ネコぶんこ


2012年05月13日 なるほど歴史は、外面的には政治的事件、諸国家、遠い過去に起こった先例などの報告以上のものではない。 [長年日記]

§ [DnD][4e][DSH] 『未知の領域へ――そこを一周し(Into the Unknown—Coming Full Circle)』

デザイン&デベロップメント

著者:ローガン・ボナー

私がこれまでに執筆した最初のD&Dの本はダンジョン探検のすべてを書いた――第3.5版ルールのDungeonscape――で、現在取り込んでいるInto the Unknown: The Dungeon Survival Handbookは一周して戻ってきたような感覚だ。今回は初めて、私は若干の空白を埋めてジェイソン・ブルマーンとリッチ・バリューがまとめた部分に残る棚上げされた問題を解決していた。この時の私はイカれた天才、ロブ・シュワルブが第4版に築いた基盤の上で仕事をしていた。

ウィザーズが主要製品の開発からそれのデザイナの中心集団を外すことはめったになく、私が入る前に彼らはロブをおおまかなデベロップの仕事を任せ、本のそれぞれの項目ごとに見本を作っていた。ロブはキャラクター・テーマ、ダンジョンの伝説の項、そして他の項もそれぞれ断片的な見本を作成した。彼の概略は非常に詳しいもので、私たちが作業をしている時も非常に示唆を与えられた。私はプロジェクトを進行させ、ロブがそうしたのと同じくらい執筆した。フリーランスのデザイナであるマット・ジェームズとジェフ・モーゲンロスが本の残り75%を執筆した。

私は誰がどこを書くか決めるために、担当箇所を立案するようにした。すべての項とページ割り当てを表にまとめ、私はジェフとマットを交えてスカイプで会議して私たちは担当したい部分を割り振った。その後に私は割り当てをもう少し管理しやすく首尾一貫するようにいくつか調整を行ない、私たちは本をばらばらにした!

象徴

Into the Unknownの目標はプレイヤーが彼らのPCを送り込んで探検を楽しめるダンジョンを作り、DMがダンジョンを探検させたくなるひらめきを与え、そして全員にダンジョン探検の感覚と興奮を強く感じてもらうことだ。これの大きな、大きな部分はダンジョン探検に向かうキャラクターの種別に日を当てるということだ。このために、この本では最低でも1つの典型的なダンジョンに関係した要素を持つ象徴的なキャラクターを構築した。ロブはダンジョンの伝説の項で挿絵にされた8人のキャラクターに背景となる物語、外見、人格を与えた。彼らは復讐から罪滅ぼし、古典的な宝探しなどさまざまな動機を持っている。私たちはこれらの象徴的なキャラクターを表現するために挿絵も使った。

この本に盛り込んだ野心的なアイデアの1つである象徴的なキャラクターはD&Dのプレイヤーに充分な興味を持たせるだけの背景となる物語と目標、そして彼らを自分のPCに適応できるものとして作成することになった。彼らは多くの作成済みキャラクターより多くの詳細な物語、目標、そして人格によって肉付けされた。私たちは彼らをDMがキャンペーンをデザインする方法にも関連づけた(それについて私は下の“ダンジョン・マスター”の項で詳しく語ろう)。

私たちが作業の後半で気づいたのは、私たちがキャラクターに少し追加で光を当てる必要があるということで、私たちは改訂と編集を行なった。私はこれらのキャラクターの台詞を本のさまざまな場所に散りばめるとともに、クリーチャー、ダンジョンの詳細、そしてアンダーダークの項の色つきの言葉を執筆した。

私たちはキャラクターがおおむね暗いと気づいた。(私はロブが彼の裡に秘めるデーモンを動かすか、ちょうど陰鬱なキャラクターを痛めつけたかったのだと思う。)私たちは彼らをより多くのプレイヤーの好みとプレイ・スタイルに訴えかけられるよう、いくつかのキャラクターをもう少し軽く明るくした。

文体

私たちの象徴的キャラクターだけが唯一の面白い見どころだという気はない。この本のもっとも大きな目標の1つに、ゲームを助けるだけではなく、読むだけでも楽しい良き参考資料にすることもあった。私たちが執筆作業の初期に行なった決定は、多くのD&Dの本が使っているものよりもよりくだけた雰囲気に文体を変化させることだった。私たちは冒険者が彼らのゲーム世界で情報を共有する――熟練の探検家が考えたくさぐさのことを書いた本のような――話し言葉の入門書の雰囲気がほしかった。

これは私たちの文章がよりくだけて、慣用句を散りばめ、そして機知を求められていることを意味していた。D&Dの本は時にかなり形式ばった読み物となりうるが、私たちはまだ結果を見てはいないがその向こう側へ針を通したかった。

生存の手引き

この雰囲気によって私たちにもたらされた一番大きなものは“生存の手引き”の項だった。この部分はシステム部分の比率が大幅に少なく、本の中でもっとも“世界の中にある”項だ。ここの文章ではダンジョンに棲息するクリーチャー、ダンジョンの歩き方、そしてD&Dの世界で有名ないくつかのダンジョンについて説明されている。(そしてあなたはD&Dファンとして、たった今これらの事柄を知ったかもしれない。)まるで他の冒険者が直接君のキャラクターへ情報を与えているようにこれらは示されている。

ダンジョン・マスター

最終章はDMがふさわしい財宝とその他の報酬がそこに詰まり、面白い場所で、そこを作成したクリーチャーとダンジョンの主題が噛み合い、そこがまるで住居であるようなダンジョンを作成するのを助ける道具箱だ。ここにはそこを満たし、細かな肉付けをし、そして陰謀をめぐらすことすらできる、ランダム・ダンジョンを作成するための4ページにおよぶ表も収録されている。

これがなぜここにある? なぜならば(君たちの多くがそうであるように)私がこれらの表を愛しているからだ!

この章の1つの項にはテーマと作成済みキャラクターを真に肉付けしたいという私たちの思いと結びついている。“キャラクターを巻き込む”の項には君のプレイヤーに興味を向けさせる異なった種別のコネときっかけの作り方が書かれている。そこでは冒険者を分類――彼らの存在をいくつかにわかりやすく分け、冒険の前に彼らが完璧主義者か、あるいはそれを転覆させるか、しくじるか、勘違いするか、あるいは見通すかを示している。

より重要なのは、そこに第1章で紹介したテーマを君はどんなキャラクターに推奨すればいいのか例を示しているところだ。それにはすべての作成済みキャラクターに対する物語への導入すら含まれている。要所の挿絵は、君のプレイヤーが象徴的な者たちをプレイしている(あるいはそれらを元にしたNPCを使う)時に役立つだろう。

他の言葉を使えば、この本はあらゆるダンジョン探検の体験を共有し、一周して戻ってくるものだ。

私は君にInto the Unknownを手に入れて読むことでゲームで探検しているダンジョンを見る新たな視点を手に入れてほしいと望んでいる! ああ、そしてこれは最後の助言になるが、もし君がにやけたデーモンの頭を壁に見つけたら、それはまず他の誰かに触らせよう。