2010年11月12日 「非決定性と自由は同義ではないよ。それに、仮令決定論を退けたところで自由意志とは斯様に覚束ないものだ。ラプラスの悪魔は居なくても、蜘蛛一匹でここまで揺らぐのさ――」 編集
§ [DnD][4e][Liber] Ari Marmell、Bruce R. Cordell、Luke Johnson『The Plane Below』
『次元界の書 / Manual of Planes』で紹介されていた根源次元界ふたつのうち、元素の渾沌についてのより詳しい解説を行なっているサプリメントが『The Plane Below』ですぅ。
また、元素の渾沌に存在する地形、危険要因、技能チャレンジ、モンスターなど、伝説級〜神話級ですぐに使えるDM用データも豊富なのが良いところですぅ。
『Chapter 1: Chaos Incarnate』は、元素の渾沌がどういうところであるかの解説で、乗り物3種、儀式1種、天候9種、ファンタジー的な地形18種、レベル8〜28までの危険要因13種、アーティファクト3種といったデータの追加もされてますぅ。
ここでの目玉は、キャラクターが【知力】判定で元素の渾沌の流動性に干渉し、物体や地形を都合よく改変できるようになるルールを解説した『不安定な変容性(Unstable Mutability)』の項だと思いますぅ。インフルエンス・インスタビリティ(流動性への干渉/Influence Instability)という無限回基礎攻撃パワーを戦場にいるキャラクターへ与えることで、意思で現実を改変するという元素の渾沌ならではの要素を簡単に通常の戦闘へ取り込めるようにしているのもポイントが高いですぅ。
追加データは元素の渾沌の荒れ狂う様子を反映したものが多く、ファンタジー的な地形を例に説明すると、キャラクターを移動させたり、ダイスでランダムに効果を決めることが多くなっているですぅ。
追加されている技能チャレンジはイフリートとの交渉やスラードとの意思疎通、ライトニング・スキフ(新しい乗り物)の修理、炎の海での航海、という元素の渾沌を舞台にしたもの4種ですぅ。スラードとの意思疎通は失敗するとランダムな反応表をロールし、突然スラードの頭が爆発したりするコミカルなものになっているですぅ。
元素の渾沌を利用したキャンペーン・アークも4本掲載されていて、それぞれが『次元界の書 / Manual of Planes』で紹介されたキャンペーンで次元界を4つの類型(敵の本拠地、稀に行く場所、色々な次元界を渡り歩く、最初から最後まで次元界)に対応したものになっているですぅ。ここでは一部の人向けのネタなのか空飛ぶ紫のカバの名前がついたスペルジャマー、フェルダグリフ号(Phelddagrif)なんてのが出てるですぅ。
設定の解説では元素の渾沌で活動している種族の代表的な有力者として、黄銅城で有能な定命の者を手駒として求めているイフリートのシャー、アブドゥル・アジーム・アバシ(Shah Abdul-Azim Abassi)、勢力を拡大し続けてそれに伴う問題も多い浮遊地塊オールロック(Allrock)を治める3人のアース・タイタンによる巌の会合(The Stone Council)、復権を狙って冒険者たちを利用しようとするジンのヴァラフィール(Valaphyr)、ポータルでさまざまな世界を巡っているギスゼライのザット(Zat)という4つが紹介されて、それぞれの背景や目的が解説されているですぅ。
また、元素の渾沌では珍しい集団で活動する組織も、善の勢力に何度破られても“旧き元素の目”のカルト(The Cult of the Elder Elemental Eye)、プライモーディアルたちの封印を監視するために創設された組織が元素の渾沌の財宝を狙う冒険者のギルド化した墓所の監視者(The Grave-Minders)、あらゆる手段で元素の渾沌を理解しようとするザオスの語り部(The Speakers of Xaos)、の3つが紹介されていて、それぞれに知識判定用の難易度分けされた情報がついてるのも便利ですぅ。余談ながら、“旧き元素の目”のカルトは幹部にファルリンス(Falrinth)などという懐かしい名前がいましたぁ。
『Chapter 2: Races of Chaos』は元素の渾沌に住む種族の社会や主な拠点の詳細な解説で、アルコン、ジン、イフリート、ジェナシ、ジャイアントとタイタン、ギスゼライ、スラードについてはそれぞれ項を割かれて解説されているですぅ。イフリートの項では『Scales of War』で起こる黄銅城の政変についてコラムでフォローされているので、DMしている人は目を通しておいたほうがいいかもしれないですぅ。
現在の元素の渾沌は“暁の戦”で中立を保ったイフリートが現在の支配的な種族となり、プライモーディアル側についたジンは多くの強力なカリフが封印されて弱体化し、巨人たちはプライモーディアルを追い出した神々の手になる世界を憎んでいるものの、狡猾な指導者は数を減らしたという感じの大まかな勢力図の周縁に、ジェナシやギスゼライの小さな共同体があり、アルコンたちは戦闘本能を満たすために略奪や傭兵をやっているという感じですぅ。
スラードは並存していた複数の宇宙が崩壊してしまったために現在のような単一の宇宙が生まれたと考え、単一の肉体や時間軸という枷から逃れるために宇宙の統一性へ亀裂を入れる混沌を求める種族という設定になっていたですぅ。
『Other Races』の項では大項目に無かったダオ(土の元素種族)、デーモン(Chapter 4で解説されるため)、ドワーフ、エレメンタル、ヒューマン、フェラーク、プライモーディアルについての解説があり、物質界から奉仕種族として連れて来られたドワーフやヒューマンが結構いることや、プライモーディアルのすべてが封印されたり眠りについているわけではないことが示唆されているですぅ。
『Chapter 3: Elemental Locales』では、元素の渾沌の中でも特に珍しい場所として、黄銅城から旅を続ける真鍮のバザール(The Brazen Bazaar)、宇宙すべての沼に続くポータルがあるという広大なカノーリン沼(Canaughlin Bog)、アイウーンやヴェクナのそれをしのぐ膨大な蔵書の図書館がある“煙公”エフカーク(Ehkahk, the Smoldering Duke)の嗚咽宮(The Choking Palace)、ダゴンの恩寵で復興したジェナシの雨の都グロームヌル(Gloamnull, City of Rain)、鉄の棘に覆われたアイアン・アルコンの要塞イルドック・モルダ(Irdoc Morda)、ギスゼライとジャイアントとエレメンタルが主導権争いを続ける渦巻く塵(The Moteswarm)、“暁の戦”より前から世界をさ迷う万魔の石柱(Pandemonium Stone)、元素の混沌を貫き物質界へ創造の力を送る創世の柱(Pillars of Creation)、何百もの河が繋がりあう河の網(The Riverweb)、最も激しく移ろう混沌の中に調和を求めるギスゼライの僧院サンゼラザド(Sanzerathad)、珍しい水晶を産出する物質界のきらめく鉱山(The Glittering Mine)、雷に覆われた謎の遺跡輝けるもの(The Body Luminous)、プライモーディアルが封印されている山造りの塚(The Mountain Builder's Barrow)、という10の土地が紹介され、それぞれに特徴的な場所や地形、遭遇例が紹介されているですぅ。
また、きらめく鉱山は8レベル、輝けるものは15レベル、山造りの塚は25レベル用のデルヴ形式のシナリオになっているので、これをそのまま使うこともできるですぅ。
『Chapter 4: Into the Abyss』は元素の混沌の“底”に口を開く世界につけられた傷痕、奈落の解説ですぅ。こちらも伝説級〜神話級のキャンペーン・アークにレベル毎の冒険例、奈落の狂気への抵抗(狂気表つき)、デーモンゲートの破壊、デーモンの群れからの脱出、デーモンウェブで道を見つける、という奈落での技能チャレンジ4種が追加されているですぅ。
『Abyssal Locations』では、タリズダンを崇拝する堕落したエンジェルが棲む混乱の要塞マル・アルンダク(Mal Arundak, The Bastion of Confusion)、ウーズとスライムを支配するジュイブレクスが支配する悪臭の地モロル(Molor, The Stinking Realm)、デヴィルが築いた鉄の要塞をも腐り落ちさせる腐敗に満ちた錆の平原(The Plains of Rust)、さまざまな次元界から繋がる一方通行のデーモンゲートで犠牲者を集めるラジャックの尖塔(The Spires of Rajzak)の4つが紹介されてますぅ。
『Chapter 5: Creatures of Chaos』は、元素の渾沌に棲息するクリーチャーが紹介されてるですぅが、デーモンは少なめで伝説級〜神話級の元素起源クリーチャーとスラードが主ですぅ。
名前つきのクリーチャーは『Masters of the Elements』の項で、1stから名前が出ている嗚咽宮の支配者“煙公”エフカーク(Ehkahk, the Smoldering Duke)(25レベル・精鋭)、放浪を続けるギスゼライの隠者リリコサ(Liricosa)(21レベル・単独)、ジン王国の復興を絵空事と嗤い神々への復讐を是とする“復讐の嵐”シッラジャド(Sirrajadt, The Vengeful Storm)(27レベル・精鋭)、氷河に封印された荒れ狂う海と深みの冷気を支配するプライモーディアル“破壊の海嘯”ソルカラ(Solkara, The Crushing Wave)(34レベル・単独)、スラードに君臨する王のひとりで時の終わりに生まれ宇宙の終わりを既に知る“拡散王”イゴール(Ygorl, Lord of Entropy)(26レベル・精鋭)の5体が紹介されてますぅ。
総括すると“実際にプレイするさいPCをどう次元界での冒険にいざなうか”という部分での解説や設定がかなり多めで、データも豊富なので自作シナリオをよくするDMには『次元界の書 / Manual of Planes』に続く2冊目として非常にお奨めできる内容のサプリメントだと思うですぅ。
元素の混沌そのものが荒れ狂う混沌や剣呑な種族のおかげで、うろつくだけでも冒険になる敵色の世界なのも魅力ですぅ。
2012年11月12日 知的な、あるいはファッショナブルな意味を持つ物品を使って、単に高価なだけの物品に代替させること。 編集
§ [DnD][4e][LnL] 『プレイテストの舞台裏(Playtesting in Detail)』
伝説と伝承
2週間前、最新のプレイテスト用原稿が公開された。私たちがどのようにフィードバックを管理しているか、君たちのフィードバックがゲームの開発で演じている役割を知ってもらうことは有用だと私は考えた。
第一に、このプレイテストに参加している多くのプレイヤーから報告を受け取れていること。これは私たちにとって幸せなことだ。受け取るフィードバックが幅広いRPGプレイヤーとDMを表現していると確信するには、多くの参加者が必要になる。
第二に、プレイテストに参加しているプレイヤーの数は着実に増えている。これは私たちの出す結果が時間によってゆがんでいないことを確実とするもうひとつの重要な証拠である。多くの人たちがプレイテストから去りながらも、残っている人たちがどんどん幸せで前向きになるなら、私たちが学べることはあまりないだろう。それは私たちが幸せな人たちを囲い込んで不満な人たちを追い払っていることを意味するからだ。それが起こっていないことはよいことだ。私たちが何かをだいなしにしてしまって君が激怒しているなら、残ってくれたことに感謝を。
それでは、君たちのフィードバックによって何が舞台裏で起こっているのだろう? 君たちが調査に答えるなら、私には君たちの書いたものを読む機会が生まれるということだ。
まず、私たちは2週間という短期間を次のパックに納める現行の納期にしている。君がソフトウェア開発をしているなら、スクラム開発についてよく知っているかもしれない。私たちはやる気を駆動させるために夏の終わりからそれを使い、今までうまく作業できている。スクラムは私たちのやる気をゲームの特徴――クラス、種族、戦術的戦闘、マルチクラス――へと繰り返し集中させた。
この工程の中で、私は製品の受け手側に立つ。私の立ち位置は基本的に顧客の代弁者だ。それはプレイテストのフィードバックが重大な役割を果たすところだ。君たちのいい分を聞けなければ私は君たちの代弁者たりえない。そして毎回の調査結果をまとめてから、私は調査のデータに目を通してそれぞれのコメントを読むことに数日を費やす。その結果をもとに、私はゲームで重要な要素すべてを3色のひとつに分類することを試みる。
赤の要素は問題点だ。赤になったものは、失望や不満を表明する人が多くいるために変更の必要があるものだ。全体の10%以上が1や2の評価を与えたものはおよそそうなるが、私はそれよりもずっと詳しく観察している。そしてみんながなぜ不満なのかという詳しい点と助言を特定のコメントから拾い上げる。
黄色の要素は想定以下の部分だ。みんなは不満ではないかもしれないが、私たちが幸せだと感じる多くの人を見られなかった部門だ。この場合、多くの人たちは1から5の評価基準でそれに3を与えている。そしてまた、コメントはそこで何があったか探す手がかりになる。この色はおおむね若干の考察対象になるが、それらは私たちがまず赤い問題を解決するまで待たなければならない。また、黄色い評価が想定通りのものもある。興奮よりも効率を狙ったルールやサブシステム、たとえば不意討ちのルールについては、この場所にあってよいものだ。それについてコメントがほとんどなかった黄色いものについても、私たちはそれを放置するかもしれない。
緑の要素は試験に合格したものだ。大多数の人たちがそれを5段階評価のうち4か5で評価した。私たちは緑になったものには干渉しないようにして、もし変更する場合はそれがこれからの調査でどう変化するかを慎重に見守り続ける。
こうして評価を固定したなら、私たちにはいくつかの選択肢がある。もっとも一貫していて修正が容易な赤の要素は、調査のコメントがある一点に向かって曇りないものだ。Glancing Blowがダイス・ロールが10以上から攻撃の結果が10以上と変更になったのは簡単なことで、プレイテスターが一貫して攻撃ボーナスとモンスターのACが意味をなさないとの意見を送ってきたからだ。
そのほかの場合、はっきりしたもののようにはいかない。プレイテストの初期に私たちは多くの人がファイターで退屈していることを把握していたが、単純なクラスが存在することを幸せに感じている人たちもいた。この緊張状態を緩和するためには多くのブレインストーミングと実験が必要になった。私は回復と呪文発動についても同じ状態になっていると考えており、まさにそれらは私たちが多くの時間と注意を傾けているふたつの区域だ。
私たちは現在ふたつの区域、すなわちマルチクラスと高レベルのプレイへと向かっている。それらふたつの区域で私たちはいくつかの作業を行なっている。
- ゲームの鍵となるシステムと内容の純化。いちど何かが終われば、私たちは先述したようにフィードバックに基づいてそれらを磨き続ける。
- たとえばパラディン、ハーフオーク、そしてキャヴァリアーなどD&Dならではのものから、ドラコニアン、ウォーフォージド、そしてブレードシンガーなど世界独自のものまで、より多くのクラスと種族で内容を充実させる。
- 呪文についての調査はデザインの方向性を決定づけるのにたいへん役立ったため、私たちは上級クラスと特技のために同じことを始める。
- D&D Nextを端的に表現し、出発点となるゲームの中心を固定するためにシステム全体を検討する。この段階はできるだけ多くのもの――ルールとキャラクター・オプション――を取り除くことでD&Dに真の中心を作成することからなる。
- この適切な中心よって、たとえば代替魔法システム、戦術的戦闘、大規模戦闘、野戦、次元界移動、致命傷、そして領地経営などいくつかのルール・モジュールのデザインを開始したり仕上げることが可能になる。『D&Dルールサイクロペディア』のように、それを中心にルール・モジュールで覆うのだ。
これらと並行し、私はゲームの製品化計画を練るために営業チームとも密に連携している。それはおそらく工程の中でもっとも刺激的でもっともやりがいのある部分だろう。
ああ、毎度毎度のことながら、私はまだ充分いえていないことがある。プレイテストへの参加ありがとう。君たちなしで私たちはここまでたどりつけなかっただろう。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。
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2013年11月12日 編集
§ [CoC] 『Chamado de Cthulhu』のクラウドファンディングに追加レベル
Terra Incognitaのポルトガル語版『クトゥルフ神話TRPG』クラウドファンディングに、新たなレベルが追加されたですぅ。
創造的狂信者:R$111(22名限定)――ルールブックの書籍版とPDF版、サプリメントのPDF版、さらにこのレベルのみに提供されるキャラクター、新たなクリーチャー、神格、異界のテクノロジー、教団、さらなる二目と見られぬような狂気めいたものを描いた少なくとも20ページのPDF『Compendio』がついてくる! このレベルの出資者はそのアイデアを文書としてTerra Incognitaに送り、ともに創造をすることができる。
召喚の儀式:R$222(5名限定)――著者サンディ・ピーターセンの(蔵書票への)サイン入りルールブックの書籍版とPDF版、サプリメントのPDF版、さらにハングアウトかSkypeを利用してTerra Incognitaの創業者と自由な会話をするための権利。
仮想現実の儀式:R$444(5名限定)――著者サンディ・ピーターセンの(蔵書票への)サイン入りルールブックの書籍版とPDF版、サプリメントのPDF版、さらにTerra Incognitaの創業者は、あなたとその友人(5名まで)のためにハングアウトかSkypeを利用した8時間(4時間毎に分割)の『クトゥルフ神話TRPG』のセッション――恐るべき旧支配者(私たち!)が手ぐすねを引く――を準備する。
2014年11月12日 編集
§ [Promiscuus] 星と蒸気と回顧と
今日は北九州市の児童文化科学館へ行って、プラネタリウムとスチームパンク展を観てきましたぁ。スチームパンク展は小規模ながらも自分でグッズを作るDIYの解説もあり、広めていこうという意欲を感じたですぅ。
その後、久しぶりだからと懐かしさを覚えたので足を伸ばして昔よく遊んでた古い友人が住んでいた場所の様子を見に行ったら、建物がなくなって駐車場になっていて、もう二度とあの部屋で遊ぶことはできないんだと時間への敵意を新たにしたですぅ。
2022年11月12日 編集
§ [DnD][5e] アドベンチャー:森の老人(1レベル)
今週の小冒険は引き続き1人でも遊べる1レベル用のですぅ。
データ関係は主にOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
冒険の概要
この冒険は1レベルのキャラクター1人用の短時間で終わるアドベンチャーである。
このアドベンチャーを行なう前にキャラクターを1人作成し、そのキャラクターで挑むこと。君はこの冒険をゲームマスターなしで行なうこともできる。その場合、アドベンチャーを読んで行き先や行動を決め、敵が出たなら自分でキャラクターと敵の両方を操作すること。
冒険への導入
洞窟の外に出た“君”は、森の中を旅してきた様子の老人と出会う。彼の話を聞き、今後どうするかを決めれば冒険に一区切りがつく。
1.洞窟の出口
洞窟の中で倒れていた君は外に脱出することができた。だが、視界には見慣れない森が広がっている。
どうしたものかと辺りを見回していると、緑色の服を着た白髯の老人が「ほーい」と声を掛けてきた。
2.緑の老人
緑色の帽子とローブに身を包み、白い髭を垂らした老人が君に近づいてくる。
老人は笑いながら君の後ろにある洞窟が開いた岩山を見て「そのお山が震えたゆえ見に来たのだが、やはりお客人か」と言い、「お山が震えるとどこからかお客人が来るのだよ」と、わかるようなわからないような説明を続ける。
もし君が彼を攻撃するようなら、老人は「乱暴はよくないぞ」と君をたしなめながらグレーター・インヴィジビリティを発動させて消え、さらに言葉を続ける。
老人は「お前さんがここに招かれた者なら、わしは試練と導きをせよと言いつかっておる」と言い、手に持っているナイフである一点を指し示す。「わしが指した先には池があって、大けなカニがおる。そいつを倒して爪を片方持ってきてくれんか」と君に告げる。「3.蟹の池」へ進め。
魔道士
中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性
AC:12(メイジ・アーマーで15)
hp:40(9d8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
9(-1) | 14(+2) | 11(+0) | 17(+3) | 12(+1) | 11(+0) |
セーヴィング・スロー:【知】+6、【判】+4
技能:〈魔法学〉+6、〈歴史〉+6
感覚:受動〈知覚〉11
言語:任意の言語4つ
脅威度:9(5000XP)
呪文発動:魔道士は9レベルの術者である。この呪文発動能力値は【知力】である(呪文セーヴ難易度14、呪文攻撃+6)。魔道士は以下のウィザード呪文を準備している。
初級呪文(無限回):ファイアー・ボルトプレスティディジテイション、メイジ・ハンド、ライト
1レベル(4スロット):シールド、ディテクト・マジック、マジック・ミサイル、メイジ・アーマー
2レベル(3スロット):サジェスチョン、ミスティ・ステップ
3レベル(3スロット):カウンタースペル、ファイアーボール、フライ
4レベル(3スロット):アイス・ストーム、グレーター・インヴィジビリティ
5レベル(1スロット):コーン・オヴ・コールド
アクション
ダガー:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィートあるいは射程20/60フィート、目標1体。ヒット:4(1d4+2)[刺突]ダメージ。
3.蟹の池
老人に示された方角へ行くと、緑に濁った池がありそのほとりで甲羅の大きさが3フィート(90cm)はくだらないジャイアント・クラブが甲羅干しをしている。
君は難易度9の【敏捷力】〈隠密〉判定に成功すれば、クラブに気づかれず不意討ちをすることができる。
君に攻撃されるとクラブは怒り狂い、死ぬまで戦う。
クラブを倒したら、戦利品として爪を切っていこう。「4.次の材料」へ進め。
もし君が負けたら、気がつくと洞窟の前で老人が介抱してくれている。hpを全回復させ、ふたたびクラブに挑戦するといい。
ジャイアント・クラブ
中型・野獣、無属性
AC:15(外皮)
hp:13(3d8)
移動速度:30フィート、登攀30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
13(+1) | 15(+2) | 10(+0) | 1(-5) | 9(-1) | 3(-4) |
技能:〈隠密〉+4
感覚:疑似感覚10フィート、受動〈知覚〉9
言語:-
脅威度:1/8(25XP)
水陸両生:クラブは空気中でも水中でも呼吸できる。
アクション
爪:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:4(1d6+1)[殴打]ダメージ、および目標はつかまれた状態(脱出難易度11)になる。クラブには爪が2つあり、それぞれ1体の目標をつかむことができる。
4.次の材料
君がクラブの爪を持ってくると老人は手を叩いて祝福し、「さて、次はこの辺りにある」死人ゴケを拾ってきてくれんか。なあに、生えてる姿がどくろに見えるだけの無害なやつじゃよ」と、次の仕事を与えてくる。
君は老人から教えてもらった死人ゴケを探すために、難易度13の【判断力】〈生存〉判定を行なうこと、失敗したら1時間ほど無駄にしてしまう。
死人ゴケを探したら、老人に渡そう「5.試練の終わりと宝物」へ進め。
失敗を8回続けると日が傾いてしまう。いつの間にか老人はテントを張り、君に泊まるようにうながす。翌朝からまた探す作業をしよう。
5.試練の終わりと宝物
ジャイアント・クラブの爪と死人ゴケを老人に渡すと、彼は丁寧にナイフでそれらから何かを削り取って懐から出した瓶の中に入れ、よく振り混ぜる。
そして老人は「成功じゃ」と叫ぶと、その瓶を渡し「この油をお前さんの武器に塗れば、それを魔法の武器にしてくれるぞ。なまものなので急いで塗るんじゃ」と言う。
君が武器に油を塗ったら武器は青白い光を放つ。おめでとう、これで君の得物は強化された。
+1ウェポン
Weapon, +1/+1武器
武器(任意)、アンコモン(+1)
君は攻撃およびダメージ・ロールにこの武器のボーナスを加算する。ボーナスは武器のレアリティ欄のとおり。
結末
老人はまだやるべきことがあると君をうながす。次回を待て。
この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。
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