2012年09月09日 「そのチーズケーキを食べたらどうだい、クレア。ぼくもこれを消化するのに時間が必要だし」 [長年日記]
§ [DnD][DnDNext] 『プレイテスターの横顔――Newbie DM(Playtester Profile - Newbie DM)』
2012年08月10日、午前08時16分
投稿者:WotC_Trevorトレヴァー・キッド:今週、私たちはインターネット以外ではエンリケ・ベルトランとしても知られるNewbie DMと対談する。エンリケ、対談を始める前に君自身について話してくれないかい?
エンリケ・ベルトラン:オーケイ、うん、私は妻と2人の子がいる40歳になろうとしている父親だ。私はネットワーク・テレビ局のスポーツ部でプロデューサ(私はスポーツ・イベントの生中継だけではなく、スポーツ・ニュースやトーク・ショウもプロデュースしている)として働いている。もちろん私は80年代後半の第1版から始まり、第2版に移行し、第3版(このゲームと出会ったとき、私は仕事を始め、妻とつきあい始めるなど……ゲームをする暇がなくなっていた)を少しプレイした長い間D&Dのプレイヤーをやっている私がふたたびD&Dを全力で遊べるようになったのは第4版で、簡単にゲームに没頭できるこれを愛している。このゲームは私がかつてプレイしていたD&Dと大きく異なるが、それでもまだD&Dの雰囲気を感じたし、私がこれまでDMとしてできなかったことを可能に、容易にしてくれた。これは(私見だが)第4版がなしえた大きな功績だ。私にとって新しいルールのもとでDMをするのはとても簡単で、その経験を書くために私は私と対象になりうる読者がどちらもあてはまると考えた名前、『NewbieDM』のブログを立ち上げた。
トレヴァー:君がその経験をブログでたくさん書いたことを私は知っているが、DMとしてそれを容易にした第4版の要素を私たちに教えてくれないだろうか?
エンリケ:提供されたものがすべてかみ合っていたことだと、私は考えている。モンスターのステータス・ブロックはとても簡単に読んで使えるので、それらを使って戦いを始めることがそんなに難しいことではなかった。モンスターが性質と役割を割り当てられていたのは、彼らに戦闘で何をやらせればいいのか理解しやすくした。私は奇襲役が忍び寄り、暴れ役の打撃が重いことを知っている。それは遭遇の構築とDMをすることに楽しみを与えた。これはまた、私が“遭遇”をゲームの区切りとしてセッション全体を管理することを知ったことと密接に結びついている。私の場合、限られたプレイの時間で戦闘に時間を取られすぎるのは私の物語を語る能力を邪魔すると考えた。準備することに優れ、回すのも簡単であることが混じりあうことで、私は探検のほかの部分に目を向けられた。
トレヴァー:君はこれまでD&D NextのプレイテストをDM側としてどう感じた? DMを簡単にした第4版の要素の中で何かがプレイテストの中に影響していると感じている?
エンリケ:私は先日ツイッターでそのことを話したが、ここで君にもそれを話そう。私はD&D Nextが成功するなら、その大きな要素としてDMをどう扱うかがあると思う。私が特にいいたいのは「D&D Nextは単純なものも、複雑なものも、グリッドを使っても、グリッドを使わなくても、オンラインでも、オフラインでも、それを気にしないでいいようにしてほしい。DMをするのが第4版より簡単になっていないなら……それは失敗だ」ということだ。第4版で批判されるべき点は多くあるが、それがスクリーンの向こうにいるDMに何ももたらせなかったとは誰もいうことができない。モンスターを簡単に操れるようにし、君がそうしたいなら演出を変更できるようにもして、さらにそれまで決してやりたくなかった人のためにそれらを簡単にし、簡単に即興の遭遇を構築できるようにもして、DMの作業を合理化した。
トレヴァー:君は遭遇を自作した? それとも現在のパックに入っているアドベンチャーを使った? どんな素晴らしい物語が語られたのだろう?
エンリケ:私は語るべき物語を持っている。私のプレイテストはまず『Caves of Chaos』のアドベンチャーから始まった。だが、それは私がさっき触れたような問題に手をつける前の一段階だ。D&D NextのDMは第4版で提供されたような遭遇構築のガイドラインが必要だ。私はモンスターに経験点が割り当てられているのを見て、それはそのうち提供されると見ているのだが、今この時に私がプレイヤーを全滅させてしまわない物語とアドベンチャーを作成できるかどうかはわからない(笑)
トレヴァー:現段階のルールでプレイをしてみて、君は何か特定の問題や壁にぶつかった? 君が本当に見てみたい変化はあるだろうか?
エンリケ:率直にいって今のところ、かなり昔のD&Dそのままの感覚でプレイできている。私たちがぶつかった壁があるとすれば、それはレベルの上限、そしてキャラクター作成ルールだ。テーブルを支配していた雰囲気は、ゲームが本当に骨組みだけなのだというものだったが、私たちはプレイテストは筋肉などを乗せていく前の骨組みを作るために行なわれていることも理解していた。
トレヴァー:君がクラスを1つプレイテストに加えられるなら、何を選びたい? 君はそのクラスにどんな仕組みが欲しい?
エンリケ:私はずっとバーバリアンが好きだった。私がいつもプレイしているお気に入りのキャラクターは瞳に野性の光がある斧を担いだ弩ワーフなので、私は愛すべきバーバリアンと彼の怒りをオプションとして見てみたい。
トレヴァー:多くの版をプレイした第4版のファンとして、ヴァンス風呪文発動の復活はどう思う?
エンリケ:ヴァンス風呪文発動について、私は長い間D&Dプレイヤーとしてその是非を考えたことすらなかった。それはまさに、D&Dを構成するものの1つだったからだ。たとえば『Dragon Age』のようなゲームは、マナ・ポイントを魔法発動に使う。それは魔法がその世界でどう働いているかの法則でもある。そしてD&Dの世界で、私はヴァンス風呪文発動を受け入れていたのだ。私が第4版でD&Dに戻ってきたとき、正直いって私は魔法が変化したことを奇妙に感じていた。ヴァンス風のものは私をわずらわせるものではなかったからだ。
トレヴァー:私たちが最近、ファイターの戦闘卓越という仕組みについて『伝説と伝承』や『D&D Next Q&A』で話した内容をどう思う?
エンリケ:興味深い仕組みだし、私にもあっているものだと思うよ。私が最近はまった『Dragon Age』のAGE systemにあった離れ業のようだ。私は第4版のファイターが独自なものにはなったが一家言ある第4版のプレイヤーすべてがそれを好きになれるとは思っていない。しかし、私にとってそれは充分に面白い。私はファイターがもう少し元気になってもいいと思っている。みんなは第4版のファイターを愛しているのだから。
トレヴァー:私たちは既にキャラクター作成ルールなどを含んだ次のパックがGen Conの前に出ることを知っているが、そこで他に見たいものは?
エンリケ:私はアドベンチャーの構築ガイドラインを見たい。私は遭遇についての豆知識を見たい。これはDMに充分な快適さを感じさせ「私はこれをやってみたい。簡単そうだ」と思わせるために必要だ。もしこうならないなら、だれもDMをやりたがらないだろうし、ゲームはプレイされないだろう。第4版はDMの立ち位置を向上させたので、D&D Nextではそこを過去に戻してはいけない。これはステータス・ブロックについてもだ。プレイヤー側に立つなら、私はテーマが好きだ。これはゲームへの偉大な追加だと思う。私は第4版のそれを愛しているし、D&D Nextのそれも気に入った。だが、まずはDMとしての私を助けてほしい。そうすれば私はテーブルにプレイする友人を連れてくる。