ネコぶんこ


2012年07月30日 その造成地はいつまでたっても、どういうわけか全部が建つことがなかった。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『ファイターと戦闘卓越(Fighters and Combat Superiority)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

D&D Nextのプレイテストの中で、私たちはたくさんのフィードバックを得た。多くのフィードバックは私たちが行なった意識調査によって得たものだ。何千もの多くの反響は――みんなが考えるゲームの全体像からきちんとした青写真を描くのに充分な量だ。その中でもひとつはっきりとしたことは、ファイターが戦闘であまりにも冴えないということだった。

ファイターはダメージを効率よくモンスターに与えられるが、多くのプレイヤーが私たちにラウンドを進めるときにより多くの選択肢が欲しいといった。このフィードバックを心に留め、私たちはまずこのクラスに追加のテーマと、さらに、どんなクラスでも使うことができる技を与えることについて考えた。私たちが取り組んでいるあらゆるD&D Nextのクラスに求めている基本思想のひとつが欠けているため、その方法は不完全だと判明した。何がこのクラスを他のあらゆるクラスから見て独自のものにするのだろう?何がこのクラスをD&Dの世界で目立つものにするのだろう?

何度かの議論を重ね、私たちはダイスに静的なボーナスを与えることなく、ファイターの戦闘能力を表現する、戦闘卓越(combat superiority)と呼ばれる新しい仕組みに落ち着いた。それらは静的なボーナスでもかなり効果的に働いたが、それはファイターを際立たすほどのものにはならなかった。

戦闘卓越はファイターの戦闘技術を表現している。ファイターのターンに、プレイヤーは武器を使うファイターの技術を表現するいくつかのダイスを受け取る。たとえば、1レベルのファイターは1d4を受け取れるかもしれないし、5レベルになれば2d6を得られるかもしれない。プレイヤーはこれらのダイスを彼や彼女のキャラクターの戦い方に従い、いくつかの方法で使うことができる。戦闘卓越によってすべてのファイターは基本的に、成功した武器攻撃へのボーナス・ダメージとしてダイスを使用できるようになる。

君がダメージを与えるボーナスに加えて選べる他のオプションを見れば、これはもう少し面白いものになる。たとえば、プレイヤーが防御に特化したファイターは敵の攻撃で受けるダメージを軽減するためにダイスをロールするオプションを選択できる。プレイヤーはダイスをロールし、結果を合計し、受けるダメージからそれを引く。

他のオプションもプレイヤーにダイスを消費し、それをロールさせる。これらはファイターが瞬発力や筋力を爆発させる難しい技を使えることを表現している。たとえば、活劇剣士アルアリンのプレイヤーは、敵が彼への近接攻撃をミスしたときアルアリンが割込攻撃をするためにダイスを使うかもしれない。プレイヤーがベタニアを彼女の味方を守ることに特化させた盾巧者ベタニアは、味方が受けるダメージを軽減するためにダイスを使うかもしれない。そのプレイヤーは同様にベタニアの味方に命中した攻撃をミスにするオプションを選ぶこともできる。

戦闘卓越システムは私たちが最初に行なおうとした技とテーマのシステムの要素をいくらか削ることになるが、私たちはそれに満足している。私たちが考えているのは、ファイターが武器の専門家だということだ。他のクラスはこれらの能力の模倣を試みることはできるが、ファイターの能力を少ししか扱うことができない。たとえば、ファイターは特技で得られるものより良い二刀流を、戦闘卓越のオプションで選べるかもしれない。

背景やテーマのような方法では、ファイターのクラスは戦闘卓越のオプションをアーチャーやデュエリストのように、あらかじめひとまとめに設定しておくことで表現する。君はもちろんオプションを取って能力を選び、君だけの戦法を作ることもできる。現在のデザインで、君は2つのオプションを1レベルで、3、7、9レベルでそれぞれ1つのオプションを得る。

戦闘卓越の仕組みが目指すものは、かなり単純なものからプレイヤーが選んだ複雑なものまで表現に幅を持たせ、静的な仕組み(固定値のダメージへのボーナス)をもう少し動的に(ダイスをロールするのは楽しいんだよ!)、そしてファイターの象徴的な仕組みにすることだ。うまくいけば、君がプレイテストするときによい結果を出すだろうし、あるいは君たちがそれに風穴を開け、私たちをさらによい場所へ導いてくれる。

おまけ:進化する混沌

D&D Nextのプレイテストに参加している君なら知っているように、プレイテスト用の素材は古典的なアドベンチャーである『B2:国境の城塞』の混沌の洞窟を使ったものだ。ここでは君にちょっとした刺激を与えるため(そして君のプレイヤーが彼らの身に何が起ころうとしているのか正確にわかっているという強い確信を与えないようにする)に、ロバート・J・シュワルブからの素材を改造し、君のプレイテスト用キャラクターが挑戦しがいのある面白い状況を作って新鮮味を与えるためのちょっとした助言がある。

ダウンロード(82キロバイトのPDF)(訳註:公式サイト参照のこと)

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dリサーチ・アンド・デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。