ネコぶんこ


2016年07月01日 [長年日記]

§ [DnD][5e] 『ルール回答集:2016年6月(RULES ANSWERS: JUNE 2016)』

Sage Advice

ジェレミー・クロフォード――2016年06月30日

Sage AdviceはD&Dのルールの公式な解説を行なう月刊コラムだ。時に、それは君のD&Dゲームが円滑に進むのを助けるために参考文書を提供する。

今月、私たちはツイッターのアーカイヴを調べ上げ、たくさんの質疑応答をSage Advice Compendiumに追加した。クリス・デュピュイの手を借り、2015年の7、8月から得られた私はいくつかの回答を短くしたり伸ばしたりした。この回答はさまざまなルールについて触れている。

君がD&Dのルールについて質問があるなら、私のツイッター(@JeremyECrawford)に連絡してくれれば、私は毎週それに答えている(それがツイートできないくらい長いなら、sageadvice@wizards.comに質問を送ってほしい)。このコラムで私は、ツイートより多くの文字数が必要な回答を行なう。

こことツイッターで私が下したルール裁定は、ダンジョン・マスターの決定を無効化するものではない。私が提供する回答と情報はDMがゲームを審判するのを助けるものであってほしい。

クラス特徴

バーバリアンのDanger Senseはブレス攻撃や敵の特殊攻撃に対しても使える? バーバリアンのDanger Senseは、バーバリアンが視認できる効果に対するどんな【敏捷力】セーヴィング・スローにも適用できる。

Circle of the Moonのドルイドはエレメンタルの姿になっていても修得済みの言語を話せる? できる。Elemental Wild Shapeにリストされているエレメンタルは会話可能だから。

エレメンタルの姿のドルイドが会話可能なら、ドルイドは呪文を発動できる? ドルイドがWild Shape中に呪文を発動できるのは、18レベルでBeast Spellsの特徴を得てからだけだ。

ドルイドが《Magic Initiate》の特技を修得し、ディテクト・マジックを呪文の1つとして選んだ場合、ドルイドはその呪文を儀式として発動できる? ドルイドのRitual Castingは準備されていることが儀式の条件である。《Magic Initiate》による呪文は修得しているが準備はされていない。

エルドリッチ・ナイトのWar Magicの特徴は、ボーナス攻撃が初級呪文の発動後か、発動前か“どちら”? これの意図はボーナス攻撃が初級呪文の前なのか、後なのかだ。それをいつ行なわなければならないかの特記がないかぎり、君はターンの間いつでもボーナス・アクションを行なえる(PH189ページ)。

レンジャーの開始時装備に物質構成要素ポーチがない。このクラスは焦点具なしに呪文を使える? レンジャーは構成要素のルールも含め、Player's Handbook第10章の呪文発動ルールに従う。レンジャーは一般的に呪文の物質構成要素のために構成要素ポーチを使うが、1レベルのレンジャーは呪文を持っていないこともあり、開始時には持っていない。

ローグのEvasionは不意討ちされた時に使える? ルールの文面には「君が不意討ちされたなら、君は移動やアクションを行なえない……」とある。ローグにアクションや移動を要求するものではないから、不意討ちされたローグはEvasionを使える。

Metamagicのルールの文面には、君は1つの呪文に複数のMetamagicオプションを使用できないとある。1つのオプションを複数回使うことはできる? ソーサラーのそこに込められた意図は、同じオプションを何度も使えるのではなく、1回の呪文には1つのMetamagicオプションを1回だけ使えるということだ。

ウォーロックのOne with Shadowsの妖術によって得られるボーナス・アクションによって、不可視状態は解除される? ウォーロックのOne with Shawodsの妖術でボーナス・アクションを取ると不可視状態は解除される。ボーナス・アクションはアクションである。

14レベルIllusionistの能力は毎ラウンド何かを現実化するのか、1回だけなのか? Illusory Realityは1つの幻術呪文で作られた幻術の物体を現実化することがその意図である。

Abjurerは14レベルで呪文ダメージへの抵抗を得る。Abjuerに呪文がヒットしたとき、この抵抗はAbjuerのArcane Wardに適用できる? 14レベルで抵抗を得るのはAbjurerで、Arcane Wardではない。

マルチクラス

能力値上昇は合計レベルではなく、クラス・レベルについてくるもの? 能力値上昇は君のマルチクラスした合計レベルではなく、特定のクラスのレベルに基づく。君のクラス表はいつ上昇するかを示している。

ウィザードがWild Magicのソーサラーとマルチクラスする。彼らがソーサラーの呪文リストにある呪文を呪文書から発動した場合、Wild Magic Surgeは適用される? それとも、ソーサラーとして行なわないと適用されない? マルチクラスのルールには「君が知り、準備しているすべての呪文は君のクラス1つと関係している」(PH164ページ)とある。このルールにより、ソーサラーのレベルで得られた呪文のみがWild Magic Surgeを適用できるとなる。

マルチクラスをする場合、すべてのクラスから初級呪文を得られる? クラスが君に初級呪文を与えるのなら、君はそのすべてを得られる。

マルチクラスしたとき、セーヴィング・スローへの習熟を得られる? 君にとってそれが最初のクラスなら、君はクラスからそれぞれの開始時習熟を得られる。クラスが最初のものではない場合、君はそのクラスのマルチクラス習熟表(PH164ページ)にある習熟のみを得られる。その表にセーヴィング・スローへの習熟は含まれていない。

そのクラスが君にとって最初のものかどうかに関わらず、クラスの特徴によって得られる習熟はすべて得られる。たとえば、君がクレリックのレベルを得てWar Domainを選択すれば、それが最初のクラスではないとしても君はボーナス習熟の特徴による利益を得られる。

同じクラスを複数回マルチクラスして別のサブクラスを取ることはできる? マルチクラスは単純に異なるクラスを取るためだけにデザインされている。たとえば、君はローグ/ローグはできないが、ファイター/ローグにはなれる。

戦闘

飛行している間、ホバリングの特徴がない飛行中のクリーチャーは同じ場所に滞空できる? それともそれぞれのラウンドで移動する必要がある? ホバリングの特徴を持たない飛行者も毎ラウンド移動せず同じ場所に留まることはできる。

伏せ状態の敵を通り抜けることはできる? その敵が君より少なくとも2段階大きいか小さくないと、伏せ状態は君が敵の占有する空間を通ることを妨げるルールを上書きしない。他のクリーチャーが占有する空間――友好的あるいは敵対的――は、移動困難地形であり、君は自発的にそこで移動を終了できない。戦闘中の移動についてより詳しいことは、Player's Handbookの190~192ページを参照せよ。

移動のペースは戦闘での移動に適用される? それとも移動中だけ? 移動のペースのルール(PH181~182ページ)は先頭には適用されない。

盲目状態のクリーチャーは機会攻撃を行なえる? 機会攻撃の条件には「君が視認できる敵対的なクリーチャー」(PH195ページ)とある。君が敵を視認できないなら、君はそれに対する機会攻撃を行なえない。

機会攻撃を使って組みつきや押しやりを行なえる? 組みつき/押しやりは攻撃アクションの一部(PH195ページ)で、機会攻撃ではできない。君のターン外で組みつき/押しやりを行なうには、待機アクションを使うこと。

抵抗やその他のダメージ軽減により、ダメージを0にすることはてぎる? 最低ダメージのルールはないので、攻撃、呪文、その他の効果によるダメージが0になることはありえる。

近接戦闘をしている目標への遠隔攻撃は、目標は何らかの隠蔽を得たり、私が不利を得たりする? 君の目標は君と目標の間にいる他のクリーチャーによって1/2隠蔽を得る(PH196ページ)。

呪文発動

呪文やその他のアクションを待機するには、射程内に目標がいないとできない? 君が最初に待機するとき目標が射程内にいる必要はなく、君が待機していたアクションを行なうときに目標が射程内にいないとできない。

待機していた呪文はどう解決される? 条件が成立しなかったなら呪文スロットを失う? 君の次のターンが始まる前にリアクションとして呪文を使えなかったのなら、君の呪文スロットは失われる。

呪文攻撃

(エルドリッチ・ブラストのような)いくつかの呪文は目標がクリーチャー1体。(ファイアー・ボルトのような)いくつかの呪文は目標が物体になっている。これはエルドリッチ・ブラストでドアを攻撃できないということ? 呪文の目標の指定(クリーチャー、物体、あるいは他のもの)は意図的なものだ。

“近接呪文攻撃”はTouch of Deathの“近接攻撃”に含まれる? “近接呪文攻撃”は“近接攻撃”に含まれ、Deathのクレリックが持つTouch of Deathの特徴を適用できる。

発動時間

呪文の発動時間が長い場合、呪文の発動を成功させるにはその時間的要求を終わらせないといけない? そうした呪文発動時間についてはPlayer's Handbook202ページにある“Longer Casting Times”の項目を参照すること。

個別の呪文

コンテイジョンの効果は即座に始まる? それとも目標が3回のセーヴィング・スローに失敗したとき? コンテイジョンの呪文による病気は3回のセーヴィング・スローに失敗してから効果を発揮する。

ディスペル・マジックブレスを発動させたクレリックを目標にし、その魔法効果を打ち消したなら、すべての目標への効果を取り除く? ディスペル・マジックは1つの目標への1つの呪文を終わらせる。それは他の目標にかかっている同じ呪文の効果は終了させられない。

ヘイストの追加アクションを使って魔法のアイテムは起動できる? できない。魔法のアイテムの起動は物体の使用アクションではない(DMG141ページ)。

ヘクスによる追加ダメージは攻撃ロールがあるものだけに適用される? ヘクスの呪文による追加ダメージは、攻撃ロールが必要だ。

マイナー・イリュージョンで作成した物体は移動させられる? たとえば、回廊に壁を落としたりできる? マイナー・イリュージョンによって作成された幻影の物体は移動させられない。似た呪文のミスリードと比較すると、それは移動させることができる。

ファイアーボールのような呪文は閉鎖空間に起点を設定すれば20フィートの半径から逃れることができる? ファイアーボールの呪文による火は曲がり角の向こうまで広がることができるが、それは呪文の20フィート半径により制限される。

ポリモルフの効果を受けている友好的なクリーチャーは新しい姿の精神的ステータスを得る? 得る。それは意図されたものだ。

モンスター

無限回の呪文発動能力を持つモンスターは、その呪文をアクションやボーナス・アクションとして発動できる? 無限回の呪文発動能力のあるモンスターは、その呪文を通常の発動時間で発動できる。

Monster Manualにノールはノール語を喋ると書いてあるが、Player's Handbookではその言語に言及していない。何が正しい? Player's Handbookの言語表はD&Dの多元宇宙にあるすべての言語をリストしたものではない。Monster Manualにはその他の言語としてサフアグン語とノール語がある。

ドラゴンの伝説的アクション、Wing Attackによって発生した移動は機会攻撃を誘発する? Wing Attackがドラゴンを機会攻撃から守る要素はどこにもない。

魔法的ではない殴打武器のダメージへの完全体制を持つモンスターがいる。これは落下によるダメージを受ける? 受ける。そのモンスターはまだ落下による苦痛を感じる。

モンスターがその【敏捷力】を使って近接攻撃を行なう場合、妙技の武器を使っているものと考えられる? 説明に書かれていないかぎり妙技特性は持っておらず、攻撃に【敏捷力】を使うことで妙技特性が与えられることもない。もし武器がその特性を持っている場合、君は【筋力】か【敏捷力】でそれを使える。

モンスターのLeadership能力はどう使われる? 1回だけなのか1分間の間すべての味方が1回/1ラウンドなのか? クリーチャーはアクションとしてLeadershipを使用する。利益が終了するまで、そのクリーチャーは範囲内の視認可能な味方が攻撃かセーヴを行なうときにダイスを与えられる。

ヴァンパイアはホールド・パーソンやカーム・エモーションの影響を受ける? ヴァンパイアはアンデッドのクリーチャー種別を持ち、人型生物の種別ではないため、それらの呪文どちらの影響も受けない。

魔法のアイテム

ポーションは気絶状態のキャラクターにアクションで与えることができる? できる。君はアクションとして他の誰かにポーションを与えることができる(DMG139ページ)。

(ジャヴェリンのような)投擲特性を持つ魔法の武器は、投擲した後にそれの持ち主まで戻ってくる? 君がそれを投げた後に魔法の武器が戻ってくるかどうかは、ドワーヴン・スロワー(DMG167ページ)のように、説明にそう書いてある。

エルフはフィルター・オヴ・ラヴの魅了に対してセーヴィング・スローができる? 説明はセーヴできないことを意味している。フィルター・オヴ・ラヴに対するセーヴはできない。愛はとても強いからだ。

ポーションが呪文を複製しないなら、それは精神集中を要求する? ポーションの効果が要求する、あるいはそれが精神集中を必要とする呪文を複製する場合のみ、精神集中は必要となる。

Sage Advice大辞典

Sage Advice CompendiumはSage Adviceの質問すべてを1つのPDFにまとめている。それは今月のコラムの内容も含んだものに更新された。

その他の資源

私たちがこのウェブサイトに投稿したその他D&Dについての参考文献がここにある。

Basic Rules for Dungeons & Dragons

D&D Spell List (version 1.01)

Monsters by Challenge Rating (version 1.0)

D&D Monsters by Type (version 1.0)

Magic Items by Rarity (version 1.0)

Conversions to 5th Edition D&D (version 1.0)

Character Sheet

著者について

ジェレミー・クロフォードはダンジョンズ&ドラゴンズ第5版の共同リード・デザイナである。彼は第5版Player's Handbookのリード・デザイナでありDungeon Master's Guideにも関わっている。彼は2007年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社して以来、多くのD&D関連書籍に携わってきた。君は彼にツイッターで連絡することができる(@JeremyECrawford)。