2013年03月22日 とはいえ“よい”プレイがプレイヤーの経験から生まれると考えて、非人間キャラクター(ドワーフ、エルフ、宇宙人など)をプレイするのが難しいなどと考えることも意味がない。 [長年日記]
§ [Ludus] “『Shroud of the Avatar』はリチャード・ギャリオットの『ウルティマ』の精神を継ぐものだ(Shroud of the Avatar is Richard Garriott's spiritual successor to Ultima)”
Massively multiplayer online games are dead. Long live meaningful multiplayer online games.
Shroud of the Avatar is Richard Garriott's spiritual successor to Ultima | Polygon
大規模マルチプレイヤ・オンライン・ゲームは死んだ。今も生きている意味はマルチプレイヤ・オンライン・ゲームだ。
従来型MMOの大衆化に貢献しロールプレイング・ゲームというジャンルの発明者のひとりでもある人物、リチャード・ギャリオットは、より深い人間関係に焦点をあててゲームへの参加者がそこまで大規模にならない、新しい種類のMMOを創造しようとしている。
この意味があるマルチプレイヤへの注力こそEAが権利を持つウルティマ・シリーズの精神的継承者であるギャリオットの新作ゲーム、『Shroud of the Avatar: Forsaken Virtues』の中心にあるものだ。この新作ゲームはウルティマ・シリーズのファンなら非常に慣れ親しんだゲームプレイによるより個人的なオンラインとオフラインの体験を与えてくれそうだ。
「思うに、これまでのウルティマ・シリーズはソロプレイヤが探検を続ける領域として本当によいものだったし、ロールプレイング・ゲームと私が考えた『ウルティマ・オンライン』は、まさにマルチプレイヤの基礎になる製品だった」とギャリオットは言う。「私は現在、ソロプレイヤ・ゲームでも大規模マルチプレイヤでもない、新たなかたちのロールプレイング・ゲームを生み出せそうだと感じている」
『Shroud of the Avatar』は今朝、30年以上ゲームを作ってきたギャリオットの開発についての信念において構築されるために、100万ドルを目標にしたKickstarterを始めた。
資金が得られたら、『Shroud』はよりプレイヤ体験に注力し、お使いクエストと仮想空間に投げ捨てられた非常に多くの旅人たちの退屈さを減らした古典的ファンタジイ・ロールプレイング作品ゲームとしてより磨き上げられるだろう。
ギャリオットは『Shroud of the Avatar』が最大でも「10人ほどの」ゲームになるだろうと語っている。それは完全にオフラインや単独でプレイでき、オンラインにしたなら、ゲームは常にプレイヤの世界にいる気心の知れたプレイヤや時に友人を探すことになるだろう。
「MMOでは同じマップに1万人すべてがひしめき合って君は1万人全員を見ていたが、そのかわりにこのゲームが行なう方法では、優先順位システムによって君にとって関係ある人を君が見ることのできるエリアにつれて来る」そうギャリオットは言った。「そう、やってくるのはみんな君と気の合う友達なんだ。君の近くに住んでいる人や似た趣味を持っている人なら誰でもそこへやってくる可能性があり、そうした人たちが利用できないなら、それは君の周りに見知らぬ人や他の出会いの機会を持ってくる」
「私たちは仮想世界の1万人が君の周りを駆け抜けていった見知らぬ1万人、いわば風景にすぎなかったことを知っている。私たちは君がその友達と走るだけではなく、君と同じ一般的な経験や興味を持つ人たちと走る可能性を増やしたい」
世界創造者、リチャード・ギャリオット
ギャリオットが少し『シヴィライゼーション5』のマップのようだがと言いながら広げた『Shroud of the Avatar』の豪華な世界地図は、継続的なシェアード・ワールドとしての重厚さがある。君の拡大表現されたキャラクタはこのマップでリアルタイムの旅をし、プレイヤは目的地、他のプレイヤ、敵、友達やモンスタを見下ろし型の視点で探し出すことができる。プレイヤが戦闘や建物に入ったとき、ゲームの視点は縮尺がきちんとした三人称のものに変化する。
パンチカードの海賊
ロールプレイング・ビデオ・ゲームの先祖『Akalabeth』はリチャード・ギャリオットの処女作ではなく29作目で、すべては彼がハイスクールで書いた魔道士モンデインとロード・ブリティッシュの戦いの物語が元になっている。
ギャリオットは『D&D1』から『D&D28』まで一連のシリーズではテレタイプ端末で紙テープをパンチし、アスキー文字を一文字づつ書いていったと語った。
「それは見下ろし型の世界でアスタリスクを使って壁や通路の空間を表現していたが」彼は言う「もしグラフィカルならそれはとてもウルティマのように見えただろうね」。
Apple IIが登場したとき、ギャリオットは『D&D28』バージョンBを書いて『Akalabeth』と改名した。
そのころコンピュータの店で働いていたギャリオットは、ビニール袋とパッケージの印刷に200ドルをかけて、店でゲームを売り始めた。
それらを11本売った後、彼はそのゲームを売らせてくれないかとゲーム会社に交渉を持ちかけられた。
商品を発見した彼らは、彼に海賊版を見つけていたことを伝えた。
「12本は売れたんだ」ギャリオットは続ける「そして誰かがその海賊版を作った」。
ギャリオットは今も彼の開発するゲームやその世界にある存在についての執筆をするのが好きである。私たちと開発者の話が始まる前に、ギャリオットは彼のバッグを降ろし、会議室のテーブルにビデオ・ゲームの歴史遺産をたくさん披露してくれた。彼はその初期作品であり世界初のロールプレイング・ビデオ・ゲームとも考えられるジップロックに入った『Akalabeth』や、日の目を見ることがなかった黄味がかった紙テープに作られたその前作のようなものを持ってきたのだ。彼は私たちにハイスクールで書き、『ウルティマ』の物語にも発展した小説(彼はこれでAの成績をもらった。それは学校中で彼だけだったらしい)を綴じたバインダも私たちに見せてくれた。そして彼は私たちに箱に入った『ウルティマ』のゲームをふたつ見せてくれた。最後に、ギャリオットは方眼紙を広げ、これこそ彼が“世界創造者”たるゆえんだと言った。
「そう、これが進化する新たな世界だ」ギャリオットは紙をテーブルに並べていく。「これは私が世界の原型として描いた最初の地図。これが野外の地図として最初に描いたもの」
「あの頃の私たちはこの案が充分なものではないと判断し、私ももう少し大きな案を出した」彼は言って同じ地図のより細かなものを置き、それを3枚目の紙と交換する前に言った「そして私たちはなんと三度目の案を出した。そしてこれこそ私たちが現在構築している案だ。これはそれを私が手書きしたものだ」
ギャリオットが私たちに披露したゲームの初期版では、彼が霧に覆われた土地(現在それはニュー・ブリタニアと呼ばれている)をぶらつくと彼が旅した部分のマップが明らかになっていった。ポール・バニヤンのような彼のアイコンが小さな町に近づくと、そこへ“入る”ことができるとギャリオットに教えるアイコンが出現した。
これが進化する新たな世界だ。
キーボードをクリックするとゲームは三人称視点へ変化し、城壁で護られた町に立っているギャリオットのキャラクタを後ろから眺めていた。
ギャリオットはニュー・ブリタニアの共同体は3つの規模に分かれると予想している。農業を主にする比較的無防備な村、わずかながら防備を固めた町、そして非常に保護された大きな街。これらの場所ではすべて土地を購入して建物を建設することができる。プレイヤが所有する建物はギルドの拠点、工房や店、あるいはまさに遊び場として使うことができる。ギャリオットは私たちが訪れた町にある一軒の家に入ると、演奏できるピアノのようにインタラクティヴなオブジェクトが多くあることを私たちに見せてくれた。
理論上、家はその中にアイテムを完備し、プレイヤが模様替えで移動させることもでき、土地の売買関係では健全な現実の経済が形成される。どんな町でも建設可能地域は有限で、より交通量がある道沿いで護りも堅固な、その土地により高い値段がつくよい土地についても同様である。
「私たちはまだ最終的な経済見通しを立てている最中だ」ギャリオットは言う。「プレイヤが所有する家や土地を他のプレイヤと取引するとき、私たちはおそらく事務手数料を取るだろう。私たちは今のところその事務がどういう形になるかまだ予想がついていない」
平和な村の中を少しぶらついた後、ギャリオットは町を離れて見下ろし型のより大きな世界マップへ戻った。数秒後に彼はそのキャラクタを別の炎上している町へ移動させた。
「こうやって私の行く先に何があるか小さなヒントを出しているのさ」彼は言った。
はたして村へ入ると、私たちはその町が戦場になっていることを知った。スケルトンの群れが城壁に迫り、近くの投石器からは火のついた弾が街へ撃ちだされていた。
ギャリオットは彼のキャラクタを投石器の方へ向かわせながら、近づいたら彼女の妹を助けてくれるよう頼んでくる女性がいることを説明した。しかし、君はこの攻城兵器を破壊するまで街には入れない。
戦闘はまだデザインの初期で、ありきたりのようだった。プレイヤはマウスでポイントした後にクリックして武器や魔法による攻撃を行なう。
「完全な戦闘システムはまだデモできる準備ができていなかったんだ」ギャリオットは言う。「しかし私たちはどうやってクリックを繰り返す戦闘の方法から逃れようか試行錯誤している。私は『ディアブロ』の大ファンで……個人的にとても楽しんだので、それについて少しの問題も感じていない。君が住んでいる仮想世界ですばらしいひと時を求めていないのではないなら、君はダメージの最適化に時間がかかりすぎないような戦闘が作られることを心から望む必要がある。そこで私たちは君の学習に基づいてオプションを提示する技能システムを準備した。
「たとえれば、君がより多くの技能を学習して戦闘に向かえば、それらの技能は(カード・ゲームの)デッキのようになる」
最後に、彼は君は戦いの前に使うものと使わないものを選ぶ必要があると言った。
「私たちはより戦闘がうまくなったと感じることなど、遭遇するさまざまな物事でのプレイ経験を君が研ぎ澄ませられるようにしたい」と彼は言う。
ギャリオットはプレイヤが町への攻撃を止めることも、それを失敗してしまうこともあるが、その結果と戦いのすべてはゲームのより大きな物語の一部だと話した。
私たちはより戦闘がうまくなったと感じ、プレイ経験を君が研ぎ澄ませられるようにしたい。
究極のRPGとは何か?
リチャード・ギャリオットが『Shroud of the Avatar』に盛り込んだデザインのアイデアの基礎は、Portalariumに寄せた『究極のRPGとは?』という題名の論文で形成された。
ここではギャリオットが究極のRPGに必要な重要な要素だと定義した要素のいくつかを抜き出そう。
完全にインタラクティヴな仮想世界:いじられるように見えるなら、それで何かできなければならない。
独自性のある深い物語:倫理的寓意、文化史、十二分に洗練された創作言語の文章。
物理的なゲームのおまけも役立つ:布製の地図、物語性のある説明書、小物。
マルチプレイヤ・オンライン・ゲームはソロ・プレイヤやオフラインでもプレイできるようにする。
物語の時間
「私は君たちに英雄の役割をプレイするだけではなく」ギャリオットは言う。「もし君が英雄をやりたいなら、私は君が英雄的に活躍できて君がどれだけ英雄的かに基づいて判断するつもりだ。しかし悪人もまた活動的であるべきだ」
ギャリオットはこの考えを、物語の進化ではないが主要な敵の進化としてゲームの特徴になると話した。『Shroud of the Avatar』の悪人は殺されるために君が訪れるのを待ち続けているのではなく、状況に従う。そして君が充分に注意をしていれば、彼の陰謀を出し抜いて妨害することすらできるとギャリオットは言った。
「君は悪人がどこで陰謀を企てているか知ることができて、彼を追い詰めたり出し抜いたり、真正面から彼と対決することができる」そう彼は語った。
ゲームに関わるものすべては物語性を持つので、モンスタとの戦いから放浪する盗賊団、ダンジョンやジプシーのキャンプなどゲームに用意されたさまざまな遭遇の経験からプレイヤが物語を創造して語ることによって、『Shroud』の真価は発揮される。
ワールド・マップに戻ると、ギャリオットは道沿いに移動している小さなジプシーの馬車をポイントした。君がここまで移動してキャラバンに追いつけば、ジプシーのキャンプとの遭遇が始まる。君はまた、ジプシーがキャンプを準備しているときにこれらと遭遇することもできる。
ギャリオットがまた移動すると、視点はふたたび三人称に変更されて私たちはキャンプの外れにいた。遠くには狼の遠吠えが聞こえる。彼が木立ちの近くにあるキャンプにいる女性へ近づくと、彼女は彼に狼について警告した。彼らが攻撃してきたので、ギャリオットはそれを倒した。
ここで少し奇妙なことが起こった。ギャリオットがシナリオを進めて狼を倒すと、女性は彼に感謝し、彼女はお礼を何も持たないので代わりに結婚指輪をお礼にすると言ってくる。
「私たちがその贈り物を受け取るかどうか、それは完全に私たち次第なんだ」彼は言った。
そうすることはいかなる明白な罰ももたらさず、ゲームは選択の結果を覚えているとギャリオットは話す。
「これはひとつのイベントとしての形態ではない」彼は続ける。「これは行為のパターンを持っている。私たちは君が行なうさまざまな行為を観察するためのテストを入れている。君は親切か? 君は太っ腹か? 君は意地が悪いか? 君は盗みをするか? そして君のさまざまな行為を観察することによって、彼らは君がここにいる人を本当に助ける気なのかそうでないのかを判断し、ゲームは君に対する態度を変化させる。だから君が悪の側へ進むなら、それもまたよしだ」
こうした瞬間的な倫理判断で君の経験は少しづつ変化するだろう。たとえば、この先お金に困っているジプシーが君にカモを売ることを申し出る。もし君がそれを買えば、ジプシーは君が彼らを助けたことを覚えておき、ゲームを進めてから君が彼を助けたときに彼らは君によりよい報酬を渡すかもしれない。
君は親切か? 君は太っ腹か? 君は意地が悪いか? 君は盗みをするか?
ゲームとその物語は多くのシナリオへと解体され、ある程度は物語と関連性を持ち、またある程度はそれを持たない。しかしこれらの状況すべてで、君はゲームの中で他のプレイヤと出会い続けることができる。
たとえば、私がプレイしてジプシーのキャンプに遭遇しているときにギャリオットがゲームで私の世界へ入ってきたとすると、彼はワールド・マップでキャンプのアイコンの上に小さな旗を見つけるだろう。
「私はそれが誰かはわからない」ギャリオットは言う。「それは君かもしれないし、知らない人かもしれないが、誰かがいまそこでジプシーと遭遇しているのだ。そのとき、私は君がその遭遇で何をしているのかわからない。私は彼らが善人かどうかわからない。私は彼らが悪人かどうかもわからない。私は君が彼らを食いものにしているのか、あるいは彼らが君を食いものしているのかわからない。しかし私はそのアイコンまで歩き、そこへ入って君と同じシナリオを体験する。それはパーティを組むことではなく、その場限りのものだ。自動的なね」
こうして他のプレイヤが遭遇に参加するとき、彼らにこれまでのあらすじが語られてどういう状況かをつかませることはなく、彼らは周囲を観察して自分自身でそれを把握しなくてはならない。それはゲームにとって重要なもうひとつの要素だとギャリオットは言う。
私はクエスト・ログと君がどこへ行くべきかの矢印と人の頭の上にある感嘆符を使いたくない。
現在のロールプレイング・ゲームのほとんどは、君がなぜそこにいて、君が何をやるべきで、君はどうやればいいかとあまりにもたくさん君の手を引っぱって説明をしすぎるため、簡単すぎるとギャリオットは考えている。
ギャリオットが構想しているのは、君がプレイしているときに紙へ逐一メモを取らせるほどではないが、君にもう少しの思考と記憶力を要求するのは確実になる、より手ごたえのあるRPGだ。
「私はクエスト・ログと君がどこへ行くべきかの矢印と人の頭の上にある感嘆符を使いたくない」と彼は言う。「私たちは少なくとも君がやるべきことを読み返せるように自動でログを取るジャーナル機能は準備するつもりだ。しかしそれはチェックリストと要点の記号やマップ上の矢印ではない。それは『君はこの世界にいて、それは現実めいた世界で、君は心ゆくまでそこに生きて探検することができる』ことを否定するからだ」
他のプレイヤがどういう状況にあるか、ここで何が起こっているかを理解できないという考えは、そんな中で発生するお互いに興味深いプレイヤ対プレイヤ戦闘をギャリオットに思いつかせた。
「私たちはPvPも準備する」彼は言う。「私たちは綿密な作業を行っているが、これはPvPに関する大雑把な計画だ。私たちはこれら両極端なふたつのどちらも望んでいない。まず、『ウルティマ・オンライン』でのPvPは大きな楽しみのひとつとして完全に開放されており、君がそれ(プレイヤ殺し)に入れ込んでいたらすばらしい楽しみだった。ここでの問題はPvPやPKをする人が感じる最大の楽しみのうちに初心者殺しがあったことで、それは当然ゲームそのものをひどく害した。『ウルティマ・オンライン』では開始早々多くの人たちが追いかけられ、彼らの一部は決して戻ってこなかった」
「一方で、挑戦が送られてくることが興をそぐため、私たちは完全な承諾制のPvPをまったく望まない。これが除外される両極端だ」
そのかわり、現在はゲームのある地点で強制的、あるいは選択を進めることで君が無法者になる特別な任務やシナリオが計画されている。そしてそうなれば、その時点で君は他のプレイヤからは敵とみなされ、時に獲物となる。
ギャリオットが私たちに例示したもののひとつに、プレイヤは街から街に密輸品を輸送する依頼をされる。プレイヤが請ければ、彼らは他のプレイヤ全員から追われる身であり、PvPの目標になる。
「そう、PvPは全般的な選択ではなく物語や行動へと取り込まれ、物語の中でイベントとして運用される」と彼は言った。
物語は少しの間これらの要素を必要とするかもしれないが、ゲームの物語をプレイするうえでずっと必要になるわけではない。プレイヤは当然探検をしたり、町に鍛冶屋の店を作って他のプレイヤに物を作ってやることで金を稼ぐことができるとギャリオットは話した。
ギャリオットは彼が他の特別な種類の技能群をプレイが開始されてから売り出すかもしれないと言った。いくつかの伝統的ロールプレイング・ゲームとは異なり、『Shroud』には特定のクラスがなく、プレイヤは技能群を学んでそれを極めることで彼ら自身のプレイスタイルを作ることができる。えり抜かれたものでゲームが始まってからも、たとえば錬金術師などをいくつか追加で売り出すかもしれない、そうギャリオットは話した。
スチームパンクではない
『Shroud』の世界はファンタジィの背景を持ち、剣も魔法はもちろんのこと、銃もある。しかしそれをスチームパンクと呼ぶのはまったく正確ではないのでやめてほしいと、リチャード・ギャリオットは言った。
「私たちはあちこちでスチームパンクという言葉をもてあそんできたが、それにはあまりにも私たちが行なわないことが積み重なっている」とギャリオットは話した。
彼らは空気に荷電して敵を撃つテスラ銃や有害な毒の雲を煙の輪として噴射する銃など、わずかに科学の雰囲気がある武器を入れている。
ゲームの瞬間移動用ムーンゲートは月齢によってゲートの行き先が決定されるため、プレイヤはそれに注意を払うことが要求される。しかし宝石で月光を反射させて行き先を操作する技術がある。
「私たちは中世風世界の上にいくつかの新しい技術を乗せて発展させたんだ」とギャリオットは語った。
ギャリオットの新作ゲームでもっとも興味深い要素は、彼がそれを展開する方法だろう。彼が私たちに明らかにした構築済みの自作地図は、より大きなゲーム世界の一部にすぎないことがわかる。
ゲームのKickstarterがうまくいけば、ギャリオットはゲームの新エピソードを展開する予定だ。出資を募るエピソードはそれぞれに多くの物語が盛り込まれるがもちろんゲームのマップも拡大され、基本的に全5回の拡張と、5つのエピソードが計画されている。彼が言うには、私たちが見た地図はマップを繋げていく中心になるマップだ。いくつかのマップは最初と同じ大きさで、いくつかは2倍あるいは3倍の大きさになると彼は言った。そしてそれらすべてをきちんと組み合わせて9倍の大陸になったものが本来のマップの大きさだ。
ゲームの立ち上げと維持のために彼のKickstarterを始めたギャリオットは、その多くは完成のためとエピソード販売に分類されると語った。 v 多くのKickstarterのように、『Shroud』もいくつかの出資段階がある。ギャリオットは、もっとも安価な10ドルはかつて彼のゲームを違法コピーしたり『ウルティマ・オンライン』にのめり込んで新人プレイヤを追いかけ回して殺すことを楽しみにしていた人々の“自責のしるし”だと話した。
私の考えでの成功は百万ドル以上だよ。
「私たちに10ドル払えばそれはすばらしく感謝され、君はその罪を赦される」と言って彼は笑った。
標準ゲーム購入契約以上の価格では、ゲームの物理的なパッケージに加えて布製の地図、コインとゲームを製作しているPortalariumの開発者からのちょっとした品物が現実世界で贈られる予定だ。君が一度に千ドル投資するなら、君はゲームの他にゲーム内の一等地にギルドの拠点や豪邸として利用できる土地の権利も購入できる。これらについての話では、すべてプレイヤが購入していけばすべてをプレイヤが所有する町を許容するということまで出た。これはギルドがそこにあるすべての建物を所有することで、彼ら自身の町をマップに持てるようにする考えから生まれた。
ここで重要なのは、他が始まった後でも君がそこにとどまりプレイし続けることができる最初のエピソードにKickstarterで出資する人々が何を買っているか気をつけるべきことだ。ゲームに資金が集まって完全に拡張されて君が他の地域に行きたくなったなら、君はそれら追加エピソードを購入する必要がある。その価格はまだ決められていない。
ギャリオットは彼のKickstarterが十分成功することなく、十二分に成功することを望んでいる。
「私たちは成功の目標を約百万ドルと決めている」と彼は言う。「私はもう少しほしいのだが、たとえ私たちが百万ドルを得たとしてもそれは私たちがこの秋にコンテンツをプレイヤへ届ける計画を急がせるのに充分だと考えている」
これはつまり、彼はすべてのKickstarterが成功するわけではなことを了解しているのだとギャリオットは話した。
「クラウドソーシングの恐ろしいところは成功しているクラウドソーシングがおよそ4件しかないところだ」と彼は言った。「私の考えでの成功は百万ドル以上だよ」