ネコぶんこ


2013年06月10日 こうしてみると、キャンペーンの変更にも極端なもの、じょじょに行なうもの、適度なものといった種類があることがわかる。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『冒険者たちが冒険をしないとき(When Adventurers Aren’t Adventuring)』

マイク・ミアルス

この数週間、私は探検と交流について話してきた。また、私たちが冒険の合間に起こることのガイドラインに取り組んでいることも話した。この話題について私たちは多くの疑問点を抱えているので、セーヴか死のシステムは少々先送りにして今週はそのことに重点を置きたい。

この考えの裏にはD&D Nextの三本柱――交流、戦闘、探検――を確固たるものにして没入でき柔軟なゲームを可能にする意図がある。グループがひとつの柱へと集中することも素晴らしいが、ゲーム自体はキャンペーンの中で3つすべてが役割を果たせるようにしなければならない。これら3つの要素は君たちがダンジョンを離れても、大悪党を打ち負かしても、あるいは冒険の終わりがやってきてもなくなることはない。冒険らしい冒険の合間にも当然ながらゲームの可能性は豊富にある。いずれにせよ、グループがキャンペーンをより広い視野で考えられるようにすれば多くの可能性が生まれる。

これらのルールはプレイヤーが自主的に自分たちの計画や冒険の目的を練り、より豊かな物語のつづれ織りをゲームで創造することを目的にしている。システムのこの部分は、いくつかの点ですべてを結びつける。

まず、私たちはとりあえずこれらを余暇システムと呼んでいる。余暇システムは君たちがいつものような冒険に携わっていない間に起こることを担当する。このシステムは君たちが冒険をしていないときを休息期間、クラス能力の訓練、社会的な活動などにあてているものだとしている。さらに、君は毎週ひとつの特殊な仕事を選択する。この仕事は君がその週特に力を入れていることだ。君はその週にその仕事ばかりを行なっているというわけではないが、君の集中力と注意力がそこに注がれていることを表現している。

仕事の例をいくつか挙げてみよう。

  • たとえばプレート・アーマーや剣などのアイテムを作成する。
  • 日雇い仕事や職人仕事で金策をする。
  • 学問や上達するための職人仕事をする。
  • 社会的な人脈や味方を構築する。
  • 城、商店、神殿などの施設を建設、創始、はたまた管理する。
  • 君の部下を養う。
  • 軍を編成する。

私たちが構想している基本的な動きは以下の通りだ。仕事には4つの分類がある。それはこのようなものだ。

  • 影響:君が友人や政治的あるいは社会的な権力を獲得するための行動。
  • 経済:君がお金を稼いだり投資などの行動。
  • 知識:君が能力の訓練をしたり秘密を解明する行動。
  • 支配:君が部下や財産を管理するための行動。

いくつかの行動は1週間で終えられるが、より多くの時間が必要なものもある。背景で与えられる利益のすべてはこのシステムによって得ることができるが、それらを自家薬籠中のものにするには長い時間がかかる。冒険の合間に2ヶ月の時間を持っているなら、君は宝石職人に弟子入りして宝石加工の基礎を学び、いくらかの時間を大図書館で過ごして知識の幅を広げ、あるいは財産を増やすように運用することができる。

時間に加え、これらの行動のほとんどにはお金が必要になる。君はダンジョンで発見した財宝を商売や城、あるいは町での権力と影響力を得るためにつぎ込むことができる。ローグは1週間かけて波止場の宿で乱痴気騒ぎをし、町のその地域に住むノン・プレイヤー・キャラクターの数人を中立的から友好的に変化させるかもしれない。

君のいる場所は行なえる行動のほとんどを定義する。辺境の小さな共同体では地元への影響力を得たり町に住む老魔法使いの書庫で知識を深める機会が得られるだろう。また、君は冒険者や野伏と交流して町の周辺に広がる荒野やダンジョンについて学ぶこともできる。首都の場合、君が自分の公爵領を得たいなら帝国公書により所領を賜るため皇帝に取り入ることができる。

君が出発点として背景とこのシステムを連携させると、本当に面白くなってくる。君は貴族だって? それなら君は他の貴族たちと交流するための社会的地位を求めるプレイを始められる。君は何人かの貴族と仲良くなり、一方では敵を作る。職人なら店を持ち町でお金を稼ぐことができる。背景システムはダンジョン・マスターに彼らのキャンペーンのノン・プレイヤー・キャラクターが交流のシステムに従って友好的、中立的、あるいは敵対的だとするのに匹敵するものを与える。またそれはキャラクターが冒険以外で何かを行なえるように拡張されたオプションだ。これらのオプションは君たちのキャラクターが町で何かを行なう出発点になる。

余暇システムは――プレイヤーの誰かが次にやりたいことをひらめいたとき――次の冒険へ導入するのにも最適だ君のグループにいるウィザードのカナイアがスタッフ・オヴ・パワーをほしがっている? 十分な調べものをすれば、彼女はそれが遠くのダンジョンで失われた物語を見つけることができる。君のファイターのハイバーが三つの眼を持つ混沌の大司祭に復讐を誓った? 彼は棒を打ち、放浪者や冒険者と話し、そしてあの鬼畜の居場所と秘密の弱点を探ることができる。聖遺物を運ぶ巡礼の一段が行方不明になったら、グループに次の冒険を促す。

DMは余暇システムをキャンペーンを一旦止めて息継ぎしながら、キャラクターが世界と繋がりを持てる機会だと考えることができる。キャラクターが町を離れている間にドラゴンが暴れまわり、プレイヤー・キャラクターが友や彼らが購入し、改築し、そして利益をあげていた宿を失ったなら、より興味深いことになるだろう。

余暇システムはキャラクターがキャンペーン全体を通して目指す長期目標を提供することの助けにもなる。城の建築も、キャラクターがお金を節約しながら彼らに所領を与えてくれる貴族を見つけて信頼を勝ちえるように、1レベルから始められるようになる。システムでもっとも価値がある行為の多くは何ヶ月にも及ぶ時間が必要で、それらは複数のレベルと冒険にまたがったものになる。

システムのことを話すなら、私たちはキャラクターが地域で信頼されたり長期目標を提供する単純なルール群の整備を目指している。さて、君たちはこれらについてどう考える?

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。