ネコぶんこ


2021年10月23日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:騎士が獣狩りへ赴く話(5レベル)

今週の小冒険はアーサー王と円卓の騎士の物語を下敷きにした『円卓騎士異伝』のアドベンチャーで、奇妙な騎士志願の挑戦を受けるアドベンチャーですぅ。

『円卓騎士異伝』はまだ書いている途中で申し訳ないけど、ルールは変えてないのでアーサー王ものがわかるならプレイできる……はずですぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は5レベルのキャラクター2~4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

円卓の騎士トリスタン卿が、大ジカを仕留めて帰ってきた。彼はグロスターのエイヴォン川近くにはよく肥えた動物が多かったと話し、キャラクターたちにも狩りへ行くことを勧める。

キャラクターたちがエイヴォン川の近くで狩りを行なうと、確かによく肥えた……というよりは巨大な動物に多く遭遇するが、狩りを続けていると、半身が獣と化している異形の戦士たちに襲撃される。

襲撃者たちはこの地に古くから根付く神へ信仰を捧げる者たちで、神の恩寵であるよく肥えた動物を横取りするキャラクターたちを倒そうとしたのだ。

古き神を信仰する者たちは、近くの墳丘にある洞窟を本拠地にしている。そこには彼らが“女神の乳”と呼ぶブラック・プディングが祀られており、キャラクターたちも生贄にしようと襲いかかってくる。

この異教の者たちを倒すか、あるいは逃げ帰れば冒険は終了となる。

冒険への導入

ふらりと旅に出ていた円卓の騎士トリスタン卿が、久しぶりに宮廷へ顔を出した。彼は荷車に積んだ大ジカ(ジャイアント・エルクである)を伴っており、グロスターの近くを流れるエイヴォン川の近くで狩りをしていたら思わぬ大物を仕留めたゆえ、王に一目見せようとやってきたと話す。

宮廷ではトリスタン卿と狩りの話題で持ちきりとなり、彼はキャラクターたちにも、まだまだ大物がいそうなエイヴォン川での狩りを勧めてくる。

1.グロスター

グロスターはローマ帝国の時代に建造された町で、セヴァーン川を通る河川交通の要衝である。

エイヴォン川はセヴァーン川の支流で、北東から西へ流れ、セヴァーン川に合流する。遙か未来にシェイクスピアが生まれるストラトフォード・アポン・エイヴォンはこの川の流域に建造される。あるいは、この時代にももうあるかもしれない。

町の人々に話を訊くなら、エイヴォン川の流域には動物がよく肥えて育つ場所があるが、土地の者はそれを神の恩寵と信じているため、あまり近寄らないでいるとも言われる。

トリスタン卿の武勇を語るなら、騎士の前に出てきたのならそれは神様がくださったのだろうと好意的に解釈してくれる。

2.エイヴォン川

町で情報を集めれば、トリスタン卿が狩りをした場所まで1日かかるかかからないか(40マイル)ということがわかる。

そこへ向かうと、確かに卿が話したような立派な大ジカが1d4体駆けている。

ジャイアント・エルク

超大型・動物、無属性


AC:14(外皮)

hp:42(5d12+10)

移動速度:60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 16(+3) 14(+2) 7(-2) 14(+2) 10(+0)

技能:〈知覚〉+4

感覚:受動〈知覚〉14

言語:ジャイアント・エルク語。共通語、エルフ語、森語を理解できるが、話すことはできない。

脅威度:2(450XP)


突撃:エルクが最低20フィート直進してそのターンに角による攻撃がヒットしたなら、目標はさらに7(2d6)ダメージを受ける。目標がクリーチャーなら、それは難易度14の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ伏せ状態になる。

アクション

角:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[殴打]ダメージ。

ひづめ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い10フィート、1体の伏せ状態のクリーチャー。ヒット:22(4d8+4)[殴打]ダメージ。

3.黒い獣

エルクを1体倒したところで、キャラクターたちに異様な一団が近づいてくる。彼らを先導するのは獣の毛皮を被ったような巨漢(ミノタウロス)で、黒く染めた毛皮を被った狂信者10名がついてきている。

狂信者たちは、神にもたらされた恩寵である生き物を傷つけたキャラクターたちを口々に糾弾し、その命を神に捧げてあがなえと襲いかかってくる。

狂信者たちはミノタウロスが倒されるか、仲間が3人倒されると逃げ出そうとする。

戦闘後、キャラクターがミノタウロスの体を調べてみるなら、毛皮と人間の肉体が癒着していることがわかる。これを見て難易度15の【知力】〈宗教〉判定に成功すれば、動物の皮を被って彼らの力を得る古い信仰があることを思い出せる。

狂信者

中型・人型生物、善ではない好きな属性


AC:12(レザー・アーマー)

hp:9(2d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
11(+0) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0) 10(+0)

技能:〈宗教〉+2、〈ペテン〉+2

感覚:受動〈知覚〉10

言語:1つ(普通は共通語)

脅威度:1/8(25XP)


闇への献身:狂信者は恐怖状態および魅了状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[斬撃]ダメージ。

ミノタウロス

大型・魔獣、混沌にして悪


AC:14(外皮)

hp:76(9d10+27)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 11(+0) 16(+3) 6(-2) 16(+3) 9(-1)

技能:〈知覚〉+7

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉17

言語:奈落語

脅威度:3(700XP)


捨て身:ターン開始時、ミノタウロスはそのターン中に行なうすべての近接武器攻撃の判定に有利を得るが、次のターン開始時まで、それに対する攻撃ロールに有利を与えることを選べる。

突撃:ミノタウロスが目標に向かって最低10フィート直進し、同じターンに角による攻撃がヒットした場合、目標はさらに9(2d8)[刺突]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、難易度14の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ、最大10フィート押しやられて伏せ状態になる。

迷宮記憶:ミノタウロスは自分が旅した経路を完全に思い出せる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:17(2d12+4)[斬撃]ダメージ。

角:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[刺突]ダメージ。

4.足跡

「3.黒い獣」の戦闘が終われば、難易度10の【判断力】〈生存〉判定で黒い毛皮を被った者たちが来た方角へ向かうことができる。

あるいは、戦闘が終わってそのまま帰ろうとした場合、ドルイドたちが追いかけてきたという演出で「5.黒い司祭」を始めること。

5.黒い司祭

黒い毛皮を被っていた者たちを追っていくと、そこにはいにしえに築かれた墳丘がある。周囲は人の手で整えられており、石積みの祭壇には鮮血の跡が生々しい。

そして、その前には「シュブ」、「イア」などの単語が切れ切れに聞き取れる祈りを捧げるドルイドが1名、獣の皮を被った巨漢(ミノタウロス)が1名、狂信者が10名いる。

彼らは土地を穢したよそ者のキャラクターたちを新たな生贄と決め、襲いかかってくる。ドルイドとミノタウロスは死ぬまで戦うが、狂信者はドルイドかミノタウロスが倒れれば逃げ出そうとする。

狂信者

中型・人型生物、善ではない好きな属性


AC:12(レザー・アーマー)

hp:9(2d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
11(+0) 12(+1) 10(+0) 10(+0) 11(+0) 10(+0)

技能:〈宗教〉+2、〈ペテン〉+2

感覚:受動〈知覚〉10

言語:1つ(普通は共通語)

脅威度:1/8(25XP)


闇への献身:狂信者は恐怖状態および魅了状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

シミター:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[斬撃]ダメージ。

ドルイド

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:11(バークスキンで16)

hp:27(5d8+5)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 12(+1) 13(+1) 12(+1) 15(+2) 11(+0)

技能:〈医術〉+4、〈自然〉+4、〈知覚〉+3

感覚:受動〈知覚〉14

言語:ドルイド語と任意の言語2つ

脅威度:2(250XP)


呪文発動:ドルイドの呪文発動能力値は【判断力】である(呪文セーヴ難易度12、呪文攻撃+4)。ドルイドは以下の呪文を準備している。

初級呪文(無限回):シャレイリドルイドクラフトプロデュース・フレイム

1レベル(4スロット):エンタングルサンダーウェイヴスピーク・ウィズ・アニマルズロングストライダー

2レベル(3スロット):アニマル・メッセンジャーバークスキン

アクション

クォータースタッフ:近接武器攻撃:攻撃+2(シャレイリで+4)、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d6)[殴打]ダメージ、両手持ちの場合4(1d8)[殴打]ダメージ、あるいはシャレイリで6(1d8+2)[殴打]ダメージ。

ミノタウロス

大型・魔獣、混沌にして悪


AC:14(外皮)

hp:76(9d10+27)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
18(+4) 11(+0) 16(+3) 6(-2) 16(+3) 9(-1)

技能:〈知覚〉+7

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉17

言語:奈落語

脅威度:3(700XP)


捨て身:ターン開始時、ミノタウロスはそのターン中に行なうすべての近接武器攻撃の判定に有利を得るが、次のターン開始時まで、それに対する攻撃ロールに有利を与えることを選べる。

突撃:ミノタウロスが目標に向かって最低10フィート直進し、同じターンに角による攻撃がヒットした場合、目標はさらに9(2d8)[刺突]ダメージを受ける。目標がクリーチャーの場合、難易度14の【筋力】セーヴィング・スローに成功しなければ、最大10フィート押しやられて伏せ状態になる。

迷宮記憶:ミノタウロスは自分が旅した経路を完全に思い出せる。

アクション

グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:17(2d12+4)[斬撃]ダメージ。

角:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[刺突]ダメージ。

5.石室

墳丘でドルイドたちと戦った場合、墳丘の側面には内部へ続く横穴がある。そこを入っていくと、黒くどろどろとした水たまりのような、意志を持つ生物のような物体(ブラック・プディング)がたゆたっている部屋に続いている。

キャラクターたちが部屋に入ると、ブラック・プディングはそちらへ向かってにじり寄り、同化、吸収しようとしてくる。

ブラック・プディングは部屋の外には出ようとしない。

ブラック・プディング

大型・粘体、無属性


AC:7

hp:85(10d10+30)

移動速度:20フィート、登攀20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 5(-3) 16(+3) 1(-5) 6(-2) 1(-5)

ダメージ完全耐性:[酸]、[斬撃]、[電撃]、[冷気]

状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、聴覚喪失状態、伏せ状態、魅了状態、盲目状態

感覚:暗視60フィート(この半径外は見えない)、受動〈知覚〉8

言語:-

脅威度:4(1100XP)


蜘蛛歩き:プディングは能力値判定の必要なく、天井での逆さ歩きを含む登攀が困難な表面を登攀することができる。

腐食性の体:プディングに触れたり5フィート以内から近接攻撃をヒットさせたクリーチャーは4 (1d8) [酸]ダメージを受ける。プディングに接触した金属製や木製の非魔法的な武器は腐食し、ダメージを与えた後、武器はダメージ・ロールに永続かつ累積する-1ペナルティを受ける。ペナルティが-5になると、武器は破壊される。プディングにヒットした非魔法的な矢弾はウーズにダメージを与えた後に破壊される。

プディングは1ラウンドに2インチの厚さの非魔法的金属を、浸蝕して食べることができる。

不定形:プディングは無理矢理入る必要なく、幅1インチ以上の狭い場所を通過できる。

アクション

足のようなもの:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:6(1d6+3)[殴打]ダメージおよび18 (4d8) [酸]ダメージ。さらに目標が非魔法的な金属製の鎧を着ている場合、その鎧はACに永続かつ累積する-1ペナルティを受ける。ペナルティでACが10まで落ちた鎧は破壊される。

リアクション

分裂:中型あるいは大型以上のプディングが[斬撃]あるいは[電撃]ダメージを受け、10以上のヒット・ポイントがあるなら、2つの新たなプディングに分裂する。新たなプディングはそれぞれ元のプディングの半分(端数切り捨て)と同じヒット・ポイントを持つ。新たなプディングは元のプディングよりも1段階小さなサイズである。

結末

墳丘の近くにいた黒い毛皮を被った者たちを倒せば、ひとまずは平穏が訪れる。狩りの続きをすれば、トリスタン卿に勝るとも劣らない獲物を得られるだろう。

狂信者たちが何者であったかを調べたいキャラクターがいるなら、難易度20の【知力】〈歴史〉判定に成功すれば、千の仔を孕みし黒山羊やシュブ=ニグラスという名で崇められるローマ以前からの土着神がいると知ることができる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。