ネコぶんこ


2012年04月28日 私たちには、ファンとともにゲームをデザインし、作り上げていくチャンスが残されているんですから。 [長年日記]

§ [DnD][DnDNext] 『背景とテーマ:より掘り下げて(Backgrounds and Themes: A Closer Look)』

2012年04月20日、金曜日、午前05時49分

投稿者:Evil_Reverend

少し前、私は私たちが背景とテーマについて色々と考えていることと、それらがどのように技能および特技の細かい選択を2つの大きな選択に濃縮して届けるシステムになっていくのかをカーテンの向こうから引き出して君たちに教えた。私はそれより前から、私たちがカスタマイズの要素を技能や特技から背景やテーマに置き換え、あるいは彼らのダンジョン・マスターとまったく新しい背景やテーマを作成(たとえDMと作業することが「君が望むことをしたまえ!」であったとしても)するようにしても、プレイヤーは完全に満足すると確信している。

現在、私たちのすべてが関わるようになったこの考えについてさらに踏み込んだ調査を行いたい。

第3版および第4版(そしてそれ以前の版の場合は非武器習熟もある程度似ている)のどちらでも、クラスは技能をより絞り込んで君が選択できる技能として提供する。君はクラスによるもの以外の技能も選べたが、それには対価(クラス外技能やしかるべき特技)が必要だった。このやり方はキャラクターの来歴をクラスで確定させていた。ローグは犯罪者の背景を向いた技能のセットを持っていた。ファイターは運動と脅しが得意だった。ウィザードは学者の背景を持っていた。クラスの肩に背景を担わせることはクリス(できるだけ速やかにキャラクターの作成を済ませたい)のような人には素晴らしいことだったが、ローラ(細かく構築や計算をやりたい)のような人にとってはシステムの他の部分、クラス以外のオプションでカスタマイズすることがより難しいことを意味していた。第3版のルールを読み込みマルチクラスと特技の選択をすることがプレイヤーが考えた通りのキャラクターを作成する助けとなり、第4版ではまったく新しいシステム(テーマ、背景、そしてその他のマルチクラス特技やハイブリッドのルール)を導入して混ぜることがその答えだった。

技能の選択をクラスから分離することは、私たちが既に知っているゲームの中にあるもの(クラス、種族、技能、そして特技)ではない新たな仕組みの層を置くことで、プレイヤーがより大きなカスタマイズの余地を得ることを意味する。私たちはまたすべてのクラスにそのクラスと関連した一般的な背景を提示しているので、それを使うこともできる。しかし、ある技能のセットを他のオプションに交換したいプレイヤーには、ひとつひとつの技能を他の技能に交換するか、そのプレイヤーのキャラクターに合った技能のセットを作成することで、私たちはかつてのやり方ではない新しいサブクラス(レンジャー、パラディン、ドルイドなど)を導入したり、無駄なマルチクラスを強いられる事無く、さまざまな生き様のクラスを表現できるようになる。

前回言及したように、私はファイターが提案する兵士の背景を想像することができる。それが語るのは版に左右されないファイターの物語だ。兵士と司祭を入れ換えることで、私は――仕組みとしてはうまく噛み合わず非戦闘行為を行なうことに長けていても――非常に異質な存在のファイターを目にすることができる。このようなキャラクターはクォータースタッフで武装した神殿の衛兵、十字軍、あるいはタック修道士(訳註:ロビン・フッドの仲間)であるかもしれない。

それはウィザードにも同じように作用する。私は標準的なウィザードを――博覧強記の――学者として想像する。しかし学者を盗賊に交換することで、私はウィザードから呪文書を盗んでから魔法を学んだ冒険者になれるかもしれない。あるいは、私は自分の財布を金貨で満たすために魔法を使う、ちょっとした呪文泥棒になれるかもしれない。

どちらの場合も私は本来のクラスでありつつ、決定でいい気にもなれる。これはどんなクラスでもプレイヤーが選択するどんな技能の組み合わせを持てることを意味するだろうか? DMが認める限り、そうだ。私は背景がいくつか違う方法で運用されるのを予想できる。

DM1:僕らは背景をまったく使っていない。これは無視してるんだ。

DM2:君のクラスが推奨する背景を使ってね。

DM3:君のキャラクターに合った背景を選んでくれ。これは君のクラスが推奨するものでも違うものでもいい。

DM4:君のキャラクターに合った背景を選んでくれ。君はその中の技能1つを他のものに取り換えてもいい。

DM5:技能4つを選んで君だけの背景を作って。

背景の方法論はテーマにもあてはまる。テーマの要点は、特技を与えるシステムだ。テーマを選択することで君のキャラクターができることをはっきりさせる。君のクラスには推奨テーマがあるが、私たちは君がさまざまな好みのテーマを選ぶことも考慮に入れている。ファイターに推奨されるテーマがスレイヤーで、ウィザードに推奨されるテーマはミスティックかもしれない。ファイターの場合、私はスレイヤーをガーディアンに変更することで、私はよりうまく味方を守れるだろう。ウィザードの場合、私はミスティックをルアカーに変更することで、より隠密行動に向くだろう。また、テーマはそれで縛ることなく、君の選択を特化することに役立つ。君はテーマによって得られる特技を別のものと交換するか、他のテーマから特技を混ぜ合わせて新しいテーマを作成することができる。そして背景と同様、DMは彼や彼女が非常に古典的なやり方を好むなら、特技をいじらないように申し渡すことができる。そうなれば、戦いは少し厳しいものになるかもしれないが、君はそれ無しでもちゃんと素晴らしいゲームをプレイできる。

君が1レベルで得るテーマは、君の唯一のテーマではない。私たちはあまり多くの選択を望まない人がプレイするものでさえ時間が経てば変わっていくものだと理解しているので、1回の選択で20レベル以上までのキャラクターの成長計画が決定されるようなものは計画していない。君が選ぶ最初のテーマはおおむね柔軟な描写をされたものだ。リーダー、シャープシューター、あるいはスカーミッシャーのようなものを考えて欲しい。君は6レベルで2つ目のテーマを得るが、君は基本テーマをもう1つ選択するかもしれないし、もう少しゲームの深い所に踏み込む上級テーマを選ぶかもしれない。現状の上級テーマは、第3版の上級クラスに似ている。それらは君のキャラクターを別のテーマによって築いてきた基礎をもとに、それを深く専門化したりキャラクターの特性を決めたりすることで、もう少し特化させる。私の頭に浮かんだいくつかの考えがここにある。シャープシューターはアーケイン・アーチャーに。テンペストはエルドリッチ・ナイトに。ルアカーはシャドウダンサーに。ミスティックはネクロマンサーやエンチャンターやアブジュアラーに。スレイヤーはアックス・スペシャリストに。ガーディアンはドワーヴン・ディフェンダーに。などなど。

私は君たちの一部が第4版で姿を現したテーマとこのシステムは食い合わせが悪いと考えているのではないかと推測しているが、それを否定しよう。テーマが第4版で提供した利益は特技、技能、クラス、そして種族から独立したものだったのはまぎれもなく、D&D Nextでのテーマは私たちのキャンペーン・セッティングのためにも同じ重さを持つことができる。ダーク・サン・セッティングからグラディエイターのテーマを取り出してみよう。私たちはそこで剣闘士の背景とウェポン・マスターのテーマと同じものを得られる。テンプラーはビューロクラットとテンプラーをあわせたテーマかもしれない(ソーサラーやウォーロックのクラスからは外れて)。サイオニクス好きに、私たちは簡単に目覚めし者の背景(ちょっとしたテレパシーを得られる)とワイルド・タレントのテーマを合わせて提示できる。そしてエレメンタル・プリーストは司祭の背景とセッティングにふさわしい領域毎のテーマ(雨、太陽、砂、火、土、などなど)を選ぶことで作ることができる。

ダーク・サンでうまく機能するのと同じくらい、それらはどんなセッティングでもうまく機能する。いくつかの例がここにある。

レイヴンロフト:神秘主義者+アヴェンジャー、一般人+ワーウルフ、あるいは遺族+レヴナント

グレイホーク:学者+ミスティック/ディサイプル・オヴ・テンサー、監視騎士団+ガーディアン、ブラックムーア人+アルケミスト

フォーゴトン・レルム:サーイ人+ミスティック/レッド・ウィザード、ハーパー+リーダー

プレインスケープ:君はダストマン、フェイテッド、あるいはハーモニウムを選択できる。

私はオプションのシステムとしてパーティの背景について考えていた。プレイヤーは彼らのキャラクターの背景を選ぶとともに彼らのパーティのそれ(傭兵団、盗賊団、巡礼の一行、カルト)からもボーナス技能を得られるかもしれない。パーティの背景は技能がかぶっているキャラクターにも恩恵があるかもしれない。たとえば、彼らがリソースを出し合うときに同じ技能を持つ2人のキャラクターがいればより大きなボーナスを得られるかもしれない。現状のこれらはまだ漠然とした考えで、まずは私たちが開発している基本の背景とテーマに絞らないといけない。私は上記のやり方が、最終的にプレイヤーが彼らの本当にプレイしたいキャラクターを作成するのに役立つものになると信じている。