ネコぶんこ


2024年10月14日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] Gears & Gigantes公式サイト更新

先日アーマード・コア6TRPGの発表に便乗して宣伝したら在庫が完売したD&D第5版をロボゲーにするサプリメント、Gears & Gigantesを電子化したので(とはいっても発売は10月1日)、それに合わせて公式サイトの誘導も更新しましたぁ。

電子版はBOOTHDLsiteで、手数料分があるのでBOOTHの方が若干お安くなってますぅ。

また、『G&G』ではキャラクターの能力値をそのまま使っていたギアの操作を少し変更し、そのまま大きくしたキャラクター……ではなく、ロボに乗ってる感じが出るようにルールの再検討をしたウェブコンテンツ『ギア操縦の再検討』も掲載したですぅ。

これでギアでは有能だが生身の戦闘はそんなにうまくないとかができるはずですぅ。


2024年10月12日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] アドベンチャー:ゴブリンの海賊団(3レベル)

今週の小冒険は夏コミの新刊ソード・ワールドRの3レベル・キャラクター4人用ですぅ。

D&Dの標準的なモンスターを混ぜて冒険を作ることのサンプルも兼ねてますぅ。

ソード・ワールドRのデータ以外、データまわりはCC4.0のSRDを引用しているので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

キャラクターたちはカゾフの“海のカモメ”亭の店主フェルゼンから、近海に出没するゴブリンの海賊退治を依頼される。

このゴブリンの海賊は古代の爬虫類、プレシオサウルスの生き残りを使役する一族で、船に向かって恐竜で体当たりし、甲板で暴れ回るのが常套手段だ。

商船に偽装した船に乗り込んで海賊を倒せば、冒険は終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが“古代王国への扉”亭にいると店主のラウダが、カゾフにある“海のカモメ”亭が人を欲しがっていたので、そちらで仕事をする気はないかと訊ねられる。内容は海賊退治。報酬は1人500ガメルである。

1.カゾフの街

オランからカゾフは街道が整備されており、数日で到着できる。GMはキャラクターたちがカゾフに入るとき、入城料として衛兵から1人数ガメル徴収されると言ってもよい。

カゾフの街は大きな港の側にあり(本当は街の側に港を作っているのだが、港が主に見えるほど大きくなっているのだ)、住宅街と港や商店がある区画とのの間に“海のカモメ”亭がある。

“海のカモメ”亭に入り、眼帯をした伊達男、店主フェルゼンにラウダからの紹介だと話をすれば、彼はラウダは最近元気にしているかと世間話をしながら、依頼の内容について話し始める。

ここ数週間にわたり、小型~中型の商船が海上に現われるゴブリンから略奪されているので、彼らを叩いてほしいというのが依頼の内容だ。報酬はラウダから言われた通り、1人500ガメルである。

商人たちが船を一隻出してくれるので、それに冒険者が乗り込んでゴブリンを迎え撃つというのが海賊退治の手はずだ。

2.情報収集

カゾフの街で噂を集めるなら、以下のようなことがわかる。

  • ゴブリンたちは小さなはしけを使う者と、水面を進む者たちがいる。(本当。水面を進む者はプレシオサウルスの背中に乗っているのをそう誤認した)
  • ゴブリンたちは魔獣を数匹使役している。(本当。プレシオサウルスのことだ)
  • ゴブリンたちはカゾフの水中遺跡をねぐらにしているのではないか。(本当)

3.いざ出航

フェルゼンに準備ができたことを伝えれば、彼は今回の作戦に協力してくれた商船主のウザーラ氏と、マッコイ船長を紹介してくれる。

ウザーラ氏は親友の商船が襲われて彼の店が傾いたこともあり、大いに義憤にかられている。必ず海賊を倒してくださいとキャラクターたちに言い含めてくる。

マッコイ船長はウザーラ氏に説得されてこの危険な航海に挑む普通の商船船長だ、しかし、彼も海の男なので必要以上に怖じ気づいてはいない。ゴブリンが出てくるまでカゾフの近海を周回する役目はきちんとこなしてくれる。

4.ゴブリン、襲撃

マッコイ船長の船に乗ってカゾフの港を離れると、ゴブリンの漕ぐ小舟が3艘、向こうから突っ込んでくる。彼らは手慣れた様子でフック付きロープを船にひっかけると、よじ登って攻撃を仕掛けてくる。

小舟にはゴブリンが3体乗り込んでおり、操船する1体を残して6体のゴブリンが船に攻撃を仕掛けてくる。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:7(2d6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


器用な脱出:ゴブリンはそのターンにボーナス・アクションとして離脱あるいは隠れ身アクションを行なえる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

5.恐竜の襲来

「4.ゴブリン、襲撃」の遭遇開始から3ラウンド後、プレシオサウルスを使役するゴブリン・ロードと彼の側近のゴブリン・シャーマン、そしてゴブリン2体が襲来する。彼らはプレシオサウルスを船に体当たりさせ、その長い首づたいにロードとゴブリンが接舷する。

プレシオサウルスを目撃したキャラクターは難易度12の【知力】〈自然〉判定に成功すれば、古代種の竜から産み落とされた竜とリザードの混種である恐竜、その中でもプレシオサウルスと呼ばれるものだと知っている。

ゴブリン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(パデッド)

hp:9(3d6)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 10(+0) 8(-1) 8(−1)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

ゴブリン・シャーマン

小型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:13(レザー)

hp:9(3d6)

移動速度:7.5m(25フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
8(-1) 14(+2) 10(+0) 12(+1) 10(+0) 14(+2)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉9

言語:ゴブリン語、精霊語、地方語

脅威度:1/2(100XP)


呪文発動:ゴブリン・シャーマンは3レベルの術者である。呪文発動能力値は【魅力】(呪文セーヴ難易度12、呪文攻撃+4)である。ゴブリン・シャーマンは以下のウォーロック呪文を修得している。

1~2レベル(2レベル・スロット2つ):インヴィジビリティウィッチ・ボルトエンタングルキュア・ウーンズ

ノームの悪戯:ゴブリンはアクションを用いて9m(30フィート)以内のクリーチャーに難易度12の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわせ、失敗したら伏せ状態にできる。

アクション

ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。

精霊召喚:遠隔呪文攻撃:攻撃+4、間合い9m(30フィート)あるいは射程6/18m(20/60フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d10)[殴打]ダメージ。

ゴブリン・ロード

中型・人型生物(ゴブリン類)、中立にして悪


AC:15(レザー、シールド)

hp:33(6d8+6)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
12(+1) 14(+2) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0)

技能:〈隠密〉+6

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉10

言語:ゴブリン語

脅威度:1/4(50XP)


アクション

複数回攻撃:2回のシミター攻撃を行なう

シミター:近接器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ。

プレシオサウルス

大型・野獣、無属性


AC:13(外皮)

hp:68(8d10+24)

移動速度:6m(20フィート)、水泳12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 15(+2) 16(+3) 2(-4) 12(+1) 5(-3)

技能:〈隠密〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


息こらえ:プレシオサウルスは1時間まで息を止めることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い3m(10フィート)、目標1体。ヒット:14(3d6+4)[刺突]ダメージ。

結末

ゴブリンたちを倒せば、ひとまずゴブリンの海賊の襲撃は終わる。彼らの本拠地はカゾフ近海に沈んでいる古代遺跡の中にあるが……それはまた別の話でよいだろう。

This work includes material taken from the System Reference Document 5.1 (“SRD 5.1”) by Wizards of the Coast LLC and available at https://dnd.wizards.com/resources/systems-reference-document. The SRD 5.1 is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License available at https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/legalcode.

本作は、「著:水野良/グループ SNE」が権利を有する『ソード・ワールド RPG』の二次創作作品です。

© 水野良/グループ SNE「ソード・ワールドRPG」


2024年10月10日 [長年日記] 編集

§ [DnD][5e] 『What’s New in the 2024 Dungeon Master's Guide?』と動画の要約

D&D Beyondで2024年版『Dungeon Master's Guide』の紹介が始まったし、『PHB(2024)』はもう出たし今更プレビューを翻訳しても……ネ……ということで、D&D Beyondの記事『What’s New in the 2024 Dungeon Master's Guide?』とそこからリンクされている動画より、『DMG(2024)』の紹介をまとめますぅ。

まず『DMG(2024)』は384ページで、2014より50ページほど増えているですぅ。

第1章は『PHB(2024)』にもあったような本当に基本の章として位置づけられていて、DMは何をするのか、どうやってプレイヤーを集めるのか、といった部分から解説され、その後にゲームの運営についてケーススタディなど細かい解説がある第2章、ゲームの構成要素を分解して解説し、データもついているDMの道具箱とも言うべき第3章が続く構成ですぅ。

『DMG(2014)』の反省点として本全体に情報が散逸していたので、2024ではそれをまとめて構成しなおすことに心を裂いた様子ですぅ。

大きな目玉として紹介されているのがPCたちの拠点を作るBastionsのルールで、5レベルから拠点の建造が可能になって冒険の間に生産ができたりイベントが発生し、PCの成長に従ってさまざまな要素が追加されていく……2014では不動産価格と管理費で終わっていたような部分がより目鼻立ちのあるルールになったですぅ。これは、拠点の中をNPCなど含めプレイヤーも管理できる世界を作って物語をより豊かにする意図もあるそうですぅ。

一番ページ数を割いてあるのは魔法のアイテムについての章で、400以上のアイテムが掲載されていて、さらには魔法のアイテムを別のものにしたり自作するルールも追加され、例としてはフレイムタンの機能を持つグレートクラブを作れるなどが挙げられているですぅ。もちろん、この本にはその他光線銃など未来の武器も収録されてますぅ。

そして第4版の『DMG』にあった「コボルド館」ぶりに、すぐにプレイできる5本のアドベンチャーが収録される他、使い回しがきくDMエイドとして地図やシート類も収録されますぅ。シート類はゲームの重要な進展を記録するトラッキング・シートやNPCシート、街や村を記録する共同体シート、Bastionを記録するシート、魔法のアイテム・シート、そしてPCの背景情報などを記録しておくシート、セッションの事前準備をするセッション・プランナー・シートなどですぅ。

サンプルのアドベンチャーではその構成要素を分解した解説もついているそうなので、自作派にもうれしそうですぅ。

冒険の基礎になる世界設定はターシャやモルデンカイネン、ヴェクナなどを生んだグレイホーク世界の設定も一通り掲載され、自由都市グレイホークや他のさまざまな場所を始まりの土地としてキャンペーンを始める手引きがあるというですぅ。付属のアドベンチャーも、グレイホークで使えるようにしてあるそうですぅ。

またオルクスやモルデンカイネン、ロルスなどポンポン出がちな設定関係の用語集も巻末に入っているですぅ。