ネコぶんこ


2013年08月05日 もちろん、この本の作者のガイギャックスは、ロールプレイング・ゲームの創始者としてまちがいのない権威なのですが、そういったものではなく、“どういった人、どういった遊び方がよりよいものなのか”を定めておかないと、議論が始まったときの審判は不可能です。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『複雑さを操る(Scaling Complexity)』

マイク・ミアルス

先週末、私たちは最新のプレイテスト用パックを公開した。今回はファイターのクラスと、それが単純なオプションから複雑なものへとなめらかに変換させる計画にどう当てはまっているかを少し話そう。

ファイターの場合、サブクラスがこの変化を管理している。ウォーリアの道のオプションとグラディエイターの道のそれを比較してみよう。

ファイターが元々持っている特殊能力に加え、20レベルのプレイでウォーリアは6つの特殊能力を得る。それらは以下の種類に分類できる。

  • ふたつの能力はクリティカル・ヒットの発生率を上げる。これは君の通常攻撃を単純に修正するほぼ常時の利益である。それを利用する判断をしなくていい。
  • ひとつは探索ルールに利益をもたらす。これはウォーリアが見張りを得意としていることを表現し、旅をしているときにキャラクターの役割を定義する助けになる。
  • 鎧熟練(Armor Focus)はもうひとつの常時受けられる利益だ。君はACに+1を得る。
  • 破壊的クリティカル(Devastating Critical)はクリティカル・ヒットの破壊力をさらに増やす。それは君が装備している武器のダメージ種別を参照して効果を決定するため、ちょっとした選択肢がある。ここはプレイヤーが状況に応じて武器を交換することで選択を可能にすることができる領域だ。深く気にしないプレイヤーなら、彼らの好きな武器の効果だけ覚えていればいい。
  • 生存者(Survivor)は最後の利益にして、ラウンド毎に計算と記録が必要になる唯一のものだ。それは特定の状況で静的な利益を得られるだけで、他の利益ほとんどと同じように選択する必要はない。

全般的に、ウォーリアをプレイするためにはクラスの特殊能力をラウンド毎に選んでいく必要はない。君はRRGの自由度と柔軟性を維持したまま、しかし作成時にクラスのことで多くを選択する必要はなくなった。

これと対照を行くのが、グラディエイターの道だ。

  • 3レベルで、君は毎ラウンド3つの武技を選ぶことになる。君は標準の攻撃で武技の利益を考えなければならないため、卓越ダイスに依存することになる。
  • 残忍性誇示(Brutal Display)はクリティカル・ヒットの効果を拡張するものだから、クラスの複雑さを増すことはない。
  • 7レベルで、君はさらに3つの武技を使えるようになる。
  • より高いレベルで、君にはさらに多くの練達ダイスと武技によるロールへのオプションが追加されることになる。

単純なウォーリアとは対照的に、グラディエイターは毎ラウンドいくつかの戦術オプションを提供する。ラウンド毎を基準に特殊能力を管理するのが好きなら、グラディエイターは君に向いたファイターの道だ。

この部分のデザインをきちんとすることは、昨年行なってきた作業の中で主要な部分だった。いくつかの草稿と多くのフィードバックを得たが、うまいところをついた仕事ができたと私は考えている。

ここで重要なのは3レベルまで武勇の道を選べないことだ。1、2レベルで、君はその背景および種族という複雑さと向き合わなければならない。すなわち、これらのレベルは君のキャラクターが持つ特別な要素のうち種族的特殊能力を学び、背景という鍵をプレイの中に導入していく時期なのだ。

クラスと比較すると種族と背景は早いうちから複雑なものになっているが、レベルが高くなっても追加されることはない。プレイヤーとして見た場合、ファイターの特徴は他のクラスと差別化する最低限のものを君に与えてくれる。だが、君が持つ特殊能力の総数に占める比率で言えば、この段階で使用できる能力は種族および背景の比率が非常に高いものとなっている。

君には最初の2レベルをかけてキャラクターの背景と種族、そしてクラスの基礎部分を把握してもらうのが理想だ。3レベルになると、君はキャラクター・クラスをさまざまな異なった方向にすることができる。

3レベル以降で、君はクラスの基本能力と選択したサブクラスからより多くの利益を得る。ここで、君はそれとは別に能力値を上昇させるか特技にするかを選択することもできる。私たちは多くのプレイヤーが最初に能力値を上昇させ、主要能力値を最大にしてから特技を選択するとふんでいる。いずれにせよ、プレイヤーは特技による複雑さを選ぶか単純性にするかを自由に選択できる。

こうして、君はキャラクターの成長が以下のようなものだと想像できるだろう。

  • 1、2レベルで君はクラス、種族、そして背景の基礎を学ぶ。
  • 3レベルから君はクラスの方向性を特化していく。
  • 4レベル以降、君はキャラクターをより複雑にカスタマイズするか、単純なままにしておくかを選ぶことができる。
  • 君は1レベル以降、どこででもマルチクラスすることができる。
  • プレイを始める前にDMの許可を得られたなら、君は自分用のサブクラスをデザインしてもよい。サブクラスのデザインは体系的なものではないが、やめたほうがいいコンボなどについての忠告や助言は行なう。

新規プレイヤーにとって本当に素晴らしいことは、彼らが種族と背景だけに集中してからクラスのことに集中するように移り変わることだ。他のオプションについては明確にこう言える。受け入れる準備ができるまで、それらのオプションを覚える必要はない。

これまでD&Dを苦しませてきた大きな問題のひとつは長いキャンペーンを運営することはとても魅力的なのに、必ずといっていいほどルールがプレイヤーをもっともっと複雑なことに耐えるよう要求することだった。それはすべてのプレイヤーにではなく、一部のプレイヤーに嬉しいものだった。それをさせないようにしてふた桁レベルのゲームもより簡単にできるようにすることがデザインの理想だ。

いつものことだが、私たちの作業のすべては君たちのフィードバックが頼みだ。次に行なうプレイテスト意識調査を忘れないでほしい。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。