2014年07月21日 [長年日記]
§ [DnD][5e][LnL] 『ゲーム・デザインの中の特技(Feats of Game Design)』
私たちが第5版のデザインを行なっていたときを振り返ってみると、このコラムの執筆はとても難しいことだった。特技について話したくなったら、私は現在のデザインが向かっている方向を見極め、面白かったり流れに合った話題を見つけ、そして多くの洞察を与えすぎないように記事を書いていかなければならなかった。今日、私はついに自分の『Player's Handbook』を開いてそれを見ながら何かを話すことができる。とても簡単になった。
プレイテストを追い続けていたなら、君は既に特技の裏にある基本的な考えを知っている。それらはゲームの一部をなすオプション――能力値を上昇させる代わりに修得できるカスタマイズの層にある。それらは誰もがより独自性のある、際立ったキャラクターを作るために修得できる、自由度の高いクラス特徴として使われる。
以前の版と比較すると、新しい版のゲームで特技はより強くなった。かつて、さまざまな特技は君にひとつの利益やボーナスを与えた。特技は君のキャラクターに独自の方向性を与えたが、それも通常は君がそれらをいくつか組み合わせた後でのことだった。
第5版では、どの特技もよりマルチクラスのオプションのようなものになった。それは君が必要とするすべてを実現し、新たな次元を君のキャラクターにもたらす。大部分の特技は、君にとって有用になる重要なクラス特徴であったり、能力地ひとつの+1ボーナスに値するさまざまな小規模な利益といった、いくつかの小さな変更をまとめて与える。
このデザインの考えに隠れた方法論は単純だ。テーブルの誰かが特技を持つキャラクターをプレイしているなら、君はセッションが終わるまでにそれに気づけるはずだ。特技はキャラクターに明確さと面白さをもたらして、彼らを目立たせる。
たとえば、現在のキャンペーンで私は混沌と無秩序にすべてを捧げた混沌にして中立のウィザード、ケル・ケンディーンをプレイしている。私は攻撃ロール、能力値判定、あるいはセーヴィング・スローで、追加のd20をロールし、どちらかの結果を適用できる《Lucky》の特技を修得している。それは不利や本当に重要なロールを行なうときなど、綱渡りをする局面を脱出するのにとても役立つ。ケルを描写するとき、《Lucky》の特技は手袋のように彼にぴったりだ。混沌の参入者として、彼は自らを常に危険にさらす――たとえばクラウン・オヴ・アルティメット・イヴィルを身に着けてみたり、街の暴君に会見を要求したり――彼にしっぺ返しが来るだけの道だ。少なくともケルの場合、それは幸運に祝福された愚者だ。
キャラクターの骨格に関していえば、特技は専門的な訓練を表現したものか、君のキャラクターの特殊な部分と結び付けられたシステム上の利益、このふたつの場所に落ち着く。前者の種類の特技は君のキャラクターが学んだものだ。後者は持って生まれた象徴的な能力だ。これはロビン・フッドの弓術――訓練と実践を通して学ばれるもの――と、オデュッセウスの鋭い知恵――彼という人物が持って生まれて偉業を成し遂げたもの――の違いだ。
『Player's Handbook』の発売まで君が我慢できるよう、ここに収録される特技のすべてをリスト化した。
- 《Alert》
- 《Athlete》
- 《Actor》
- 《Charger》
- 《Crossbow Expert》
- 《Defensive Duelist》
- 《Dual Wielder》
- 《Dungeon Delver》
- 《Durable》
- 《Elemental Adept》
- 《Grappler》
- 《Great Weapon Master》
- 《Healer》
- 《Heavily Armored》
- 《Heavy Armor Master》
- 《Inspiring Leader》
- 《Keen Mind》
- 《Lightly Armored》
- 《Linguist》
- 《Lucky》
- 《Mage Slayer》
- 《Magic Initiate》
- 《Martial Adept》
- 《Medium Armor Master》
- 《Mobile》
- 《Moderately Armored》
- 《Mounted Combatant》
- 《Observant》
- 《Polearm Master》
- 《Resilient》
- 《Ritual Caster》
- 《Savage Attacker》
- 《Sentinel》
- 《Sharpshooter》
- 《Shield Master》
- 《Skilled》
- 《Skulker》
- 《Spell Sniper》
- 《Tavern Brawler》
- 《Tough》
- 《War Caster》
- 《Weapon Master》
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はD&D第5版のデザインを主導している。彼が他に名前を出している仕事は『キャッスル・レイヴンロフト』ボードゲーム、第4版『モンスター・マニュアル3』、そして第3版『プレイヤーズ・ハンドブック2』だ。