2012年05月10日 となると、“最もすばらしいゲーム”とは“英雄や酒場の主人が共存し、各人が自分の役割をフルに演じることのできるゲーム”となる。 [長年日記]
§ [DnD][4e][DSH] 『パワー(Powers)』
『The Dungeon Survival Handbook』プレビュー
バート・キャロル今日の『Into the Unknown: The Dungeon Survival Handbook』のプレビューで、私たちは君がダンジョンの危険から生き残ることを助ける――特別な方法でジッグラトの影を見ることにより得られる――新パワーを見ていく!
暗い通路が四方八方に伸びている。静止し、澱んだ空気が一歩づつ注意深い前進によってゆっくりと攪拌される。鎧のぶつかる音と砂利を踏む音が地底深くの部屋では唯一の音だったが、それらが低く反響し続けて耳を惑わす。
次の角を曲がったところにあるかすかな明かりが、通路のこちら側からも見える。闇の中で距離を測る方法は無く、それは遠くの明かり、近くのヒカリダケ、あるいは潜んでいるけだものの目に反射する炎、のいずれでもありえた。仲間を一瞥し、前方に何があるか確認するためパーティのリーダーは開閉式ランタンのシャッターを持ち上げる……。
ダンジョンを主題としたパワー
君のキャラクターのクラス、テーマ、あるいは他の背景情報は彼や彼女が深みへ立ち向かう理由(あるいはもくろみ)を雄弁に語っているだろう。以下の項ではプレイヤーが彼らのキャラクターがなぜそうなのかより鋭く迫る異なる方法を紹介している。それぞれの項には人々の種類や組織の詳説かこの章の冒頭で紹介されたテーマにゆるく接続する方法がある。たとえば、地下案内人はアンダーダーク探検家の組織でディープ・デルヴァーのテーマとよく関係している。
それぞれの記事の続きには特定のクラス用の攻撃パワーが含まれている。さらにそれぞれの記事には地下世界を探検するために使える技能による技能パワーも含んでいる。君はこれらのパワーを関連するテーマのキャラクターを肉付けするために使えるが、地面の下を探検しようとする者は誰でもそれらの利益を得ることができる。
技能パワーの修得と使用
『プレイヤーズ・ハンドブック3』で初お目見えした技能パワーは、クラスの汎用パワーを代替できるものだ。君は修得済みの技能に関連した技能パワーだけを修得して使用することができる。君がクラスによる汎用パワーを修得できるようになったレベルでは常に、君はクラスのパワーの替わりに技能パワーを選択することができる。君が選択できる技能パワーは君が修得するはずのクラスのパワー以下のものでなくてはならない。
君は再訓練でクラスのパワーを技能パワーに変更することもその逆も、新たなパワーが変更するパワーのレベル以下である限り可能である。
君は伝説の道あるいは神話の運命によって得られる汎用パワーを技能パワーに替えることはできない。
ジッグラトの影
「実のところ俺はこの洞窟が怖くてたまらない。ここは以前の通路と違うようなんだ……俺が理解できない場所に近い」
――モード、逃げた奴隷
暗黒湖の油のような水面に心騒がす者がいる。波紋はゆっくりと広がり、まったく底が知れない深淵から8面の不思議な建造物へと打ち寄せ、その黒石はうんざりするほどの沈黙に沈んでいる。湖面は割れ、しばらくの間定命の者の瞳には意味を成さない形が現れてはスティギアの水の下へと消えていく。
増大する狂気
暗黒湖のジッグラト(『Underdark』、42ページ)は狂気が流入する場所だ。“彼方の領域”の存在によって創造されたアーティファクトは、外世界よりの有害なものをにじませる。正気の世界の英雄はこの恐るべき建造物を指差して深淵の異形に対抗する力を復活させる。
しかしジッグラトはこうしたアンダーダークで悪を上の世界へと広める場所の1つにすぎない。近年これら狂気の場所へ向かう者は増え、“彼方の領域”の影響が増大することを示している。この恐るべき存在に影響を受けた者はアンダーダークのダンジョンや洞窟に惹かれている。弱い意志で戻ることはではない。狂気を克服する強さこそが勝利である。
狂気の支配者
異形クリーチャーはドラウすら凌駕する、アンダーダークの真の支配者である。ダーク・エルフは地上の種族が理解できる文化と歴史を持っているが、異形を理解することはできない。彼らはすべての生命を支配すべく熱心なようだが、学者は彼らの本当の生態や真意について思索することしかできない。
アボレス、ビホルダー、そしてマインド・フレイヤーはこれらのモンスターでももっとも有名だが、異様な暗黒には他にも多くのものが潜んでいる。これらの存在は“彼方の領域”がゆっくりとこの世界へと触手を伸ばす未来を暗示している。地上では地下より浸透した存在が煽動する事件――ある時は小さく、ある時は破滅的な――がますます増えるだろう。
ほとんどの者はこれらの悲惨な事件の裏にある真実を認識していない。“彼方の領域”による汚染に遭遇してその狂気の感染を耐えた者だけが脅威を理解する。彼らは本能が彼らを止めたとしても、恐るべき闇を調べて克服することに憑かれている。非常に強い感情を経験したり精神的影響に鋭く敏感であるか否かに関わらず、彼らは他の者より強く“彼方の領域”の呼び声を聞く。
攻撃パワー
異形クリーチャーに出会った冒険者が喰われ、奴隷とされ、あるいは狂気へ堕ちることは非常によくある。そうした遭遇を生き残った者は彼らを倒すために効果的な手段を開発した。そのような技は異形クリーチャーの精神能力を利用したり、彼らの外世界の肉を焼き払うことに特化した魔法である。
技能パワー
〈地下探検〉を修得せずに異形――そうした恐怖のほとんどはアンダーダークに彼らの巣を作る――に立ち向かうのは愚か者だけだ。この技能は君が深淵を旅して生き残ることに役立つだけではなく、君の敵を見破ることもできる。これら異界よりの存在の独特な強み、弱点、そして習性を知ることが勝利の一撃を与えることと君の脳みそを頭蓋骨から吸いだされる運命を分ける。
しばしば、異形は幻術などでより巧妙に隠れる。〈看破〉および〈魔法学〉の修得は夢と現を区別する助けになる。
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バート・キャロル
バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版の『Monster Manual』が好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。
今回の『Dungeon Survival Handbook』プレビューは、新パワー紹介ですぅ。
『Dungeon Survival Handbook』のパワーは組織やテーマに関係してPCに味付けするものとしてクラスやレベルごとではない紹介の仕方になっていて、技能パワーも追加されているですぅ。