ネコぶんこ


2012年05月21日 人はよく馬鹿げた報告をそのまま受け入れ、それを伝達するが、すると今度はその報告者の信用にもとづいて、そうした情報が信じられるようになる。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『ヒット・ポイントは長い友達(Hit Points, Our Old Friend)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

D&D Nextで、ヒット・ポイントとヒット・ダイスはキャラクターの肉体的な耐久力を表現するために私たちが使う抽象的な概念である。事実、私たちはキャラクターのヒット・ポイントとヒット・ダイスについて3つの重要な点を理解している。

  • 肉体への苦痛にどれだけ耐えられるかは、体格、大きさ、そして耐久力によってはかられる。エレファントやヒル・ジャイアントは生まれついての持久力と大きさゆえに多くのヒット・ポイントを持っている。大きなクリーチャーは多くの苦痛に耐えることができる。
  • 直撃をそらしたり、少しのうずきや痛みを無視する活力や経験によって得られるクリーチャーの能力がある。10レベルのドワーフのファイター、フレデリカはジャイアントの圧倒的な打撃を紙一重で避けることができる。彼女はヒットして30点のダメージを受けるかもしれないが、彼女の肉体の傷は小さなあざくらいで済むかもしれない。同じ攻撃を1レベルのハーフリングのファイター、サミュエルが受けると彼は血だまりになって死んでしまう。サミュエルにはこの攻撃で最悪の事態になることを避けるための訓練と経験が足りなかったのだ。
  • 高位魔法、神々、そして次元界の諸力が存在して運や宇宙での重要度を左右する世界では、いくつかのクリーチャーは偉業を成し遂げるための宿命を与えられる。普通の兵士なら死んでいる剣の一撃が、重要な事件の渦中にある運命に選ばれた英雄にとってはかすり傷であるように。ホワイト・ドラゴンはウィザードのモルデンカイネンを不意討ちして猛烈な攻撃を見舞う。ウィザードはその瞬間に身をそらすことで死を避ける。彼は数ヶ所の傷に苦しむかもしれないが、運、偶然、あるいは宿命により、彼はドラゴンがまさに攻撃をしようとしたその時に後ずさりすることができる。

クリーチャーがダメージを受ける際、君にどんなことが起こっているか想起させるための大まかなことがらがここにある。

最大ヒット・ポイントの半分以上を持っているクリーチャーの傷は徴候でしかない。彼らの鎧や服は少し傷ついているかもしれないし、盾がへこんでいるかもしれない、そしてそれは小さな傷やあざ以上に重い肉体的な痛みや苦しみをもたらしていない。誰がクリーチャーを見てもおそらく、それが戦いに関わっていたとは気がつかない。

最大ヒット・ポイントの半分を切ったクリーチャーはいくつかの傷やあざが目立ってくる。何気なく眺めたりちょっと見ただけでもそのクリーチャーは何発か命中し、顕著な傷を負っていることがわかる。

ヒット・ポイントが0以下まで落ちたクリーチャーは――それを気絶させるのに十分な――直撃を受けて苦しんでいる。振り下ろされた一撃によって骨折や、大量の出血などを引き起こす傷を負っている。

たとえば10ヒット・ポイントを持った1レベルのファイターを攻撃するジャイアント・スパイダーで考えてみよう。スパイダーの最初の攻撃は3ダメージを与え、さらにファイターはその毒に対する【耐久力】セーヴィング・スローをしなくてはならない。その噛みつきは、ファイターの皮膚をようやく傷つけられるものだった。噛み傷は1日かそこらで目立たなくなるだろう。ファイターには大部分の人なら見落とすひっかき傷がある。

次の噛みつきでファイターのヒット・ポイントは3まで落ち、もう一度セーヴィング・スローを行わなければならなくなる。この噛みつきによってファイターのヒット・ポイントは半分以下になったので、目立つ傷をつけられる。ファイターが翌日目覚めた時に噛み傷はかさぶたになっており、怪我が消えるまでもう2日ほどかかるかもしれない。充分な急速は怪我の身体的影響をほとんど消し去ってくれる。ファイターを見る誰もが汚い噛み傷をすぐ見つけることができる。

スパイダーがファイターを倒したとき、それは致命打が命中したことになる。傷は汚く醜いものだ。そこから血がどんどん流れ、迅速な処置か完全な幸運のみがファイターを救える。ファイターの仲間が普通の包帯しかその手に持っていなかった場合、ファイターが戦列に復帰するのには数日かかるだろう。この点で、ファイターに傷痕が長く残る可能性があり、彼や彼女がすぐ戦列に復帰するためには魔法が必要になる。

これがヒット・ポイントに関する説明だ。私はゲームからヒット・ポイントを完全になくしたプレイテストが想像できない。メカニクスに関して、私は私たちがすべてのモンスターやキャラクターをヒット・ポイントの量で管理することと私たちがそれらの働きを良い物語の説明として最良のものだと考えている。

ヒット・ダイスの導入

ヒット・ダイスは第4版には存在しなかったが、それは他の版のゲームに存在した。今回、私たちはデザインの重要な要素を補助するためにそれを導入している。私たちはクレリックをファイター、ウィザード、そしてローグと同じくらいグループにとって選択可能なものにしたい。

第1に、私たちがなぜパーティの回復魔法への依存性を減らしたいのか知ってもらう必要がある。次世代における私たちが目標に掲げるものの1つに、比類なき水準の柔軟性を与えることがある。私たちは1人のDMと1人のプレイヤーでもハウス・ルールやコア・システムの変更なしにアドベンチャーを通してプレイできるゲームを作りたい。私たちはグループの半分しか集まらなくてもセッションを中止にせず、DMがキャンペーンのために基本ルールを変更しないで続けられるものを望んでいる。

現在の私たちの草稿(君が5月24日からプレイテストできるもの)では、ヒット・ダイスが魔法を使わずに君のキャラクターが傷を回復する能力として再定義されている。上で説明されたヒット・ポイントの説明を思い出してほしい。キャラクターがヒット・ポイントを失う時、彼や彼女は休憩することでそれを回復することができる。君のキャラクターは多くの傷やあざを彼や彼女を安静にすることで克服できるが、君のキャラクターが克服できる痛みの量には限りがある。

時間とともに、君のキャラクターが多くの傷を受ければ、それらは加算されていく。いくつかの低いダメージを受け続けても、結局キャラクターはヒット・ポイントを半減させてゼロにしてしまい、それらも君のキャラクターのダメージから回復する能力に影響を与える。

第4版以前だと君のキャラクターは一部のクラスは現在のそれとは違うダイスだったが、彼や彼女のヒット・ダイスを得ていた。ファイターはレベルあたりd10のヒット・ダイス、クレリックとローグはd8を、ウィザードはd6を。キャラクターが休憩する時、そのキャラクターはヒット・ダイス分のヒット・ポイントを回復することができる。君のキャラクターは傷に包帯を巻き、回復の薬草を使い、少し食料と水を摂るなどして、回復するための時間を過ごす。君はキャラクターのヒット・ダイスを1つ以上ロールし、普通の処置で彼や彼女がどれくらいのヒット・ポイントを回復したか決定することができる。

ヒット・ダイスが普通の回復を表現するためにプレイの場に導入されたことは非常に重要だ。ポーションと呪文はヒット・ダイスを無視してヒット・ポイントを回復させる。キャラクターが自然回復に頼るなら、回復にはかなりの時間がかかる。

キャラクターが大休憩をすれば、彼や彼女はヒット・ダイスを回復させる。言い換えれば、大休憩は君のキャラクターのヒット・ダイスを回復させるのだ。短い休憩でも君はヒット・ダイスを消費することで君のキャラクターのヒット・ポイントを回復させることができる。

私たちはヒット・ダイスがプレイテストで支持されることを希望する。どんな新しい仕組みでも、私たちはフィードバックに対して目を光らせ、私たちの意識調査でそれについていくつかの質問を行なう。

意識調査

私たちは2月に、伝説と伝承のコラムにいくつかのフィードバックを集めるための意識調査を行なった。私たちはここでその追跡調査を行ない、君たちについての理解を深めたいので協力してほしい。