ネコぶんこ


2010年10月29日 「これが呪いだ。便所でしろと強制されてもいないのに、君は当然のように便所で用を足す。仮令誰も監視者が居なくてもそうするだろう。これは君の意思のようでいて、君の意思ではない」 [長年日記]

§ [DnD][4e][ChaosScar] Aeryn "Blackdirge" Rudel『わがままな雛(The Wayward Wyrmling)』Dungeon #182(3レベル)

『わがままな雛』は3レベル・キャラクター5人向けの短編シナリオで混沌の痕(Chaos Scar)にあるアダマンティン・ドラゴンの住処を舞台としている。アダマンティン・ドラゴンのカロンザクスは最近強力な冒険者の一団に倒されたが、後に1匹のワームリングを残した。野心的な竜司祭に率いられた火爪族のコボルドは見放された住処へと移住して孤児になった竜の雛を一員とした。

ゆっくりと西から東へ流れる小川はこの大きな洞窟をふたつに分けている。一見、水は浅く横切るのも簡単そうに見える。南西にある部屋には、大きな竜の骨が鼻と尻尾を寄せ合い丸まっている。肉と鱗の残骸はまだその骨にくっついている。

§ [DnD][4e][ChaosScar] Daniel Marthaler『輝ける夜明け(The Radiant Morn)』Dungeon #183(6-8レベル)

数ヶ月前、この土地では見慣れない司祭が信者たちを引き連れてやってきた。彼らはもっとも近い人里まで数マイルの場所に洞窟を見つけ、それを掃除し、輝ける夜明け寺院(Temple of the Radiant Morn)を開いた。彼らは救済の言葉と世俗の苦悩からの開放を広めた。少し抵抗はあったが、地元の住民は寺院とそこの信奉者の存在に慣れてきている。その言葉に押しつけがましいところは無く、元気づけさえする。だというのになぜ少しの人々は怯えているのだろう? 『輝ける夜明け』は6〜8レベル・キャラクター用の短編シナリオで混沌の痕(Chaos Scar)かその近くを舞台としている。

君たちの前で洞窟はでこぼこの口を広く大きく開き、礼拝堂か寺院に見える内部を明らかにしている。中では、やつれ、汚れた、一様に惨めな様子の人々が人だかりを作って石畳の上でひざまずいたり静かにうろついている。ひと組の白い衣を着た人影が彼らの中を動き、安心させ共感を得るような物腰で穏やかに聞こえる言葉をかけている。強烈な麝香の香りが、そよ風に乗って漂ってきた。

§ [DnD][4e][Liber] Logan BonnerThe Slaying Stone

ネラス帝国が滅びてからも領主のキリス家が勢力を維持し、圧制を敷いていた人間の町、キリス・ダーン(Kiris Dahn)。しかし、ゴブリンの侵攻で人々は散り散りとなり、町の名はゴリズバッド(Gorizbdd)という名に改められ、ゴブリン類が我がもの顔で支配する荒廃した町となっている。そしてゴブリンの侵攻から8年後、ある嵐の日にトゥレオナ(Treona)というまじない師の塔を冒険者が訪れた。

……というような導入で始まる1レベルPC5人向けシナリオで、PCたちはトゥレオナと彼女の塔に居候している昔の領主、キリス・アルキリク(Kiris Alkirk)の頼みで、キリス・ダーンを護ってきた秘宝、“殺戮の石(The Slaying Stone)”の探索を行なうことになるですぅ。

とはいえただ敵の巣窟に乗り込んで戦闘戦闘また戦闘というものではなく、“殺戮の石”を奪還するため、ゴリズバッドに潜入してトゥレオナが目星をつけた場所を密かに調べる。というエスピオナージ風の流れが想定されており、それを盛り上げるために主な勢力の設定や行動指針、ライバルのパーティが用意されているですぅ。

この手のシナリオはPCの行動でかなり動かし方が変わるものですぅが、遭遇の発生する場所や条件の説明や、最低これだけこなせば体裁は保てるといったDM向けの説明は結構用意されていると感じたですぅ。遭遇数は13だけど、PCの動き方次第で結構削られる事になると思いますぅ。

そして、巻末にはシナリオ専用“背景”が掲載されているですぅ。ここで掲載される“背景”はシナリオに関わるPCのモチベーションを高めるものが多く、専用の福次クエストもついてくるのでプレイする際には導入するといろいろ楽になると思うですぅ。このルールはブレイド・オブ・アルカナの特殊因果律のようにPCが事件へ関わる理由にシステム的メリットを出せるから、同じHSシリーズのOrcs of Stonefang Passには掲載されなかったのが残念ですぅが、ぜひとも後に続いて欲しいものですぅ。