2012年02月06日 剣を交えた栄光の日々は、彼にとっては遠い昔のこととなっていた。 [長年日記]
§ [DnD][4e][LnL] 『版の統合、その2(Uniting the Editions, Part 2)』
伝説と伝承
私は先週、私たちが版を統合することに熱心な理由と、私たちがD&Dというゲームの版ごとの雰囲気とプレイ・スタイルをどうとらえているかについて語った。私たちが第1版と第4版をプレイする橋渡しになるものを作成しているという話でないのは明白だ。そうではなく、私たちは同じルールで第1版のスタイルや第4版のスタイルでゲームをプレイすることができる。また、テーブルを囲むプレイヤーは彼らが遊びたいキャラクターのスタイルを選ぶことができる。さて、これからスタイルとD&Dについて語ろう。
私たちがプレイ・スタイルを扱うときにやろうとしているのはモジュール化だ。第3版のスタイルはキャラクターの個性化と戦術的な戦闘ならば、キャラクターの個性化に特技や技能というオプションを使えねばならず、プレイにはマス目とミニチュアが必要になる(そしてルールは機会攻撃範囲、機会攻撃などをサポートする)。だが第2版のスタイルのゲームで、これらのオプションの一部あるいはすべては好ましくない。このモジュール制が真に目指すのは、君が版のスタイルを選ぶ必要が無いところにある。一言で伝えるなら、君は第1版の速い戦闘と第3版のキャラクター個性化手段や、そのほかの組み合わせを使うことができる。
では君の出発点はどこだろう? 現在の作業は、君がゲームの基本にして中心だと感じる部分からそれらのオプションを階層化するものだ。それがD&Dの精髄を抽出するということだ。それは君が誰かがD&Dをプレイしているテーブルの声を聞き、どの版をプレイしているか判らなくても彼らがD&Dをプレイしていると思える要素である。これが、私たちが現在行なっていることだ。
だがその答えのいくつかは明らかである。3から18までの6つの能力値。ファイター、クレリック、ウィザード、そしてローグ。(あるいは、君がお望みなら、ファイティングマン、クレリック、マジックユーザー、そしてシーフだ。)キャラクター・レベル。経験点。攻撃する時のd20ロール。マジック・ミサイル。ファイアーボール。ホールド・パーソン。その他いろいろ。
この方法はこうも考えられる。ゲームのおよそ40年の歩みから、D&D全体に通底する固有のスタイルが無いということは無い。君がこの方法の到達点で、ゲームがこの到達点で見ることになる風景は――偶然の一致では無く――それはオリジナルD&Dと似たものだ。もちろん、まったく完全に一致したものではないが、近いもの。それはOD&Dの雰囲気があるゲームだ。
そして、私たちはその優れた土台の上や外に増設をすることができる。
私は君がたくさんの質問を率直にしてくると知っているが、私も同じだ。そして公開プレイテストの場で――共に答えを見つけていく。さて、次に君が行なうもっとも大きな質問は、さまざまな個性化をどう行なって決定するかだろう?
私はその答えのある一部はプレイヤーがもたらし、ある一部はDMがもたらすものだと考える。これは私のゲーム全般に対する哲学と大変密接に結びついている。プレイヤーは(DMの意見も酌んだ上で)彼らがプレイしたいと思うキャラクターでプレイできなくてはいけないし、DMは(プレイヤーの意見も酌んだ上で)彼らが行ないたいと思えるゲームを行なえなければならない。
それからいくつか――たとえばキャラクターが技能と特技、あるいは技能、特技、そしてパワー、の長いリストを持っているかどうかに関わらず、能力値、ヒット・ポイント、アーマー・クラス、そして攻撃ボーナスだけだとしても――プレイヤーによる選択がある。いくつかの選択はDM次第だ。ミニチュアとマス目を使うのは、DMの選択だ。冒険が明日の糧を得るためにダンジョンを徘徊して銅貨を探すものか、次元界をまたにかけて多元宇宙を救うための神話的クエストを行なうものか、それもDM次第だ。(後者の選択は雰囲気だけかもしれないが、それによってルールにどのオプションを導入するか決めることができる。)
そう、実はゲームの選択を行なう基盤はいくつかをDMが、いくつかをプレイヤーが作るもので、全体的なゲームの雰囲気と、グループで旧版を“模倣”できるかもしれないものだ。だが、より重要なのは、これらの選択で人々が彼らの望むプレイを行なえるようになるということだ。実質的に、グループはD&Dで彼らの版を作ることになる。そしてそれは本当に一番面白いところだけになると、私は考える。