ネコぶんこ


2010年09月14日 「そうだね。つまり手駒の不首尾を常に前提とした計画だ。必ず失敗するだろうと踏んで、予め手を打っておく。予防線を張る。成功した場合にだけ機能するような仕掛けを作っておく――これは予測は外れるものだと云うことを踏まえた計画なのだ」 [長年日記]

§ [DnD][4e][DarkSun] 『ダーク・サンのゲームの運営(Running a Dark Sun Game)

アサスはただ生き残ることが挑戦となる不毛で野蛮な世界である。圧制はびこる都市と過酷な荒野からなるこの土地は争いと苦しみからの逃げ場がまったくといっていいほど無い。さまざまな形と大きさのモンスターが砂の中に潜み、あらゆる動くものに襲いかかる。

この地には英雄――心が永遠の荒野と残忍な専制で曲がっていない――真の王者が必要である。これらの戦士は勇気と知恵で困難に立ち向かい、彼らの判断は彼らが戦う敵と状況によって試される。これらの価値ある魂は君のプレイヤー・キャラクターで――今日のダーク・サン・キャンペーン・セッティングのプレビューではゲームの運営とふさわしい報酬について紹介する。

ダンジョン・マスターとしての君の仕事は世界に絶望があふれ、希望が失われ、そしてこれでもかと破壊を巻き起こして蛮性の輝きと野生の美を描写することだ。君のプレイヤーに最も強いものと多くの覚悟のある者だけが勝利を得られるよう常に世界から試されていると感じさせねばならない。一方、彼らを絶対に勝てない戦いや救済されざる悲劇で叩きのめすことは君のゲームを殺してしまう。君の目的はアサスがとても挑戦的な世界――それゆえ偉大な英雄が求められる――と認めさせる一方で勝利への希望を生かし続けることである。

『砂舞台には多くの遺跡がある。崩れた塔が砂の荒野に建っている。棄てられた砦は石が転がる荒れ果てた土地にそびえ立つ。長い間所在が不明だったダンジョンは不毛地帯の迷宮にある。時おり、汚らしい生き物や野蛮な怪物が隠れ住み、不注意な旅人を料理したがっている。はたまた、値段もつかないような財宝が遺跡で見つかる。大胆な冒険者だけがそれを知っている』

――旅人の手記

ダンジョン・マスターとしての君の仕事は世界に絶望があふれ、希望が失われ、そしてこれでもかと破壊を巻き起こして蛮性の輝きと野生の美を描写することだ。君のプレイヤーに最も強いものと多くの覚悟のある者だけが勝利を得られるよう常に世界から試されていると感じさせねばならない。一方、彼らを絶対に勝てない戦いや救済されざる悲劇で叩きのめすことは君のゲームを殺してしまう。君の目的はアサスがとても挑戦的な世界――それゆえ偉大な英雄が求められる――と認めさせる一方で勝利への希望を生かし続けることである。

そのために、ダーク・サン・キャンペーン・セッティングの第6章には以下の項が含まれている:

  • 冒険の創造:ここでは特にアサスに適した冒険の主題を助言する。
  • 旅と生存:さまざまな道具はダンジョン・マスターがアサスでの長旅や生存の挑戦について裁定するのを助ける。
  • 遭遇の構築:闘技場と野外での遭遇についての指針の後に、アサスに特化した技能チャレンジの例が続いている。
  • 財宝と報酬:固定値の強化ボーナスについての解説や世界固有の代替財宝(alternative treasure)について。
  • 砂漠の野盗団1レベルのキャラクター用の3遭遇からなる冒険は君のプレイヤーへ素早く簡単に準備して提供できる。

財宝と報酬

ダーク・サン・セッティングは多くの特徴でそれを固有のものにしている。もっとも特徴的なものは今に専念する社会である。アサスの人々は覚えることをしない。彼らは今より良い日や薄暗い恐怖を思い出すたるに歴史のヴェールを取って後ろを振り返らない。人々、場所、そして文化についての記録は現在その地方を支配している民族のもの以外残されない。理由は簡単で、魔王が不死者として支配しているからだ。人々が知る限り、魔王は昔いまし今います。この欺瞞で人々が他のどんな生活も想像できないようにする。

彼らが力を持っている間、暴君は歴史の記録やアーティファクトを捜し出し、彼らの力を高められるものを奪い他のすべてを破壊する。数世紀かけて、アサスの支配者は世界を彼らが支配する以前の知識と彼らが力を得た方法を一掃した。この歴史とアーティファクトが失われた空白の地で、英雄が保管されていた宝を埃っぽい遺跡から入手する機会はほとんどない。

アサスが歴史的に不毛なのは常に資源が不足している自然条件によって加速する。その結果、冒険者は彼らが別のセッティングではそうしているかもしれない富の貯蔵や魔法のアイテムの蒐集を行なえない。ただただ重要な装備が存在しない。もちろん、この背景を無視することもでき、ダンジョン・マスターズ・ガイドの標準的な指針によって財宝ユニットを出すこともできる。だが、アサスのキャンペーンは違った遊びを提供し、代替財宝がキャラクターの得る財宝ユニットに入る。セッティング独自の特性を強調するため、以下の指針に従って財宝の分配を調整することも考慮に入れるとよい。

代替的報酬

アサスでは魔法のアイテムは他のダンジョンズ&ドラゴンズの世界より珍しい。この違いを表現するために、君はキャラクターが彼らが行なう普段の冒険で手に入れる魔法のアイテムのいくつかを代替的報酬に取り替えることができる。代替的報酬は5レベルほど成長すれば(君の判断で)、失われるか英雄たちの成長した力やキャンペーンの新たな局面が反映されて強化される。

ダンジョンズ&ドラゴンズというゲームで金銭はさらに魔法のアイテムを得るか作成するために貯金される。アサスでは魔法のアイテムが欠乏しているため、キャラクターはこの手段で彼らの財産を投資する機会がほとんど無い。その結果、英雄たちはより多くの乗り物、乗騎、錬金術アイテム、消耗品、さらに儀式の構成要素を買う。最終的に、キャラクターは彼らの財産で買うアイテムが無くなってしまう。金貨を余らせるよりはむしろ、以降で詳述される他の報酬を、金銭ユニットに代えることを考慮するとよい。

代替的報酬は報酬を得る前に行なう物語の要素に依存することがある。これらの物語の要素は副次クエストや、主クエストとして機能させるか、新たな冒険の始まりとすることができる。“奥義伝授”を得るために師を求め彼や彼女に少々秘密の知識を伝えて説得することが必要かもしれない。魔王はキャラクターが任務を行なうために“賜物”を与えるかもしれない。原始精霊は用心深い保護する者に彼らの知恵を伝えることができる。立派であったり利口であったりする闘士には報酬ユニットの中で地形を与えることもできる。以下の報酬は特にアサスのために調整されている。君はプレイヤーの欲しいものリストから魔法のアイテムの特性に基づく代替的報酬を考えることもできる。

金銭や魔法のアイテム以外の報酬の使い方については、より多くの助言がダンジョン・マスターズ・ガイドII136ページ(訳註:これは英語版のページ数である)からの『代替的報酬』についての項にある。

後援(Favor)

アサスを動かし影響を振るうのは堕落した邪悪な暴君である。しかし最悪の彼らでも、後援することの価値、あるいは貸しを返すことの意味は理解している。魔王は憎い競争相手を妨害したり弱らせるパーティを後援するかもしれない。貴族はその活動で彼や彼女の利益を拡大してくれる冒険者の保証人となることができる。

ほとんどの場合、後援はゲームの数値上で利益を提供しない。しかし、彼らは、裕福な生活、十分な水、有力者への接触、もしくは儀式の執行へ渡りをつけることができる。有力な後援者に少ない費用か無償で彼や彼女の人生を取り戻そうと申し出れば冒険者はより大きな信頼を勝ち得る。

後援を表現する最も簡単な方法ははれにいくばくかの金銭的価値をつけることだ。君はあるレベルの間いくつかの財宝ユニットを特定の個人や党派からの後援に代えることができる。内容は、キャラクターが後援する者と信頼関係を確立し、彼らが個人や党派の財産を“投資”するよう求めることができるようになる。

キャラクターたちが個人や党派の後援を得られたなら、キャラクターは適切な場所や物語としてふさわしい状況である限り後援者を訪れることが出来る。例えば、隠秘同盟(The Veiled Alliance)の支持を受けているなら商家に属する孤立した砦を訪れているときよりも都市国家でより簡単に利用できる。君は要求された後援が行なわれるまで必要な時間を、即座に受けられるのか数時間か数日なのかを設定する。

キャラクターが後援を要求するたび、それらの要求された費用を後援の全体価格から差し引くこと。乗騎、儀式構成要素、そして儀式の巻物など具体的な要求は彼らの“後援残高”から通常の価格で引き落とされる。

後援の報酬は道具やサービス(例えばパーティのために儀式を執行してもらう)を得ることにも使える。しかし、ある後援者は特定の要求に対して彼らの能力の都合で限定的になるかもしれない。例えば、貴族の後援は道具、乗騎、乗り物、避難所、聖堂騎士への賄賂、もしくは“奥義伝授”を得ることができる。聖堂騎士の後援は、それらに代わり、儀式、“サイオニックの恩寵”、もしくは密輸品として没収された魔法のアイテムを得ることができる。

無形の後援:時に、英雄はあまり具体的ではない利益のために後援者を訪れる。高名な師との接触、深夜の立ち入り制限区域への出入り、あるいは闘技場の連戦競技で緒戦に弱い敵を割り当てられるなどが無形の利益の例である。この種の後援に金銭的な価値をつけるのは簡単ではないが、時おりよく近いものは見つけられる。例えば、ある問題に対する解答を求めるパーティは400gp分の後援残高を減らすよう要求されるかもしれない(コンサルト・ミスティック・セイジズの儀式の価格)。適切な近いものが見つからない場合、君は小さな要求と思うならパーティの後援残高の全体から5〜10パーセントほど君が大きな要求と思うなら後援残高の全体から20パーセント差し引くこと。

闘技場の栄光の後援:闘技場は戦士のるつぼである。大観衆の前で、剣闘士は戦って人々の娯楽のために死ぬ。誰でも運次第で試合を生き残ることができる。数試合を生き残った彼ら闘士が特別――彼らの技、才能、そして覚悟――が気づかれぬことはない。闘技場にいつも姿を現して何度も勝利するキャラクターたちは有象無象の中から成り上がる。

キャラクターは闘技場の試合に勝つことで栄光を得ることができる。時々最後まで生き残ることは必須だが、英雄は常にそうしてさらに勝利条件を達成しなければならない。 パーティが闘技場の栄光を得るとき、それによって都市国家の市民から後援を受けられる。試合を見物しないそこの住人にもキャラクターの評判は届いている。都市の住民はより人気のある剣闘士を後援し、彼らがより高い名声を得ることで報酬を与える。

闘技場の栄光の後援は道具、アイテム、そして合法的なサービス、たとえば避難所と食料、都市国家の地元で流通しているものである。闘技場の名声で“栄光の恩寵”を買うこともできる。

“魔王の恩寵”

魔王は彼らによく仕える者を後援する。最も重要な代理戦士は彼らの才能を補い野心的な競争相手から護る恩寵を得る。そのような祝福はめったに行なわれるものではなく暴君の気まぐれで取り上げられることもある。

アバラチレズ・ディセプション
Abalach-Re's Deception/アバラチレのまやかし レベル8+
大ワズィールのラーム支配は緩いかもしれないが、不安定さを弱さと考えるのは愚か者だけだ。
レベル8 3,400gp
レベル18 85,000gp
レベル28 2,125,000gp
魔王の恩寵
パワー([一日毎]◆[恐怖]):マイナー・アクション。使用者に隣接するすべてのクリーチャーはその次のターン終了時まで攻撃ロールに-2のペナルティを受ける。
パワー([一日毎]◆[瞬間移動]):即応・割込。
トリガー:敵の攻撃が使用者にヒットする。効果:使用者は3マス以内の味方1体と場所を入れ替え、その味方にトリガーを発生させた攻撃が命中する。
レベル18:使用者は5マス以内の味方1体と場所を入れ替え、使用者と味方は使用者の次のターン開始時まですべての防御値に+1のボーナスを得る。
レベル28:使用者は10マス以内の味方1体と場所を入れ替え、使用者と味方は使用者の次のターン開始時まですべての防御値に+2のボーナスを得る。
サンドストーム・ウェポン
Sandstorm Weapon/砂嵐の武器 レベル8+
君が敵に有効打を与えるときにこの武器に流れる塵は削り取る嵐として爆発する。
レベル8 +2 3,400gp
レベル13 +3 17,000gp
レベル18 +4 85,000gp
レベル23 +5 425,000gp
レベル28 +6 2,125,000gp
武器:すべて
強化:攻撃ロールおよびダメージ・ロール
クリティカル:目標は盲目状態となり武器の強化ボーナスを2倍にする(セーヴ・終了)。
特性:使用者がこの武器で敵のヒット・ポイントを0以下にしたとき、使用者の次のターン終了時まで使用者は視認困難を得る。
パワー([一日毎]◆[区域]):フリー・アクション。
トリガー:使用者がこの武器を敵にヒットさせる。効果:攻撃は敵を中心とした近接範囲・爆発2の区域を作成する。区域の中のマスすべては遭遇終了か使用者がフリー・アクションで区域を解除するまで使用者の敵に対して重度な隠蔽を提供する。
スコーピオン・マンディブル・ヘルム
Scorpion Mandible Helm/蠍の大顎兜 レベル16
この振動に敏感な大蠍の口を使って作られた兜は、君の認識を拡大する。
アイテム・スロット:頭部 45,000gp
特性:使用者は隣接する地面やそれに類するもの(例えば泥砂や蜘蛛の巣)に接触したクリーチャーと物体を、〈知覚〉判定を行なうことなく視線が通っているかのように認識できる。
パワー([一日毎]):マイナー・アクション。使用者は使用者の次のターン終了時まで、この兜の特性による利益を10マス以内のクリーチャーと物体に拡大する。

月曜日の予告:『アサスの平原全域に轟音が響くが、最も油断ならないのは――ベルゴイ(Belgoi)の鳴らす――小さな鈴の音だ』

§ [DnD][4e][Promiscuus] Dark Sun Excerptsのカテゴリ設定

Dark Sun Excerptsの主な記事8つを訳したので、[DarkSun]カテゴリにまとめたですぅ。