ネコぶんこ


2014年04月01日 [長年日記]

§ [DnD][DnDNext][LnL] 『ファイターの武技(Fighter Maneuvers)』

マイク・ミアルス

地味なファイターはダンジョンズ&ドラゴンズのゲームでもっとも単純なクラスという立ち位置にあるが、それは常にゲームでもっとも人気があるキャラクター・クラスでもあった。ファイターは古典的な冒険する英雄――怪物と戦って窮地を脱する屈強な戦士――像を含んでいる。

ファイターは長い間もっとも単純なクラスのひとつであり続けた。個人的な見解をいえば、私にはファイターが多くのクラスを分岐させていく基準だと思えるのだ。ローグにはファイターの鎧とヒット・ポイントがないが、狡猾さと技能でそれを補う。モンクは基本的に武器と鎧を神秘的な戦闘能力に交換したファイターだ。レンジャーは魔法にも手を出した荒野のファイターで、パラディンは神聖な力を持つファイターだ。

基準として用いられるようになったら、それ自身がはっきりとした特徴を得るのは難しい。第4版はファイターに真の意味で独自のシステムを与えた最初の版だった。その前、第3版の戦闘特技ではファイターのために多くのオプションを作成したが、他のクラスでも同様に利用できた。武器開眼は第2版のオプション・ルールだったが、それはファイターが最高の戦士であることを明らかにする大きな役割を持っていた。もっとよいことに、それは単純で理解しやすいルールだった。

D&D Nextのプレイテストへ寄せられたフィードバックは、ファイターをゲーム中もっとも満足でき強力なクラスだと一貫して表現していた。私たちは単純なファイターが多くのプレイヤーにとっていいものだとも、クラスにより多くのオプションがほしい人のことも知っている。

ファイターの最終版で、君は武勇の原型バトル・マスターを選ぶことができる。バトル・マスターは戦争の学び手――戦闘が深い研究、終わりのない実践、そして深い熟練に値する分野だと考える者だ。バトル・マスターとなった君は、武技とd8から始まる卓越ダイスを得る。君は卓越ダイスを消費して武技を使い、そしてそれらを小休憩や大休憩で回復する。多くの武技は他のダイス・ロールにボーナスとしてダイスを加えるもので、そのいくつかには特殊な攻撃や防御の効果がある。

君は武技で特別なアクションを行なうために卓越ダイスを消費でき、以下のような利益を得られる。

  • 君自身が攻撃を行なう代わりに、味方ひとりにボーナスの攻撃を与える。
  • 敵の武器を落とす。
  • 目標に対する攻撃ロールを行なう味方に有利を与える。
  • 即応として反撃を行なう。
  • 君の武器で範囲をなぎ払い、1回の攻撃で複数の敵にダメージを与える。
  • 攻撃を受け流す。
  • 敵を強制移動させる。
  • 味方を移動させる。

武技は第4版でファイターに加えられたようなものと似た、戦術的な要素をゲームに持ってくる。私たちは人気だったファイターのパワーの概念を多く再現することができ、バトル・マスターに16の武技を与えた(これを書いている現在で。私たちはゲームの調整を続けているため、その数は変わるかもしれない)。

何より、武技はさまざまな古典的ファイター像を多くの新たな道としてシステムを取り散らかすことなく抽象化できる。君は高い【敏捷力】、武器の妙技、そしてパリィ、リポスト、そしてスプリング・アウェイの武技でスワッシュバックラー型ファイターを構築することができる。ウォーロード型のファイターもコマンダーズ・ストライク、マニューヴァリング・アタック、そしてラリーを修得すれば、効果的な戦闘指揮官になれる。

この武技への方法論も、私たちのD&D Nextに対する全体的なクラス・デザイン哲学の重要な一面を反映させたものだ。可能なかぎり、私たちはキャラクターにもし君の選択したところがあるなら、少しでも基本的な部分が機能することを確認しようとしていた。1レベルの段階から、スワッシュバックラーは特技や特殊能力は要求されずに、軽装鎧とレイピアでチェインメイルとロングソードを装備したもうひとりのファイターと同じように戦うことができる。キャラクターが1、2レベルで機能することは重要であるため、ファイター・クラスのカスタマイズ用オプションが導入される以前の段階、それらのカスタマイズ用オプションがコア・システムの一部である特徴が基準になっていることを私たちは確認した。

小休憩の後に回復できる卓越ダイスと武技は、より大きな流れの一部でもある。プレイテストのフィードバックを参考に、私たちはクラス間のバランスを調整し、より多くの能力を小休憩で回復できるようにした。(ウォーロックの記事を読んでくれているなら、君はそうした線に沿って呪文発動するクラスがあると知っているはずだ。)小休憩で復帰する能力のバランスを取るのは慎重さが要求される。それらを回復するのがあまりに簡単なら、戦闘や遭遇の意外性はなくなるだろう。それらを回復するのがあまりに難しいなら、それらは大休憩で回復される能力と違いがないと感じられるだろう。プレイテストのおかげで、私たちはゲームのコアにより遭遇基準の能力を組み込んだ基準を確立することができた。

最後に、『Neverwinter』からささやかなお楽しみを紹介しよう。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。

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§ 森聖 (2014年04月08日 19:29)

ファイターについての記事をエイプリルフールに出すなんて、さすが本場は冗談のレベルが違う。