ネコぶんこ


2012年08月07日 自分の腹を切り裂き、眼をえぐりだして、こういう光景を内側にとりこみたい。 [長年日記]

§ [DnD][DnDNext] 『プレイテスターの横顔――マイク・シア(Playtester Profile - Mike Shea)』

2012年07月20日、金曜日、午前11時21分

投稿者:WotC_Trevor

私たちは毎週、さまざまなD&D Nextのプレイテスターと話し、D&D Nextのプレイテストで彼らが考えたことや知見を共有している。

マイク・シアとは誰?

オンラインのD&Dコミュニティに参加している人ならば、マイクは第4版のダンジョン・マスターへの小技と助言に特化したブログでENnyにもその名連ねたことがあるブログと同名のSly Flourish(ツイッターでは@slyflourish)だといったほうが通りがいいかもしれないかれは同じ目的のために2冊の著書――Sly Flourish's Dungeon Master TipsSly Flourish's Running Epic Tier D&D Games――ものした上、DragonやDungeon、そしてD&Dのウェブサイトでも記事を書いた。最新の記事は『Far Realm Fiends』だ。

トレヴァー・キッド:さて、マイク。君がD&D Nextのプレイテストで感じたお気に入りの要素は何だろう?

マイク・シア:戦闘の速さかな。これは小さなことのようだけど、戦闘にかかる時間を減らすということは、僕らは探索したり、パズルを解いたり、ロールプレイをするようなD&Dの他の部分に時間を多く取れるんだ。これは僕がD&D Nextで大規模な戦いを経験していないということじゃない。僕はプレイテストをした時、第4版の頃と同じくらい大規模な戦闘も行なった。素晴らしかったのは小競り合いとちょっとした戦闘がたったの5、10、もしかしたら15分ほどで終わることだ。これはDMに同じ時間により多くの冒険を仕込める余地を与えている。

トレヴァー:それじゃあ君が行なった長短両方の戦闘で、いくつかの戦いではプレイマットを使わなかったことに自分でも気づいただろうか?

マイク:僕はいくつか“脳内劇場”で戦闘を行なったけど、より多くをそうしたい。ただ、僕の戦闘はほとんどがグリッドを使っていて、それが新しいD&Dのプレイヤーも第3.5版や第4版からの古株からも好かれているんだ。僕はグリッドがない環境をより快適にしたい。そうすればもっと速くできるようになると思う。挟撃や機会攻撃のような要素はグリッドを使わずに説明するとき、どう使ったものか、より良いやり方はないかと僕を悩ませる。

たとえば、グリッドのないプレイでローグが遮蔽を得るのをどう裁定しよう? 挟撃もどうしよう? 僕らはどうやって6体のコボルドと6人のPCを落とし穴があるL字型の回廊で戦う様子を、何か描くことなく描写すればいいのだろう? 僕はグリッドを使わないオプションが凄く嬉しいが、僕はまだ自分のゲームでそれをいじる必要がある。

トレヴァー:私たちに君が行なったより大規模な戦いについて話せるかい?

マイク:僕は『White Plume Mountain』(よくできたアドベンチャーで、D&D Nextのためにも素晴らしい)のジグラットの部屋を使った。それは巨大な部屋で、区切られた階層のそれぞれにお互が分断される形で異なるモンスターがいる。僕は事前に全部を描き出しておいたので、パーティは多くの時間を使ってモンスターをどうやって左右に分断するかを考えた。

彼らはあるときは攻撃してある時はしなかった。数人のPCは縄を使って中心部でぶら下がり、われらが好奇心旺盛なローグは安全にすべての水を下に落としてジグラットの底を水浸しにし、残っていたモンスターも水没させた。PCは過去と戦った。魔剣ブラックレイザーとオニが待ち受ける最後の部屋の前にずぶぬれのマンティコアと、おぼれずにすんだスコーピオンとクレイフィッシュを相手にしたんだ。

それは伝統的な第4版の戦い方ではなかったけれど、グリッドにモンスターやさまざまな物を並べる大きな戦いで味わえるすべてのものがそこにあった。溺れることも喰われることもなくオニの部屋に到着するのには、たしか30分くらいかかった。PCがどう部屋をやり過ごすか見ることができて、満足したよ。

オニはそれとは別の伝統的な第4版の戦いだった。僕は彼の棲み処を表現するためにあらかじめ印刷されたマップを使い、そこの魔法陣は〈宗教〉あるいは〈魔法学〉判定で制御すれば、内部の者がその敵に対する“有利”を得られるようにした。彼らが判定を失敗すれば、敵が彼らに対する“有利”を得る。これは四角い大部屋とそこにいるモンスターに加え、僕らが第4版で使っていた地形パワーという追加要素を移植したものだ。たったひとつの問題はここで僕が、オニの持っていたファイアーボールをPCがおそらく全滅してしまうから使わなかったことだ。彼らはヒット・ポイントがかなり削れていて、僕は3回もセッションしてきた冒険を彼がファイアーボールを使って全滅させなかったように、彼らの死で終わらせたくなかった。

Nextの死にやすさはこの戦いで確かに認識した。D&D Nextに死の脅威が戻ってきたことは素晴らしいけど、第4版のPCが使いこなしてきた即応・割込とたくさんの一時的ヒット・ポイントの上で死体の山を放り投げるのには慣れない。

トレヴァー:君が現在のプレイテストで好きになれなかったものはあるかい?

マイク:ないね、本当に。僕はここまで見てきたものすべてに満足している。

トレヴァー:君はこれからのプレイテストで何が変化してほしい?

マイク:僕が初めてプレイした第2版以来、D&Dはすべての版で10レベル以下が素晴らしいものだった。より高いレベルになれば力が強く幅広くなり、彼らはどうしようもなくなる。第3.5版と第4版のゲームのもっと高いレベルのゲームは、キャラクターが持つたくさんのオプションで運用に長い時間をかけてしまう。それはより長い戦いになるか、戦闘が凄まじく一方的なものになる。

僕はこれがD&D Nextでどう修正されるか見てみたい。僕らは速く進行させることを確実にし、プレイヤーの権限を強くして彼らが本当に高レベルになったと実感できるようになったのを確認したいので、僕はもっと高いレベルのゲームのテストを始めたい。僕はそれが難しいバランスだと知っているけど、僕らはそれを僕らのテーブルでやってみるまでそれがちゃんと仕事をするかよくわからないことを知っているのだから。

トレヴァー:私たちが話していることで、君がこれからのプレイテストのパックで見ることを心待ちにしているものはなんだろう?

マイク:オルクス。僕はゲームを崩壊させずにPCに衝撃を与えるロブ・シュワルブの新しくて凄まじいオルクスを見てみたい。真面目に答えるなら、僕は1から20レベルまでの完全なコア・クラスを見てテストしたい。

トレヴァー:君のD&D Nextのプレイテスト全体に対するこれまでの印象はどうだろう?

マイク:いい感じだ。僕らはもちろん、それがいつ発売されるか、商業的な圧力が作用して前倒しされないかと心配してはいる。プレイテストの変化や『Legends & Lore』の記事からは、WotCがどこで道を決めて進まなければならない基本的な問題のいくつかを、まだ解決できていないように僕らは感じる。僕は多くのテストによってそれが確実に素晴らしい製品となるのを確実なものにするために必要なテストがまだ多く残っていると感じている。

トレヴァー:締めくくりに、プレイテストを成功させるために必要なものは何だろう?

マイク:求めたいのはプレイテスターのフィードバックを優秀な専門家のゲーム・デザインを捨てずに組み込むこと。僕らは何かを考えていても、時に何がほしいのかまったくわかっていない。声の大きなグループが何かへの嫌悪や好意を発言しても、彼らの意見がゲームを動かすことがないよう、このゲームを呼吸するようにやっているWotCの専門家には求めたい。D&Dの単一の版であなたがみんなの問題を解決できるわけではない。

あなたはしっかりとしたデザインの原則に立って選択することができるのだから。

だからこそ。僕はデザイナがフィードバックを判断し、暴徒の意見に流されるのではなく正しく冴えた選択をするのと同じくらい、彼ら自身の感覚を信じてもらいたい。