ネコぶんこ


2010年09月18日 「蜘蛛は具体的な犯罪計画には一切加担していないだろうし、法律に抵触する行為にも一切手を染めていない。蜘蛛は罠に掛かったものを巧妙な情報操作で操り、自発的に犯罪に駆り立てて、自滅に追い込むだけだ」 [長年日記]

§ [DnD][4e] 『技能の難易度(Skill DCs)』

デザイン&ディベロップメント

筆者:ステファン・シューベルト

私たちは常にゲームへと導入したルールを検討し続けている。私たちのルールやシステムを設計して開発させる作業の根底には、プレイヤーが特技やアイテムを選んでシステム的にキャラクターに成長と強化をほどこすという想定がある。しばらく前、私たちは技能のルールを再検討してレベル毎の難易度を少し調整した。これらの表はRules Compendiumの126ページと『DM Kit』のDMスクリーンに掲載される。

君はダンジョン・マスターズ・ガイド『』や『DMG2』と新しい難易度の値を比較すると、君は全般的に難易度が上がっていると気づくだろう。君は“簡単”と“通常”難易度よりも“困難”難易度のほうがレベル毎の上昇幅が大きいことにも気づくだろう。君のご明察通り、これらの変化は根拠の無いものではない。

早いうちから、私たちは判定の難易度を“困難”、“通常”、そして“簡単”に分けてきたが、私たちはどの状況でどれを使うべきかDMに上手い説明ができていなかった。私たちにはDMに説明するだけではなく、いつどの判定を行なうべきで、どの程度のキャラクターがそれらの判定を行なうのか記述するべきだった。

まず難易度を再考することがそれらの難易度の分類が何を意味するか決定する第一歩だった。そして私たちは原型となるキャラクターを分析して分類毎にそのキャラクターが持つであろう標準的な技能ボーナスを決定した。最終的に、私たちはそれぞれのレベルで適切な挑戦――私たちは適切な挑戦をd20ロールで65%の成功率(君はダイス・ロールで8以上を出す必要がある)と定義している――ができる期待値に沿った上昇曲線を持つ難易度を決定した。

レベル毎の難易度
レベル 簡単 通常 困難
1 8 12 19
2 9 13 20
3 9 13 21
4 10 14 21
5 10 15 22
6 11 15 23
7 11 16 23
8 12 16 24
9 12 17 25
10 13 18 26
11 13 19 27
12 14 20 28
13 14 20 29
14 15 21 29
15 15 22 30
16 16 22 31
17 16 23 31
18 17 23 32
19 17 24 33
20 18 25 34
21 19 26 35
22 20 27 36
23 20 27 37
24 21 28 37
25 21 29 38
26 22 29 39
27 22 30 39
28 23 30 40
29 23 31 41
30 24 32 42

“簡単”:これに関連づけられる行動はとるに足らないかかなり単純なものである。これらは最も単純な判定で技能の心得がないキャラクター(訓練済みではないキャラクター)にとって適切な挑戦にならなければいけない。訓練済みではないキャラクターのほとんどは彼のレベル半分を技能に加えて関連する彼の能力値は低いだろう。彼は21レベルで全ての能力値が上昇するので、神話級でさらに+1されると思う。訓練済みのキャラクターに失敗の可能性はほとんどなく、専門家のキャラクターは成功を保証されたようなものである。この難易度はパーティすべてのキャラクターが行なうことになる判定やグループ判定(成功するためにはグループの中で半数のPCが成功しなければならない)のとき使うよう私たちはDMに提案する。

“通常”:“通常”の判定は少しの訓練かもともとの能力値、もしくは少々の幸運が必要になる。この判定が狙うのは訓練済みで心得があったり、同じように他のオプション、例えば技能の対応能力値が高い能力値(18以上)であったり通常の能力値(14以上)と種族ボーナスの組み合わせで技能に修正値を得ているキャラクターである。これの難易度は“簡単”な難易度よりも少し急に上昇するが、これは対応能力値が君のクラスで一番か次に重要なものでない限り能力値の上昇や特技や道の特徴で上昇しないと考えるからである。この難易度は技能チャレンジ中に行なう技能判定の標準的な難易度である。

“困難”:この判定は特定の技能に熟練したキャラクターさえ試されるよう製作されており、専門家のキャラクターにさえ若干失敗の可能性が残っている。誰かの助け(例えばパワー・ボーナスや他のキャラクターからの援護)なしで、専門家のPCは3回のロールで2回ほど成功するだろう。一般的な専門家のPCは技能を訓練済みで、彼や彼女の一番高い能力値が技能の対応能力値(または二番目の能力値に《技能熟練》特技や種族ボーナスが加算されている)である。私たちはこれがキャラクターレベルの上昇時、特技やアイテム、さらに能力値の上昇を選択することでより強化されることを想定している。技能チャレンジ時にひとつの技能で(最初に、“通常”で成功して以降)何度でも成功数を得られる時の難易度とするのも良いが、この難易度は熟練したPCにとって本当の挑戦になるものである。

一点張り:私たちがこれら原型となるキャラクターを確認した時、私たちは4番目に分類されるPCである“一点張り”のキャラクターに注目した。彼はある技能での有利さを最大限にするためあらゆる手段をとる。彼は特技、種族ボーナス、20の主要能力値、技能の訓練、そしてさらに技能を高める魔法のアイテムを探す。現在のものより“困難”な難易度さえこのキャラクターは成功をほぼ保証されている。しかしこれだけのボーナスをひとつふたつの技能より多く得ようとするのは困難なことでもある。私たちは一般的なキャラクターより“困難”な難易度をぶつけるより、そういうキャラクターが存在して彼らの天職が本当に得意であると認めることにする。DMの仕事(そして私たちはそれを手伝うためにより多くの道具を用意している)はそのキャラクターが輝ける瞬間を用意はするが、彼の限界まで成長させた技能だけでは終わらない挑戦を用意することだ。

これらの新しい難易度は私たちが技能チャレンジと他の技能関連ロールのために作った背骨である。例えば、私たちはモンスターや罠から逃れるための難易度はキャラクターの程度に合わせて設定して可能性がなければならないと考えている。

私たちの狂気が隠されたこの方法がいくばくかの光を投じたことになれば幸いである。君のゲームに技能判定とチャレンジを準備するためのさらに詳しい情報を得るためにRules Compendiumは必読である!

筆者について

ステファン・シューベルトはウィザーズ・オヴ・ザ・コーストのゲーム開発者で、RPGとダンジョンズ&ドラゴンズ・ゲームのディベロップメント・マネージャである。彼はD&D第4版でモンスター・マニュアルプレイヤーズ・ハンドブックシリーズ、近日発売されるGamma Worldなど多くの製品の設計と開発に関わっている。