ネコぶんこ


2021年02月13日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:魔法使いの遺産(4~6レベル)

今週の小冒険は小規模なダンジョンですぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は4~6レベル程度のキャラクター向けの短時間で終わるアドベンチャーである。

かつてレギルという魔法使いがいた。彼は人里離れた地に住み家を作り、そこで様々な研究や実験を行なっていた。彼が地上から姿を消してからはそれらも忘れ去られ、荒れるがままになっている。

キャラクターたちはレギルの住み家のひとつである、こぶし岩の峰にある洞窟への地図を手に入れる。そこはまだ人の手がついていない場所だ。最深部の工房で財宝を発見できれば冒険は成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちが以前の冒険で手に入れたアイテムに、こぶし岩の峰にレギルの住み家があると記されていたことにしたり、骨董屋の地図がその場所を示したことにしているとよい。

あるいは、レギルの子孫がキャラクターたちを見込み、先祖の遺産を探してくるよう依頼する導入もよいだろう。

1.洞窟の入口

こぶし岩の峰は丘陵地帯の中心にあるひときわ高い場所で、その頂上に握りこぶしのような岩があることから名付けられている。

レギルの洞窟はそのふもとにあり、自然の洞窟を加工したものだ。天井の高さは20フィートほどの場所が多い。特に記していないかぎり明かりはなく、“暗闇”の空間である。

2.通路

洞窟の中は幅10フィートほどの通路がずっと続いている。ここはダークマントルの巣になっており、キャラクターたちが通ると久々の食事に心躍らせたのか6体が一気に覆い被さってくる。

ダークマントル

小型・魔獣、無属性


AC:11

hp:22(5d6+5)

移動速度:10フィート、飛行30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 12(+1) 13(+1) 2(-4) 10(+0) 5(-3)

技能:〈隠密〉+3

感覚:疑似感覚60フィート、受動〈知覚〉10

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


偽装:ダークマントルは動かないかぎり、鍾乳石や石筍などの洞窟の地形と見分けがつかない。

反響感覚:ダークマントルは聴覚喪失状態では疑似感覚を使えない。

アクション

握りつぶし:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、クリーチャー1体。ヒット:6(1d6+3)[殴打]ダメージ、およびダークマントルは目標にへばりつく。目標が中型以下でダークマントルが攻撃ロールに有利を得ているなら、目標の頭を呑み込んでへばりつき、ダークマントルがこのようにへばりついているなら、目標は盲目状態かつ呼吸ができない。

ダークマントルは目標にへばりついている間、目標以外のクリーチャーを攻撃できないが、その攻撃ロールに有利を得る。ダークマントルの移動速度は0になって移動速度へのボーナスも受けられず、目標と共に移動する。

難易度13の【筋力】判定に成功したクリーチャーはダークマントルを引き剥がせる。ダークマントルは自身のターンに5フィート移動することで目標から自分を外すことができる。

暗黒のオーラ(1回/日):ダークマントルから半径15フィートに魔法的な暗闇が発せられ、それと共に移動し、角を曲がって広がる。暗闇はダークマントルが(呪文への精神集中のように)精神集中を維持している限り、最大10分まで持続する。暗視はこの暗闇を見通せず、自然の光が暗闇を照らすこともできない。暗闇のどこかが2レベル以下の呪文で作られた光の区域と重なる場合、光を作成している呪文は打ち消される。

3.分かれ道

ダークマントルがいた通路を抜けると、十字路に出る。左への通路には階段のような段がついていて上に行き、正面への通路は下への段がある。右への通路には特に何もない。

これらはそれぞれ、左への道が「4.工房の入口」、正面への通路が「5.昇降場」、右への通路が「6.武器庫」に通じている。それぞれの項目を参照せよ。

4.工房の入口

上り階段の先は洞窟が地下深くに住むドゥエルガル様式に整えられている建築物然とした造りになっており、扉の前では1体のキマイラがねそべっている。この先がレギルの工房だ。ただし、キマイラは工房に入ろうとする物を誰彼構わず攻撃する。

キマイラ

大型・魔獣、混沌にして悪


AC:14(外皮)

hp:114(12d10+48)

移動速度:30フィート、飛行60フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 11(+0) 19(+4) 3(-4) 14(+2) 10(+0)

技能:〈知覚〉+8

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉18

言語:竜語を理解できるが話せない

脅威度:6(2300XP)


アクション

複数回攻撃:キマイラは1回の噛みつき、1回の角、および1回の爪で3回攻撃を行なう。火のブレスが使える時は、噛みつきあるいは角の代わりにブレスを使える。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。

角:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(1d12+4)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[斬撃]ダメージ。

火のブレス(再チャージ5~6):ドラゴンの頭が15フィートの円錐状に火を吐く。この中にいるすべてのクリーチャーは難易度15の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、セーヴに失敗したら31(7d8)[火]ダメージを受け、成功したら半分を受ける。

5.昇降場

十字路を直進して降りた先には小さな空間があり、滑車と鎖で作られた昇降機がある。壁にはドワーフ語で刻まれた契約の石版があり、ドゥエルガルが5日に1回工房の前に狩りの獲物を持って行くことが誓われている。

1d20をロールして出目が17以上だった場合、2人組のドゥエルガルが昇降機の近くで一杯やっている。キャラクターたちが敵対するそぶりを見せず、酒の1杯でもごちそうするなら、彼らは爺さんの代から上り階段の上で工房の番をしているキマイラに食べ物を持って行っていることや、もう1つの通路の先は忌々しいラスト・モンスターの巣になっていることなどを話す。工房へ入るためにキャラクターたちがキマイラを倒すことについては、相手がいなくなったら契約がご破算になるため、むしろ歓迎する。

ドゥエルガル

中型・人型生物(ドワーフ)、秩序にして悪


AC:16(スケイル・メイル、シールド)

hp:26(4d8+8)

移動速度:25フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
14(+2) 11(+0) 14(+2) 11(+0) 10(+0) 9(-1)

ダメージ抵抗:[毒]

感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉10

言語:地下共通語、ドワーフ語

脅威度:1(200XP)


ドゥエルガルのしぶとさ:ドゥエルガルは毒、呪文、および幻術、さらに魅了状態あるいは麻痺状態へのセーヴィング・スローに有利を得る。、

陽光過敏:ドゥエルガルは陽光の中では攻撃ロール、そして視覚を利用した【判断力】〈知覚〉判定に不利を受ける。

アクション

拡大(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは1分間、身につけている物や持っている物とともに、魔法的にサイズを大きくする。拡大されている間、ドゥエルガルは大型で、【筋力】を基準とする武器攻撃(攻撃に計算済み)でダメージ・ダイスを2倍にし、【筋力】判定と【筋力】セーヴィング・スローに有利を得る。ドゥエルガルが大型になるための空間がない場合、それは空間に余裕がある場所で最大の大きさに達する。

ウォー・ピック:近接武器攻撃:攻撃+4、間合い5フィート、目標1体。ヒット:6(1d8+2)[刺突]ダメージ、拡大中は11(2d8+2)[刺突]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィートあるいは射程30/120フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[刺突]ダメージ、拡大中は9(2d6+2)[刺突]ダメージ。

不可視化(小休憩あるいは大休憩で再チャージ):ドゥエルガルは攻撃するか、呪文を発動するか、拡大を使うか、精神集中が解除されるまで、最大1時間(呪文の精神集中のように)魔法的な不可視状態になる。ドゥエルガルが身につけていたり、運搬している装備はすべて透明になる。

6.武器庫

十字路から通路を右へ向かうと、広い部屋に出る。いたるところに棚や箱があるが、かなり荒らされており、床には朽ちた木の棒や剣の柄、棚や箱が壊れた木切れが散乱している。

無事な箱や棚を調べるなら、金属部分が錆びつつあるロングソードやハルバードが保管されている。ここはかつて武器庫だった場所だ。

だが、今ここに住んでいるのはラスト・モンスターの群れである(6体)。彼らはここを食べ物でいっぱいの安住の地と定め、仲睦まじく暮らしている。キャラクターたちが踏み込んでくると、彼らはプロペラのついた尻尾を振り回しながら威嚇してくる。

この武器庫には魔法の武器(何があるかはGMが決めてよい)が1振り残されている。

ラスト・モンスター

中型・魔獣、無属性


AC:14(外皮)

hp:27(5d8+10)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
13(+1) 12(+1) 13(+1) 2(-4) 13(+1) 6(-2)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉11

言語:-

脅威度:1/2(100XP)


金属腐食:ラスト・モンスターにヒットした非魔法的な金属の武器は腐食する。武器はダメージ・ロールへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ペナルティが-5になると、武器は壊れる。ラスト・モンスターにヒットした金属製の非魔法的な矢弾はダメージを与えた後に破壊される。

鉄嗅覚:ラスト・モンスターは臭いを嗅ぎ、30フィート以内にある鉄の位置を正確に知ることができる。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

触覚:ラスト・モンスターは5フィート以内に見える非魔法的な鉄の物体を腐食させる。物体が着用あるいは運搬されていない場合、接触すると1フィート立方が破壊される。物体がクリーチャーによって着用あるいは運搬されている場合、クリーチャーは難易度11の【敏捷力】セーヴィング・スローを行ない、ラスト・モンスターの接触を回避できる。

触れられた着用あるいは運搬されている物体が金属製の鎧あるいは金属製のシールドなら、それはACへの永続かつ累積する-1のペナルティを受ける。ACが10まで減少した鎧、あるいは+0ボーナスまで低下したシールドは壊れる。触れられた物体が手に持たれた金属製の武器である場合、金属腐食の特性で説明されているように腐食する。

7.魔法使いの工房

扉の中には情報通り魔法使いレギルの工房で、そこには整理整頓された机とベッド、実験器具がごちゃごちゃと並ぶ棚がある。

ここをよく調べれば、2000sp、3000gpと魔法のアイテムが3つ見つかる。GMはレア1つ、アンコモン2つを目安に配置しておくこと。

結末

魔法使いの財宝は無事見つかっただろうか。だが、レギルの住み家はここだけではない。ここで手に入れた手がかりを元に別の場所へ向かってもよい。また、昇降機を使って地下世界への冒険に向かうのもいいだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。