ネコぶんこ


2012年05月11日 「巨大市場向けのゲームというものを意図的に作り出すことはできない。すばらしいゲームを作ったら、それがたまたま巨大市場に受けたという形しかないんだ」 [長年日記]

§ [DnD][4e][DSH] 『悪名高きダンジョン(Infamous Dungeons)』

The Dungeon Survival Handbook』プレビュー

バート・キャロル

今日のInto the Unknown: The Dungeon Survival Handbookのプレビューで、私たちはゲームにおけるさまざまな悪名高きダンジョンを見ていく!

暗い通路が四方八方に伸びている。静止し、澱んだ空気が一歩づつ注意深い前進によってゆっくりと攪拌される。鎧のぶつかる音と砂利を踏む音が地底深くの部屋では唯一の音だったが、それらが低く反響し続けて耳を惑わす。

次の角を曲がったところにあるかすかな明かりが、通路のこちら側からも見える。闇の中で距離を測る方法は無く、それは遠くの明かり、近くのヒカリダケ、あるいは潜んでいるけだものの目に反射する炎、のいずれでもありえた。仲間を一瞥し、前方に何があるか確認するためパーティのリーダーは開閉式ランタンのシャッターを持ち上げる……。

悪名高きダンジョン

冒険者は荒野で多くのダンジョンを発見するが、複雑なものはごくわずかで傑出している。より少ないいくつかは伝説となってこの悪名高きダンジョンの一覧を形成するに足るものとなる。これら史上空前のダンジョンのうちいくつかはInto the Unknown: The Dungeon Survival Handbookで場所が示されている。

これらの危険な場所で探検家を待つ危険の手がかりと財宝の伝説はそれらを探す君のキャラクターを描き出すのに充分かもしれないし、君がその場所で向き合うものに対処するための助言をいくらか得られるかもしれない。君がそれぞれのダンジョンについて読んだなら、君はどのように考え君の冒険の仲間はどう関係するだろう。おそらく君はこれらのうちどれかの影が落ちている場所で育った。DMの同意があれば、君のキャラクターは既にダンジョン攻略の専門家で若干の特別な知識があるかもしれない。あるいは、愛する人がこれらの要塞のどこかで秘密を追求しているうちに失踪し、君や仲間の冒険者はその人物の運命を見つけ出したいと思っているのかもしれない。たとえ何が君をそこへ導いたとしても、君はある日悪名高きダンジョンの前に立っているかもしれない、たとえば。

インヴァネスの幽霊塔

インヴェネス城の外殻塔4棟はその瓦礫の上にまだ建っている。それらはかつて堅固な要塞の壁の蔦が巻きついた瓦礫から突き出て、異なる角度で墓標のように見捨てられた墓所を守っている。インヴァネス城はネンティア谷にある悪名高き3つの“幽霊塔”の1つであるが、他の2つとは違い、ただのアンデッドが闊歩する場所ではない。

失なわれた都市

その街は穏やかな陽射しの下にある宝石のように、美酒と沃野で満ち足りたところだった。人々に敵への憎悪はなく、あるとすればただ嫉妬と欲望だけだった。その美は数柱の神の心すらとりこにして、彼らはそこに縛られ他の場所で崇拝されることはなくなった。その地の名はシニディシア、沙漠の宝石、そしてそれはまだどこかにあり、砂の下に埋まっている。

元素邪霊寺院

ある時の彼らは嵐のように音をたてて現れ、彼らの馬が踏み荒らした道は泥と剣から垂れた血が混じった。ある時の彼らは人々の間に忍び寄り、彼らの堕落は気づかれないまま流行病のように広がった。彼らが村へ富や道具を探してやって来た時、誰も抵抗できず、希望もなかった。彼らが名前を呼ぶかどこかを指差した時、人々は選ばなければならなかった。降伏と、それによって得られる数日間の命か、抵抗し、まだ幸運である速やかな死と処刑される前に数日間の拷問を受けることを。

白き煙の山

それは一夜にして起こった。人類が知りうる限りもっとも強い3つの武器がその所有を主張する者の宝物庫や金庫から消えたのだ。持ち主は彼らの家で武器が隠れているかもしれない場所を探した。ずぼらな衛兵とうたぐり深い使用人は彼らの首を処刑台や縄の輪に置くこととなった。賞金稼ぎは名の知れた盗賊を捕まえることで彼らの財布を重くした。

3人の持ち主が彼らの共通するありさまを確認した時、彼らは共通の敵を入念に調べ上げてその人物に対する復讐を行なうべく暗殺者を放った。しかし、武器――ウェルムとして知られる鎚、ウェーヴと呼ばれる三叉鉾、そして悪名高き魂を引き裂く剣、ブラックレイザー――の行方は杳として知れない。持ち主があきらめて不思議な報酬を与えたい時にだけ武器は戻ってくるという手がかりが戻ってきただけだ。

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バート・キャロル

バート・キャロルは1980年からのD&Dプレイヤー(そしてイラストに色を塗った第1版のMonster Manualが好きだった)で、2004年からウィザーズ・オヴ・ザ・コーストで働いている。彼は現在D&Dのウェブサイトのプロデューサで、ヒーローとモンスターについてのブログをhttp://ourheroesjourney.wordpress.comで書いている。君は彼をツイッターで見つけることもできる(@wotc_bart)。

今回のDungeon Survival Handbookプレビューは、これまでにシナリオなどに出てきた悪名高いダンジョンの伝説などを集めた章の紹介ですぅ。次元界の書などで名前つきのモンスタを採り上げて設定紹介していたところを、今回はダンジョンでやっているですぅ。