2016年07月19日 [長年日記]
Sage AdviceはD&Dのルールの公式な解説を行なう月刊コラムだ。時に、それは君のD&Dゲームが円滑に進むのを助けるために参考文書を提供する。
今月、私たちはあらゆるD&Dの話題に関する質疑応答をもう1度行なうため、ツイッターのアーカイヴを調べてきた。
君がD&Dのルールについて質問があるなら、私のツイッター(@JeremyECrawford)に連絡してくれれば、私は毎週それに答えている(それがツイートできないくらい長いなら、sageadvice@wizards.comに質問を送ってほしい)。このコラムで私は、ツイートより多くの文字数が必要な回答を行なう。
こことツイッターで私が下したルール裁定は、ダンジョン・マスターの決定を無効化するものではない。私が提供する回答と情報はDMがゲームを審判するのを助けるものであってほしい。
クラス特徴
バーバリアンのReckless Attackは、すべての的に有利を与える? あるいは攻撃した目標にだけ? バーバリアンのReckless Attackを使った場合、君は次のターンの開始時まで、君に対するすべての攻撃ロールに有利を与える。
クレリックがDestructive Wrathの特徴を使ったとき、その一部が[電撃]あるいは[雷鳴]ある限り、すべてのダメージが最大化される? Destructive Wrathが最大化するのは[電撃]あるいは[雷鳴]ダメージだけだ。
ファイターは同時に2つの戦闘スタイルを使える? たとえば、片手武器戦闘と防御のように。片手武器戦闘と両手武器戦闘のようにそれらがお互いに矛盾していないかぎり、君は同時に複数の戦闘スタイルのオプションから利益を得ることができる。
Way of the Shadowのモンクによるサイレンスはディスペルされる? 呪文はその出所に関係なく呪文である。君が特徴を使って呪文を発動したとき、特徴に特記がないかぎり、その呪文は通常の呪文発動ルールの対象になる。
モンクのOpen Hand Techniqueで大型サイズ以上のクリーチャーを押しやったり、伏せ状態にできる? Open Hand Techniqueはクリーチャーのサイズを意図的に無視している。モンクのkiには多くの驚異的な効果があるのだ! もし特徴がクリーチャーのサイズによって制限されるなら、その特徴内で解説している。
パラディンのDivine Senseは地獄の末裔であるティーフリングを感知する? ティーフリングは人型生物でありフィーンドではなく、したがってDivine Senseでは見つけられない。この特徴はセレスチャル、フィーンド、あるいはアンデッドのクリーチャー種別を持つクリーチャーを感知する。
ローグのAssassinateの能力を発動させるとき、いつクリーチャーの不意討ち状態は終了する? そのラウンドの彼のターンが終了するまで? あるいはラウンドの終了時? 不意討ちされたクリーチャーの不意討ちされた状態が終了するのは、戦闘でそれの最初のターンが終了するときが意図されている。
ソーサラーがSubtle Spellを使って音声あるいは動作要素だけで呪文を発動させたとき、敵はそれに対してカウンタースペルができる? Subtle Spellは呪文から物質構成要素を欠けさせ、発動を見せなくすることでカウンタースペルから保護する。
装備
重装鎧は〈隠密〉以外の【敏捷力】セーヴィング・スロー、あるいは能力値判定を低減させる? 君がそれへの習熟を持っているなら、重装鎧は〈隠密〉以外の【敏捷力】セーヴィング・スロー、あるいは能力値判定には影響しない。
マルチクラス
一時的なステータスの上昇はマルチクラスの必要条件を満たす? あるいは基礎値が条件を満たしていないといけない? マルチクラスの必要条件は一時的な値ではなく、基礎値を意図している。
バーバリアン/クレリックはRageに入る前から発動しているなら、Rage中にスピリチュアル・ウェポンを使って攻撃できる? バーバリアンのRageは精神集中を不可能にするが、スピリチュアル・ウェポンのような精神集中を必要としない呪文の効果は消えない。
バーバリアン/ファイター(Battle Master)はRage中にManeuverを使える? バーバリアンのRageの特徴はManeuverの使用を制限しない。
特技
《Elemental Adept》は何度も修得できる唯一の特技? 《Elemental Adept》は君が何度も修得できる『Player's Handbook』唯一の特技である。
クラス特徴と特技はshapechangeしているドルイドに影響する? Shapeshift中に《Tough》特技は影響する? 意図としてしない。《Tough》特技はドルイドのヒット・ポイントに影響するが、Wild Shapeを使っている間、それは野獣のヒット・ポイントに差し替えられている。
能力値判定
能力値判定でクリティカルは発生する? たとえば、組みつきを行なうとき、クリティカルの成功になるのか? 最大値になるのか? 能力値判定でクリティカル・ヒットは発生しない。攻撃ロールではする。
能力値判定での出目1は自動的失敗? 能力値判定やセーヴィング・スローでの出目1は自動的失敗ではない。1が自動的失敗なのは攻撃だ。
冒険
たとえばintellect devourerから0にされるなどで 失った【知力】を取り戻す方法はある? グレーター・レストレーションの呪文は能力値の減少を取り除くことができる。
戦闘
組みつきや押しやりはTempestのクレリックのWrath of the StormやBattle MasterのRiposteを発動させられる? 両方の質問に対する答えは、できない。組みつきと押しやりのオプション(『PH』195ページ)は、ヒットやミスが発生しない。
私は待機アクションをしている。待機アクションを中断して機会攻撃をすることはできる? あるいは待機はすべてのターンに対する約束? 君が待機アクションをしていても、待機を中断するなら君は機会攻撃を行なうことができる。
ウィザードがファイアーボールのような呪文を不意討ちラウンドで発動した場合、敵はそのセーヴィング・スローに不利を受ける? 不意討ち状態はセーヴに影響を与えない。君が不意討ちされたなら、君は最初のターンに移動あるいはアクションを取ることができず、君のそのターンが終了するまでリアクションを取れない(『PH』189ページ)。
ネットによる攻撃は常に不利がつく? 君がそういう特殊能力を持たないかぎり、君の5フィート以内に目標がいる(『PH』149ページ)、あるいはネットの場合は5~15フィートと君の攻撃が長射程であるため、ネットによる攻撃には不利がつく。
呪文発動
呪文使いはシャターのような呪文を、パーティの仲間へのダメージを最小化するために的外れな場所に発動できる? 呪文使いはシャターのような呪文の起点をどこに置くかを選べるので、味方により優位な場所を選ぶことができる。
射程が接触の呪文は敵の殺害ではなく、鎮圧するための近接攻撃として考えることはできる? 射程が接触であることは、その呪文が近接攻撃であることを意味しない。呪文にはそれがどのような攻撃を行なうか説明がある。
通常では必要としない呪文でも儀式として呪文を発動させる場合、精神集中は必要になる? 儀式版を含む、1アクションより長い呪文を発動するあらゆる呪文で、精神集中は必要とされる(『PH』202ページ)。発動を完成させたら、呪文の持続時間の項目が必要としている場合のみ、精神集中が必要になる。
永続的な魔法の効果はディスペルできる? あるいはそれらが永続的な場合、もはや魔法の効果として考えられない? 呪文の効果が永続する場合でも、それが解説に特記されていないかぎり、ディスペルすることができる。
呪文使いは呪文の通常版と別にその儀式版を修得しなければいけない? あるいはそれらは同じもの? 君は修得している儀式版の呪文を発動するために、Ritual Castingのような儀式として呪文を発動する能力を必要とする。君が呪文の特別版を修得する必要はない。
個別の呪文
ディスインテグレイトのダメージでヒット・ポイントが0になったハーフオークは、Relentless Enduranceで灰になるのを防げる? ディスインテグレイトで君のヒット・ポイントが0になった場合、君は灰となりすみやかに死ぬ。もし君がハーフオークでも、Relentless Enduranceは君を助けることができない。
Wild Shapeを使用中のドルイドがディスインテグレイトでヒット・ポイントが0になったらどうなる? 単純にドルイドの獣形態が終わるだけ? ディスインテグレイトの呪文がヒット・ポイントを0にした瞬間、ドルイドは灰となる。
ヒーローズ・フィーストの呪文が与える毒への完全耐性はダメージのみ? あるいは毒の状態も? ヒーローズ・フィーストはどんな形――ダメージや状態――の毒に対する完全耐性を与える。
マイナー・イリュージョンで霧の雲を作成できる? もし可能なら、それを貫通するように矢を射ると幻影は終了する? マイナー・イリュージョンで作成できる幻影の物体は椅子や岩のようなもので、大気の効果はできない。
Sage Advice大辞典
Sage Advice CompendiumはSage Adviceの質問すべてを1つのPDFにまとめている。それは今月のコラムの内容も含んだものに更新された。
その他の資源
私たちがこのウェブサイトに投稿したその他D&Dについての参考文献がここにある。
Basic Rules for Dungeons & Dragons
D&D Spell List (version 1.01)
Monsters by Challenge Rating (version 1.0)
D&D Monsters by Type (version 1.0)
Magic Items by Rarity (version 1.0)
Conversions to 5th Edition D&D (version 1.0)
著者について
ジェレミー・クロフォードはダンジョンズ&ドラゴンズ第5版の共同リード・デザイナである。彼は第5版『Player's Handbook』のリード・デザイナであり『Dungeon Master's Guide』にも関わっている。彼は2007年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社して以来、多くのD&D関連書籍に携わってきた。君は彼にツイッターで連絡することができる(@JeremyECrawford)。