節はいい。困った人々は冒険者に依頼をすることにした。

ガウダ爺さんの目を覚まさせ、トンネルを人々に開放させれば冒険は終了である。

冒険への導入

キャラクターたちは滞在している共同体(村や町程度の規模がいいだろう)の長から呼び出され、依頼を受けてくれないかと頼まれる。

依頼の内容というと、隣の町までの道のりを短縮するためにドゥエルガルのガウダ爺さんに頼んだトンネルが最後の岩盤を掘り崩すだけだというのに、爺さんが細かいところにこだわりだして進まなくなった。生活を便利にするトンネルができるはずだった人々はすっかり困っているので、これをなんとかしてほしいという話だ。

これは説得などで穏便に外に出てもらう他、キャラクターたちの腕っ節で爺さんを強引に外に出させることも考慮の上だと長はほのめかす。

報酬はキャラクターたち全員で100gpである。

1.トンネルの入口

トンネルの入口には度々訪れる里の者をわずらわしく思ったガウダ爺さんが乱雑に材木やら木箱やらを積み重ねて封鎖している。

難易度12の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、雑に積み重ねられたガラクタに細いロープが張ってあり、これを緩ませたりこれに転んだりすれば大きな音が鳴るような仕掛けがあることを見破ることができる。

この仕掛けは難易度10の【敏捷力】判定で解除できる。盗賊道具を持っており習熟している場合、この判定に習熟ボーナスを足すことができる。この難易度に5以上の差で失敗した場合、仕掛けが作動して大きな音が響く。

仕掛けを作動させてしまった場合、トンネルの中にいるガウダ爺さんはまた厄介者たちが入ってきたかと警戒を新たにする。

2.トンネル内部

トンネルはドゥエルガルらしい精巧な仕事で造られている。床は平らで壁はきちんと固定され、そこかしこに暗視を持たない種族のための照明を灯すためのくぼみもある。しかし、まだ火は灯されていないので“暗闇”の空間だ。

しばらく進むと、行き合う人々がすれ違うために作られたのか、少し広くなっている場所がある。「3.広場」へ進むこと。

3.広場

広場に近づくと、そこには真ん中で焚かれている火を囲み、すっかりへばった風なゴブリンたちが4体、酒を飲んでいる。入口の仕掛けを鳴らしている場合、ゴブリンたちは酒も飲まず、しゃんと立っている。ここはたき火があるので“明るい”空間である。

ゴブリンたちはキャラクターが広場まで来ると、「爺さんからどやされるからなあ」と立ち上がり、やる気なさげに刃物を抜いて襲いかかろうとする。

ここでキャラクターたちがゴブリンたちの話を聞こうとしたなら、彼らはガウダ爺さんの下働きをしているが、もうすぐ完成して礼金をもらえると思っていたら、爺さんが色々な場所がまだ完全ではないと言いだし、延々作業を手伝わされるのですっかり疲れているのだと話す。

ゴブリンたちはガウダ爺さんから訪れた者を追い返す仕事も命じられているため、普段はこの広場に待機しているのだ。キャラクターたちがガウダ爺さんを説得に来たと言えば、ゴブリンたちはぜひそうしてくれと道を開ける。

力ずくで進むにしろ、ゴブリンたちに道を譲られたにしろ、「4.ペット」へ進むこと。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー・アーマー、シールド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:共通語、ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ。

ショートボウ:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程15/60m(80/320フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

4.ペット

またトンネルを進んでいくと、向こう側にかすかに明かりが見える“薄暗い”空間になってくる。ここにはガウダ爺さんのペット、ラスト・モンスターの“おびえ”がうろついている。

“おびえ”は金属製の鎧を着ていたり武器を持っているキャラクターを、餌を持ってきてくれたものと思って人懐っこくすりよってくる。

鉄くずや金属製の物をくれてやれば、“おびえ”はそれを錆びさせて食べることに集中し、それ以上キャラクターたちとは絡まない。

“おびえ”をなんとかしたなら、「5.職人」へ進むこと。

ラスト・モンスター

中型・怪物、無属性


AC:14(外皮)

hp:27(5d8+10)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 13(+1) 2(-4) 13(+1) 6(-2)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


金属腐食:ラスト・モンスターにヒットした非魔法的な金属の武器は腐食する。武器はダメージ・ロールへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ペナルティが-5になると、武器は壊れる。ラスト・モンスターにヒットした金属製の非魔法的な矢弾はダメージを与えた後に破壊される。

鉄嗅覚:ラスト・モンスターは臭いを嗅ぎ、9m(30フィート)以内にある鉄の位置を正確に知ることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

触覚:ラスト・モンスターは1.5m(5フィート)以内に見える非魔法的な鉄の物体を腐食させる。物体が着用あるいは運搬されていない場合、接触すると30cm(1フィート)立方が破壊される。物体がクリーチャーによって着用あるいは運搬されている場合、クリーチャーは難易度11の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、ラスト・モンスターの接触を回避できる。

触れられた着用あるいは運搬されている物体が金属製の鎧あるいは金属製のシールドなら、それはACへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ACが10まで減少した鎧、あるいは+0ボーナスまで低下したシールドは壊れる。触れられた物体が手に持たれた金属製の武器である場合、金属腐食の特性で説明されているように腐食する。

5.職人

トンネルの終端近くでは、ガウダ爺さんが工具を手にトンネルに手を加えている。「何かが足りん、何が足りないのだ?」などと呟いているが、キャラクターたちがやってくると「どうせ里の者たちの使いだろう。奴らはわしをここから引き剥がして手柄を横取りにしようとしているのか?」と疑いの目を向ける。

ガウダ爺さんは「何かが足りない」ことを気に病んでいて、このトンネルを人手に渡したくない状態になっている。もっとも、それは彼の完璧主義と職人気質から来る妄念なのだが説得するのは骨が折れるだろう。【魅力】〈説得〉や、その他の交渉関係技能で話を言い聞かせるための難易度は19になる。この判定は以下の要素が修正となる。

  • ゴブリンたちを腕ずくで排除した(難易度+2)。
  • “おびえ”を腕ずくで排除した(難易度+2)。
  • “おびえ”に餌をあげた(難易度-2)。
  • 石工道具に習熟しているキャラクターが交渉に参加する(難易度-2)。

説得に成功すればガウダ爺さんはトンネルは使える状態にしなければ“生きた”ものにならないと悟り、完成させて引き渡すことに合意する。

説得に失敗したならガウダ爺さんは作業にも使うウォー・ピックを握り、キャラクターたちに襲いかかってくる。

ドゥエルガル

中型・人型生物(ドワーフ)、秩序にして悪


AC:16(スケイル・メイル、シールド)

hp:26(4d8+8)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 11(+0) 14(+2) 11(+0) 10(+0) 9(-1)

ダメージ抵抗:[毒]

感覚:暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉10

言語:地下共通語、ドワーフ語

脅威度:1(200XP)


ドゥエルガルのしぶとさ:ドゥエルガルは毒、呪文、および幻術、さらに魅了状態あるいは麻痺状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。、

陽光過敏:ドゥエルガルは陽光の中では攻撃ロール、そして視覚を利用した【判断力】〈知覚〉判定に不利を受ける。

アクション

拡大(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは1分間、身につけている物や持っている物とともに、魔法的にサイズを大きくする。拡大されている間、ドゥエルガルは大型で、【筋力】を基準とする武器攻撃(攻撃に計算済み)でダメージ・ダイスを2倍にし、【筋力】判定と【筋力】セーヴィング・スローに有利を得る。ドゥエルガルが大型になるための空間がない場合、それは空間に余裕がある場所で最大の大きさに達する。

ウォー・ピック:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、拡大中は11(2d8+2)[刺突]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5(5フィート)あるいは射程9/36m(30/120フィート)、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ、拡大中は9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

不可視化(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは攻撃するか、呪文を発動するか、拡大を使うか、精神集中が解除されるまで、最大1時間(呪文の精神集中のように)魔法的な不可視状態になる。ドゥエルガルが身につけていたり、運搬している装備はすべて透明になる。

結末

ガウダ爺さんを洞窟から出したら、数日後にトンネルは開通する。

ガウダ爺さんを説得してトンネルを完成させたなら、彼からも信頼されてさまざまに助けられたり、逆に仕事を頼まれたりするようになるだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.


2024年10月26日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:恋人たち(3レベル)

今週の小冒険は夏コミの新刊ソード・ワールドRの3レベル・キャラクター4人用ですぅ。

D&Dの標準的なモンスターを混ぜて冒険を作ることのサンプルも兼ねてますぅ。

ソード・ワールドRのデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちはオランの“古代王国への扉”亭の店主ラウダから、街外れの広場に出る魔物退治を依頼される。問題の広場は逢い引きの名所で、そこを訪れる恋人たちが次々と襲われているのだそうだ。

騒ぎを起こしているのはエターキャップと呼ばれる魔獣で、光る物を好むために恋人たちが持っている指輪などの宝飾品を狙っているのだ。

エターキャップの存在を暴き、討伐すれば冒険は成功である。

冒険への導入

キャラクターたちが“古代王国への扉”亭にいると店主のラウダが、オランの街外れにある、恋人たちが逢い引きに使うことで有名な広場に魔物が出没しているので、それを退治するように騎士団から依頼が出ていると話してくる。

今回は一般人にも怪我人が多数出ている。できるだけ早くけりをつけてほしいとのことで、報酬は1人600ガメルである。

1.恋人たちの広場

魔物による被害が頻発している場所は、オランの住民から“恋人たちの広場”と呼ばれている場所だ。広場を取り巻くように木が生えており、遠くから見ればちょっとした森のようにも見える。

騒ぎになっているとはいうが、訪れたのが昼間なら今日も数組の恋人たちが逢瀬を楽しんでいる。彼らを重点的に調査するなら「2.逢瀬を楽しむ恋人たち」へ進むこと。

周囲の木立は人くらいの大きさの生き物なら隠れられそうなので、そちらを調べに行ってみるなら「3.広場の外れで」へ進むこと。

2.逢瀬を楽しむ恋人たち

広場にキャラクターたちが入ってきても、数組の恋人たちは特にいぶかしむ様子もない。

彼らに聞き込みをすると、「婚約の指輪をあげるつもりだったが怪物に盗られた男」や「恋人に貰ったばかりの首飾りを盗られた娘」がいたらしいと話を聞ける。

そうこうしていると、恋人たちの1組のもとに蜘蛛の頭を持った人型の魔物、エターキャップが現われ悲鳴があがる。魔物は彼らから指輪を奪うと、その場から逃げ去ろうとする。

これにキャラクターたちが割って入ろうとするなら、魔物は冒険者たちに抵抗して戦闘になる。

エターキャップはhpが半分を切ったら逃走しようとする。18m(60フィート)先にある木陰まで逃げられると、キャラクターたちは怪物を見失う。それまでに倒されたなら、エターキャップは恋人たちから奪った指輪を握った手を森の方に向けてこときれる。

エターキャップが逃げ出した方へ行くなら、「5.恋人たち」へ進むこと。

エターキャップ

中型・怪物、中立にして悪


AC:13(外皮)

hp:44(8d8+8)

移動速度:9m(30フィート)、登攀9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 15(+2) 13(+1) 7(-2) 12(+1) 8(-1)

技能:〈隠密〉+4、〈生存〉+3、〈知覚〉+3

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


蜘蛛歩き:エターキャップは能力値判定の必要なく、天井での逆さ歩きを含む登攀が困難な表面を登攀することができる。

蜘蛛の巣の振動感知:エターキャップは蜘蛛の巣と接触している間、同じ蜘蛛の巣に接触している他のクリーチャーすべての正確な位置がわかる。

蜘蛛の巣渡り:エターキャップは蜘蛛糸での動きの制限を無視する。

アクション

複数回攻撃:エターキャップは2回攻撃する。噛みつきで1回、爪で1回。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度11の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、4(1d8)[毒]ダメージを受け、成功したら半減ダメージを受ける。[毒]ダメージによって目標のhpが0になった場合、目標は容態安定化するが1分間の間毒状態になり、hpを回復した後もこれは持続し、この毒状態の間は麻痺状態でもある。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:7(2d4+2)[斬撃]ダメージ。

蜘蛛糸:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程9/18m(30/60フィート)、目標1つ。ヒット:目標は蜘蛛糸で拘束状態になる。拘束状態の目標はアクションとして、難易度12の【筋力】判定を行ない、成功すれば蜘蛛糸を引きちぎることができる。蜘蛛糸を攻撃で破壊することもできる(AC10;hp5;[火]ダメージへの脆弱性;[殴打]、[精神]、[毒]ダメージへの完全耐性)。

3.広場の外れで

恋人たちの広場の外れで難易度12の【判断力】〈知覚〉判定に成功すれば、白っぽい糸のようなものが密集している場所を発見できる。難易度10の【知力】〈自然〉に成功すれば、これが蜘蛛の糸だとわかる。

この場所には大量の蜘蛛の巣が密集ており、キャラクターたちを見つけたジャイアント・スパイダー4体が襲いかかってくる。蜘蛛たちを撃退したら「4.巣を守る者」に進むこと。

ジャイアント・スパイダー

小型・野獣(動物)、無属性


AC:13(外皮)

hp:8(2d6+2)

移動速度:9m(30フィート)、登攀9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 16(+3) 13(+1) 3(-4) 12(+1) 4(-3)

技能:〈隠密〉+7、〈知覚〉+3

感覚:疑似視覚3m(10フィート)、受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:1/8(25XP)


蜘蛛歩き:スパイダーは能力値判定の必要なく、天井での逆さ歩きを含む登攀が困難な表面を登攀することができる。

蜘蛛の巣渡り:スパイダーは蜘蛛糸での動きの制限を無視する。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:3(1d4+2)[刺突]ダメージ。

蜘蛛糸:遠隔武器攻撃:攻撃+3、射程9/18m(30/60フィート)、目標1つ。ヒット:目標は蜘蛛糸で拘束状態になる。拘束状態の目標はアクションとして、難易度12の【筋力】判定を行ない、成功すれば蜘蛛糸を引きちぎることができる。蜘蛛糸を攻撃で破壊することもできる(AC10;hp5;[火]ダメージへの脆弱性;[殴打]、[精神]、[毒]ダメージへの完全耐性)。

4.巣を守る者

キャラクターたちがジャイアント・スパイダーと戦っている間に、蜘蛛の頭を持つ人型の怪物、エターキャップが向こうからやってきて、襲いかかってくる。このエターキャップはいくつもの首飾りをつけ、指には指輪をはめた“ゴージャス”なエターキャップである。

このエターキャップはhpが半分を切るとここを逃げ出そうとする。18m(60フィート)先にある木陰まで逃げられると、キャラクターたちは怪物を見失う。それまでに倒されたなら、エターキャップは手を広場の方へ向けてこときれる。

エターキャップが逃げ出した(あるいは逃げようとした)方へ行くなら、「5.恋人たち」へ進むこと。

エターキャップ

中型・怪物、中立にして悪


AC:13(外皮)

hp:44(8d8+8)

移動速度:9m(30フィート)、登攀9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 15(+2) 13(+1) 7(-2) 12(+1) 8(-1)

技能:〈隠密〉+4、〈生存〉+3、〈知覚〉+3

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


蜘蛛歩き:エターキャップは能力値判定の必要なく、天井での逆さ歩きを含む登攀が困難な表面を登攀することができる。

蜘蛛の巣の振動感知:エターキャップは蜘蛛の巣と接触している間、同じ蜘蛛の巣に接触している他のクリーチャーすべての正確な位置がわかる。

蜘蛛の巣渡り:エターキャップは蜘蛛糸での動きの制限を無視する。

アクション

複数回攻撃:エターキャップは2回攻撃する。噛みつきで1回、爪で1回。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度11の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、4(1d8)[毒]ダメージを受け、成功したら半減ダメージを受ける。[毒]ダメージによって目標のhpが0になった場合、目標は容態安定化するが1分間の間毒状態になり、hpを回復した後もこれは持続し、この毒状態の間は麻痺状態でもある。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:7(2d4+2)[斬撃]ダメージ。

蜘蛛糸:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程9/18m(30/60フィート)、目標1体。ヒット:目標は蜘蛛糸で拘束状態になる。拘束状態の目標はアクションとして、難易度12の【筋力】判定を行ない、成功すれば蜘蛛糸を引きちぎることができる。蜘蛛糸を攻撃で破壊することもできる(AC10;hp5;[火]ダメージへの脆弱性;[殴打]、[精神]、[毒]ダメージへの完全耐性)。

5.恋人たち

エターキャップが逃げた方に行くと、そこにはもう1体エターキャップがいる。キャラクターたちがエターキャップを逃がしていたなら、彼らは親密そうに手を取り合っている。キャラクターたちが割って入るなら、2体のエターキャップは連携して襲いかかってくる。

そうでない場合、エターキャップはキャラクターたちを見て何かを察し、猛然と攻撃してくる。この場合、エターキャップは死ぬまで戦いをやめない。

エターキャップ

中型・怪物、中立にして悪


AC:13(外皮)

hp:44(8d8+8)

移動速度:9m(30フィート)、登攀9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 15(+2) 13(+1) 7(-2) 12(+1) 8(-1)

技能:〈隠密〉+4、〈生存〉+3、〈知覚〉+3

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


蜘蛛歩き:エターキャップは能力値判定の必要なく、天井での逆さ歩きを含む登攀が困難な表面を登攀することができる。

蜘蛛の巣の振動感知:エターキャップは蜘蛛の巣と接触している間、同じ蜘蛛の巣に接触している他のクリーチャーすべての正確な位置がわかる。

蜘蛛の巣渡り:エターキャップは蜘蛛糸での動きの制限を無視する。

アクション

複数回攻撃:エターキャップは2回攻撃する。噛みつきで1回、爪で1回。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度11の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、4(1d8)[毒]ダメージを受け、成功したら半減ダメージを受ける。[毒]ダメージによって目標のhpが0になった場合、目標は容態安定化するが1分間の間毒状態になり、hpを回復した後もこれは持続し、この毒状態の間は麻痺状態でもある。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:7(2d4+2)[斬撃]ダメージ。

蜘蛛糸:遠隔武器攻撃:攻撃+4、射程9/18m(30/60フィート)、目標1つ。ヒット:目標は蜘蛛糸で拘束状態になる。拘束状態の目標はアクションとして、難易度12の【筋力】判定を行ない、成功すれば蜘蛛糸を引きちぎることができる。蜘蛛糸を攻撃で破壊することもできる(AC10;hp5;[火]ダメージへの脆弱性;[殴打]、[精神]、[毒]ダメージへの完全耐性)。

結末

恋人たちの広場を荒らしていたエターキャップの恋人たちを倒せば依頼は完了である。

蜘蛛の巣の中には50000ガメル分の宝飾品が隠されている。気長に持ち主を探してもいいし、故買屋に売ってもいいし、衛士に届ければ金一封として5000ガメルをもらえる。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年10月19日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:逃げ行くゴブリン(3レベル)

今週の小冒険は夏コミの新刊ソード・ワールドRの3レベル・キャラクター4人用ですぅ。

D&Dの標準的なモンスターを混ぜて冒険を作ることのサンプルも兼ねてますぅ。

ソード・ワールドRのデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちはパダの“遺跡の番人”亭の店主サイモから、遺跡に住み人里の近くまで降りてきては略奪を働くゴブリンを退治してくれないかと依頼される。

はたしてキャラクターたちが遺跡に行くと、半狂乱になったゴブリンたちが我先にと出入口に殺到してきて、そこで一度戦闘になる。

実はゴブリンたちは古代王国の魔法装置を誤って起動し、その中に封じられていたジャイアント・スコーピオンを眠りから覚ましたのだ。この怪物に恐れをなして逃げたのが、冒頭の戦いである。

洞窟の中でジャイアント・スコーピオンを倒せば、魔法装置の中にあったささやかな財宝も手に入る。もちろん、ゴブリンの討伐だけをして帰ってもいい。

冒険への導入

キャラクターたちが“古代王国への扉”亭にいると店主のラウダが、パダにある“遺跡の番人”亭が人を欲しがっていたので、そちらで仕事をする気はないかと訊ねられる。内容はゴブリン退治。報酬は1人300ガメルである。

1.パダの街

パダの街はオランのように城壁で覆われて石造りの建物と道路が美しい中心部と、その周辺にあふれ出たスラムで形成されている。“遺跡の番人”亭はスラムにある方の冒険者の店で、そこでは店主のサイモがキャラクターたちを待っている。

サイモはやってきたキャラクターたちに、街から1日ほど行った場所にある遺跡に住みついたゴブリン討伐の依頼について話す。報酬は1人300ガメルで、ゴブリンのいる遺跡に何かあればすべてキャラクターたちが持って帰って構わないというのが条件だ。サイモはこの街にいる冒険者たちは遺跡の発掘を商売にしている者たちが多く、こうした皆のためになる安い仕事をしない者が多くて困ると裏の事情も説明してくれる。

2.いざ討伐へ

問題の遺跡はパダから1日行った農場の多い地域にあり、近くにはゴブリンたちの祭儀に使われているのであろう、動物の骨を掲げた丸太などが立てられている。

冒険者たちが遺跡に近づくなら、難易度15の【判断力】〈知覚〉判定を行なうこと。成功すれば、向こうの方から近づいてくる複数の急ぎ足を聞き取れる。この場合、難易度10の【敏捷力】〈隠密〉判定を行なうなら、そのキャラクターは後から来るゴブリンに気づかれない。

向こうから来るのはゴブリン・ロードが1体、ゴブリンが10体である。彼らは狂乱しており、反対側からやってきたキャラクターを発見すると遮二無二襲いかかる。

一度殴り倒して大人しくさせたゴブリンを尋問するなら、「マヌケがヘマをやらかした」、「箱の中から怪物が出てきた」などとわめく。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ゴブリン・ロード

中型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー、シールド)

hp:33(6d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 14(+2) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


アクション

複数回攻撃:2回のシミター攻撃を行なう

シミター:近接器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

3.遺跡の入口

ゴブリンたちをやり過ごすと、遺跡の入口がある。ゴブリンたちが出てきた足跡が乱雑に残っているだけで、残っている者の様子はない。

難易度12の【知力】〈捜査〉判定に成功すればぼろぼろの金属板を発見できる。ここには下位古代語で“巨大化実験室”と書かれている。

4.ゴブリンの集落跡

遺跡の中にはゴブリンの集落になっていた広間があり、そこには食い散らかされた兎や鹿の肉の他、彼らが追い剥ぎや野盗で盗んだ宝飾品が5000ガメル分散らばっている他、革袋に入った現金が3000ガメルある。

この集落の奥にはさらに奥へと続く通路があり、その先には高さと横幅が3m(10フィート)ほどの両開きの扉があり、近くでゴブリンが体の色を変色させて死んでいる。この扉の先はがらんどうで、とても涼しい。

ゴブリンの死因は難易度15の【知力】〈自然〉か【判断力】〈医術〉で、毒物によるものだとわかる。

5.カサカサと這い寄るもの

キャラクターたちがゴブリンの集落跡を一通り探索したところで、古代遺跡から開放されたモンスターであるジャイアント・スコーピオンが新しい獲物を見つけ、隠れ場所から襲いかかってくる。

難易度11の【判断力】〈知覚〉判定を行なわせること。失敗したキャラクターはジャイアント・スコーピオンに不意討ちされてしまう。

ジャイアント・スコーピオン

大型・野獣、無属性


AC:15(外皮)

hp:52(7d10+14)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
15(+2) 13(+1) 15(+2) 1(-5) 9(-1) 3(-4)

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:-

脅威度:3(700XP)


アクション

複数回攻撃:スコーピオンは2回の爪および1回の毒針で3回の攻撃を行なう。

爪:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:6(1d8+2)[殴打]ダメージ、および目標はつかみ状態(脱出難易度12)になる。スコーピオンは2つの爪を持ち、それぞれで1つの目標をつかめる。

毒針:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:7(1d10+2)[刺突]ダメージ、および目標は難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗すれば22(4d10)[毒]ダメージを受け、成功すれば半分のダメージを受ける。

結末

ゴブリンたちのいた遺跡を掃討したなら冒険は成功である。

逃げるゴブリンたちを見逃したなら、彼らはしばらく後にまたどこかで悪さをするだろうが、それはまた別の話である。

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本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

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