2012年03月03日 この家にはトールキンの『指輪物語』やウィリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』をはじめ、プログラマー好みの書物が豊富に揃っていたが、カーマックがよく読んだのはインテル製プロセッサの解説書だった。 編集
§ [DnD][DnDNext] 『その(呪文の)名は?(What’s in a (Spell) Name?)』
2012年02月15日、水曜日、午後01時16分
投稿者:WotC_Bruceメルフ。ターシャ。ビグビー。レオムンド。ドロームジ。オティルーク。テンサー。エヴァード。
D&Dの高名なウィザードである以外に、彼らは何を共通項にしているだろうか? そう、彼らは――テンサーズ・フローティング・ディスク、オティルークズ・リジリアント・スフィアー、そしてメルフズ・アシッド・アローでわかるように――彼らの名前を冠した呪文を持っている。
D&Dの呪文には歴史ある固有名詞があるが、固有名詞の影には現実世界の物語と、ゲーム内でのそのウィザードにまつわる神話があるのだ。たとえば、ドロームジズ・インスタント・サモンズという呪文(第4版では儀式)はドロームジという大魔法使いが開発したが、彼は八者の円と呼ばれる評議会の創設者のひとりとして知られている。そして現実世界で、ドロームジは優秀で名高いジム・ワード(Jim Ward)の逆さ読みである。ジムはゲイリー・ガイギャックスが行なうゲームのプレイヤーのひとりで、置き忘れた書類を持ち主の手にやって来させてとても有効に使ったことがあるので呪文に名前がつけられることになった。そして今もそうなっている。
製作者の名前を持つ呪文は初期からゲームの一部だった。しかし、その呪文の由緒はD&Dの特定セッティングに依存しているのではないかという議論がある(それがすべてでは無かったが、第4版のデザイン中にもそれは持ち上がった)。それらのウィザードを歴史として持たないセッティングがあるのに、由緒を持つ呪文がコア・ゲームに存在することは時代遅れであると。この議論はDMが彼らのキャンペーンのために決めるさまざまなセッティングの可能性すべてを考慮すれば、時代錯誤なことをやめて由緒を持つ呪文はすべて一般的な呪文、たとえば、メルフズ・アシッド・アローはアシッド・アローに、ビグビーズ・グラスピング・ハンドはグラスピング・ハンドなどに置き換わらなければならない。
これへの反駁はこうなる。由緒のある呪文はD&Dの一部だ。これらの象徴となる呪文からその呪文を作成したウィザードの名前をはぎ取ることは、D&Dの物語を傷つけるものだ。一部のDMが呪文から名前をはぎ取りたいなら、それは彼や彼女がそれらの呪文をゲームから除外したり、彼らのゲーム内で別の名前を(あるいは消す)それらに関連付ければよい。しかしD&Dはそれ自身の伝説――この伝説はゲームのアイデンティティでもある――を持ち、由緒のある呪文はそれを語っている。それに、古代の大魔法使いの呪文が数千年に及ぶ次元の交流で広く流布したと考えるのはそんなに難しいことだろうか?
君はどう思う?
由緒のある呪文はコア・ゲームに必要?
- いいえ。それらは適切なセッティングで公開されるべき。
- 少しは。ただし、それらは制限されるべき。
- 必要。それはD&Dの一部なのだからコア・ゲームの一部であるべき。
- 必要。さらにエミリコル、エントレリ、そしてブラックスタッフなどいくつか名前を追加すべき。
- 上記のどれでもない。
2013年03月03日 重要なのはルールになにが書かれているかを知っているということではなく、それが他のルールとどのような関係を持ち、どういうはたらきをするかを認識することである。 編集
§ [Promiscuus] 麻袋地獄
風合いが気に入ったのでゲーム用のダイス入れを麻袋にしているけど、大量に糸くずが出てバッグの中に散らばるからどうしたものやらですぅ。
2014年03月03日 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『ウォーロックのアップデート(Warlock Update)』
先週はソーサラーについて若干の情報を開示した。今週はD&D Nextのウォーロックについて語ろう。
ソーサラーと同様、最初のプレイテストでウォーロックについて得られたフィードバックは、見せられたプレイヤーは一部の公開された要素を好んでいたが、それには過去の象徴的なものと強く関連付けられていないことへの失望を示していた。私たちはこのクラスをデザインするために、旧版のウォーロック2種類に加え、第3版の『Tome of Magic』に収録されていたバインダーも参照することにした。最終的に、ウォーロックは第4版と第3版のウォーロックのあり方を混ぜ合わせたものとして形作られた。そこには第4版のウォーロックをデザインするときに影響を受けたバインダーのあり方も取り入れられている。
ウォーロックは世界外の強大な存在と契約を結ぶ。その強大な存在は――ソーサラーやウィザードよりも少ない――ほんのいくつかの呪文としてウォーロックに魔法の力を与える。だが、ウォーロックは同時に妖術と呼ばれる魔法能力も身につける。これらの妖術はウォーロックに呪文を儀式として発動させ、独自の魔法の力を得て、そして特定の呪文を無制限に使えるようにする。妖術はウォーロックを象徴する魔法能力だ。君は簡易呪文や特技をステロイド――ウォーロックが何度も使用できる強力な能力――と考えることができる。
ウォーロックは他の秘術使いよりも少し変わった方法で呪文を使う。ウォーロックはわずかな呪文を一日に得るが、それらの呪文はウォーロックのレベルを基準にした呪文スロットで発動する。高レベルのウォーロックは同レベルのウィザードより発動できる呪文は少ないが、それらの呪文はどれももっとも高い可能性を持っている。ウォーロックはクラスの呪文リストから呪文を選び、さらに契約を結んだ存在を基準にボーナス呪文を得られる。
ウォーロックは世界外の強力な存在との契約を3種類の中からひとつ選び、キャラクターは独自の能力群を得る。剣の契約でウォーロックは戦場で振るう純粋な魔法の武器を作成できる。鎖の契約でクアシトやスードゥ・ドラゴンのようにウォーロックに奉仕するクリーチャーを使役できる。書の契約でウォーロックはより深い秘術の力を引き出すことができる。ウォーロックはこれら3種類の契約をどの強力な存在とも結ぶことができる。何種類かの妖術はウォーロックの契約能力を強化する。
ウォーロックはソーサラーやウィザードよりも肉体的に強く、戦闘においてはクレリックやローグ並みである。多くのウォーロックは一匹狼や追放者として魔法なしでも生きる術を学んでいるため、彼らは軽装鎧と単純武器を扱うことができる。
D&Dの秘術使い3種類――ウィザード、ウォーロック、そしてソーサラー――を見たならば、君は傾向を見いだせるだろう。ウィザードは魔法の学徒で、その魔法の使い方にはもっとも柔軟性を持っている。彼らはより多くの呪文を、より広い範囲の呪文を学んでいくことができる。特定の状況に直面したとき、ウィザードは打開するための適切な呪文を持っている可能性がもっとも高い。
ソーサラーはより少ない呪文しか覚えない専門家だが、彼らはそれらをより効果的にするために変化させたり拡大させることができる。特定の状況や挑戦と直面したソーサラーは、そこに適合させるために呪文をねじる。
ウォーロックは呪文発動の柔軟性についてウィザードやソーサラーには及ぶべくもないが、彼らは呪文発動に独自の裏技を仕掛けたり特化する点の強さについて可能性を持っている。特定の状況に直面したウォーロックは、手持ちに適切な呪文があるかどうかは心配せず、その代わりにクラス独自の特徴と強力な呪文発動の力で挑戦を克服しようとする。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。
2015年03月03日 編集
§ [DnD][5e] 『Unearthed Arcana:軍勢ぶつかるとき(Unearthed Arcana: When Armies Clash)』
D&Dの大規模戦闘ルール
D&DのR&DがRPGデザインのさまざまな新しく興味深い要素を君がゲームをするテーブルで使うために披露する毎月の実験場、Unearthed Arcanaへようこそ。
君たちはこのシリーズで発表される素材を第5版プレイテストの第一波と同じように考えることができる。これらのゲームの仕組みは草案の形式なので、君たちのキャンペーンで使用可能であるがプレイテストとデザインの繰り返しで完全に調節されたものではない。これらはとても気まぐれで、不安定なものかもしれない。もし君たちがこれらを使うなら、どんな問題が起こっても裁定を下せる準備をしてくれ。これらはインクではなく、鉛筆で書かれている。
Unearthed Arcanaで発表される素材は私たちがいつか出版されるサプリメントに収録したいものから、私たちの自宅でやっているキャンペーンのハウス・ルールのうち共有してみたいものまで多岐にわたり、コア・システムのオプションから特定のキャンペーン・セッティングのためにデザインされた素材まである。一度それを公開すれば、君たちはそれがどのようにうまくいき、それを改善するために私たちができることがあるかを知るために君たちは私たちに接触することができる。
D&D用大規模戦闘ルール。『Player's Handbook』に収録されたD&Dの戦闘ルールは小集団――およそ3から6キャラクターの冒険しているパーティと1ダースのクリーチャーをめったに上回らないモンスターの集団の衝突を抽象化するようになっている。この規模での戦闘は、冒険者を正面から捉えている。
しかし、いくつかのD&Dキャンペーンでは、数十あるいは数百のモンスターと戦士の戦いが物語と決定的に関係してくるかもしれない。この第2回のUnearthed Arcanaで、私たちはより大規模な衝突を抽象化し、プレイヤーとDMがすべての軍勢を動かせる標準的な戦闘ルールを構築した。同時に、大規模戦闘のためのこれらのルールは単体の冒険者が敵の軍勢への軍隊の突撃を先導したり、士気を失った兵士を鼓舞したり逃亡兵を再編成させたり、あるいは強力な敵のモンスターや将軍を倒すこともできる。
今回のUAは、一部お待ちかねの大規模戦闘ルールですぅ。
このルールを大雑把に説明すると、部隊は同一クリーチャが10体のstandと個人でも戦闘を動かせる存在のsoloで表現され、standはそれがまるで1体のクリーチャであるかのようにふるまうですぅ。
戦闘のスケールが異なるので抽象度も変わって、1ラウンドは1分、1マスは20フィートとなり、斜め移動は行なえないし斜めでの隣接も認められないですぅ。
Standの作成法は簡単で、元になるクリーチャーのサイズを基本に占有マスを算出し、データはそのまま、移動速度は元の移動速度を5で割ったマス移動できることになるですぅ。そしてこれらのstandは複数のstandが所属してさまざまな恩恵や制限のあるSkirmishers(遊撃隊)かRegiments(連隊)などunitに所属して戦闘に参加するですぅ。
一方のsoloはPCや重要NPCで、彼らはstandやunitと連携して特殊なアクションを行なったり、制限つきながらstandの占有するマスを通り抜けることも可能で、standやunitで構築された戦場を走り回りながら戦うこともできるですぅ。
戦闘は通常とほぼ同じだけどダメージ処理が特殊になっていて、ひとつのstandのhpが0になると隣接した同unitのstandに残りダメージが適用される追加ルールにより、一騎当千の英雄や広範囲呪文の恐ろしさを表現できるようになってるですぅ。
もちろん士気(morale)判定もあり、所属unitの過半数が戦闘不能のstandは判定によって逃走することもあるけど、soloは絶対に折れないしsoloがjoinしたstandも同じなので、護衛を壊走させながら大将首狙う流れを組みやすくなってるですぅ。
大規模戦闘の終わらせ方としては、いずれかの壊滅よりも目的の達成によるVictory Points(VP)をどちらが稼げたかを競争させるほうがよいとされ、DMによって設定された目的を達成する10VP先取方式で、その差分で勝利度が変化するようになってるですぅ。
おおむねこういう感じで、unitを組んで連携するstandをsoloがぶった斬っていく豪快な戦いにするか、soloがstandにjoinして連携する地味な戦いにするかはDM次第で、PCに部隊指揮官をやらせてもいいし無双の英雄をやらせてもいいようになってますぅ。