ネコぶんこ


2011年11月29日 プレイヤーはその世界で暮らしていた。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『君は何ができる?(What Can You Do?)』

伝説と伝承

モンテ・クック

ゲームでもっとも重要な面のひとつは議論を待つ必要がない。君は君のターンに何ができる?

これは言葉以上にたいへん複雑な問いである。それにはゲームで定義されたアクション種別(アクション、標準アクション、移動、移動アクション、移動代替アクション、マイナー・アクション、フリー・アクション、即効アクションなど)だけではなく、ラウンドの間、そしてラウンドが終わるまでに何ができるかも含まれている。これらの点はゲームの複雑さ、ゲームの抽象性、そしてテーブルでプレイされるときにラウンドが進む速さにも影響を与える。

第2版の末期にそれらは複雑化しており、第3版となるにあたってすべてが整理された。それは滑稽に見えたかもしれない。しかし、少なくともある点においてそれは正しかった。具体的な方法でそれらを解体して柔軟にしたが、システム全般では流動性が減った。

第3版で、ラウンドはかなり短い(さまざまな代替ルールでは既に短くなっていたが、1分から6秒になった)ものとなった。あらゆるアクションはプレイヤーがゲームで行なうことを直接表現できるものになり、ゲームの抽象性を減らした。プレイヤーが彼は攻撃をするといえば、それは彼のキャラクターがそうすることを意味する。以前の版でラウンドは1分だったので、時間感覚の抽象性は強く、彼が長い時間でどうしたかがより重要なものだった。これらの問題は厄介な問題はDMが長い時間枠を流動的に運用することで緩和され、抽象化によって糊塗された。典型的な戦闘は数秒とは対照的に数分間続き、現実味を感じる戦闘時間で終わるようになっていた。

しかしそれを扱うのは難しく、第3版と第4版でラウンドは(あるいはむしろ、1体のキャラクターがラウンド中そのターンで何ができるかは)大きなアクションと小さなアクションに細分化された。君は何かを行なって移動するか、何かを行なってデザイナが移動と等価とした別の何かを行ない、何度かフリー・アクションを行なう。それをより単純に、君のターンに君は1回しか行動できないようにするとどうだろう。それはその通りに行なわれ、アクションを分類する必要はない。君は攻撃するか移動するか呪文を発動するだろう。武器やアイテムを取り出す、ドアを開けるなど、ゲームが気前よく“計算に入れていない”ことを行なうかもしれない。ラウンドはより速く展開して参加者は彼らのターンをより速く回していく。君はプレイヤーを観察して彼らのターンに少しでも価値を持たせるために余計なアクションを絞る方法を探さなくても、それぞれのプレイヤーがそれを行なうだろうし、それが重要なのだ。このようなゲームの歴史を破壊するような簡略化は、昔からのプレイヤーならたじろぐかもしれない。しかし新しいプレイヤーには、“君は自分のターンに1つのアクションが行なえる”と説明することで多くを理解してもらえる。そしてそれはそれぞれのターンをより短く速いものにする。

“君は自分のターンに1つのアクションが行なえる”のやり方では、一部のプレイヤーは彼らのターンに攻撃や呪文の発動ができなければ、貴重なターンを浪費したように感じるだろう。人は移動やその他のことを行ないたくない。だが、プレイがより速くなれば、これは覆されるだろう。1戦闘ラウンドの処理に20分ほどかかりかねない旧版のゲームで、君がそれをすべて移動に費やしたら全然楽しくないだろう。しかし、ちょうど2分以下まで短くなったなら、君にとってそれはそこまで大きな問題ではなくなる。私は多くの異なることを君のターンに行なうより、1つの行動だけを行なう数ターンのほうがより利点があると考える。

ラウンドがより速く進行するなら、何かを受けた影響を君は1、2ラウンドで脱せるため(たとえば、気絶や組みつき)非常に軽いものとなる――これはキャラクター視点からではなく、プレイヤー視点での評価だ。速いプレイは自分のターンが回ってくるのを待つ時間が減るため、プレイヤーをゲームに集中させる。しかし、ここだけ変えてもおそらく私が書いたほど劇的にプレイ速度が上がることはなさそうだ。もし読者がこの研究の観点を興味深く思ったなら、私は今後のコラムでプレイ速度を上げる他の可能性を検討する。意見を聞きたい。