2014年05月05日 [長年日記]
§ [DnD][DnDNext][LnL] 『特徴、弱点、束縛、そして(Traits, Flaws, Bonds, and More)』
D&D Nextは背景のシステムにより、君にクラスと種族の選択を越えてキャラクターに命を吹き込むことの手助けをする。過去の版で、このゲームはキャラクター作成のより“文芸的な部分”をそっとなぞるだけだった。それはしばしば人々が既にロールプレイがどんなものか知っていて多くの助言を必要とせず、そしてプレイヤーが戦闘、技能、そして魔法のシステム的オプションを集めたものを彼らのキャラクターと認識するためにほとんど助けがいらないものだと仮定されてきた。
2014年に発表される版のD&Dで、これらは変わる。RPGと呼ばれる多くのゲーム(特にビデオ・ゲーム)はロールプレイを要求しない、あるいは特に促進することはない。さらにいえば、D&Dを他の種類のゲームと異なるものにする独自の特徴を際立たせるために、私たちはキャラクター作成のシステムが関わらない部分、その面がどうゲームを形成しうるのかに注目した。
今週はキャラクターの背景で使われ、君のキャラクターの特徴、理想、束縛、そして弱点を作成する表を見ていこう。ここから例にあげるのは侍祭の背景だ。(この文章は君が最終的にゲームで見るものとはたぶん異なるだろうが、君にいい予測を与えられるよい例示のはずだ。)
d8 | 性格的特徴 |
1 | 私はある英雄を神格化して信仰を捧げ、いつもその人物の偉業や行ないを引用する。 |
2 | 私はこれ以上なく敵対する者同士に共通の部分を見出し、彼らに共感しながら常に平和への道を模索する。 |
3 | 私はあらゆる事件や行動の裏に予兆を感じる。神々は私たちと対話を試みていて、私たちはそれに耳を傾けなければならない。 |
4 | 私は楽天的な態度に辛辣だ。 |
5 | 私はほぼあらゆる状況で聖句やことわざを引用(あるいは誤った引用)する。 |
6 | 私は神殿の選良であり、贅沢な食事、酒、そして上流階級の世界を謳歌してきた。苦しい生活はとても不愉快だ。 |
7 | 私は私の神こそ道理をわきまえたあらゆる人が信仰すべきただひとつの神であると信じており、周辺を改宗させるために慎重に働いている。 |
8 | 私は外界で人々と交流する実践の経験がほとんどなく、とても長い間神殿で過ごしていた。 |
まず、背景は性格的特長の例を表として提供する。(以前、私たちはよいものと悪いものの特徴のために別々の表があるとも話したが、悪い特徴は君のキャラクターの弱点で決められるロールプレイの領域とかぶってしまう。)特徴はキャラクターに――覚えるのが楽で使いやすい――単純な要素を提供するはずだ。それぞれの特徴は君がテーブルでロールプレイするのを助けることに向いた、かなりわかりやすい手がかりを提供する。特徴はわかり辛かったり底が浅いものではない。私たちは目立つ例示を強く求めていたのだ。
d6 | 理想 |
1 | 伝統。古式ゆかしい信仰と生贄の伝統は守られ、支持されるべきだ。(秩序) |
2 | 篤志。私はどのような代償だろうとも、常に困っている人々を助けようとする。(善) |
3 | 変革。私たちは神々が世界へと常にもたらしている変化の先ぶれとなってそれを助けなければならない。(混沌) |
4 | 力。私は一日でも早く私の教団の位階で最上位までのし上がりたい。(秩序) |
5 | 信仰。私は私の神が私の行動を導いてくれていると信じている。私は信仰のためなら苦しい勤めもいとわず、それを成功させる。(秩序) |
6 | 熱望。私は自身が私の神から恩寵を与えられるにふさわしいと証明するために、私の行動と他者の教えを競わせる。(なんでも) |
理想は特徴よりも少しわかり辛い。君が特徴を戦術的な助言――君のキャラクターを一瞬で描写する手短な解説――と解釈するなら、理想は長期戦略となる。これらはキャンペーンが進む上で君のキャラクターをどう動かせばいいか、長期目標の設定を助けるとともに、さまざまな与えられた状況下で君のキャラクターの信念としてその考えを君に示してくれる。
多くの理想はキャラクターの属性という要素に関連づけられ、君が属性を選ぶことをそっと後押ししたり、あるいは君が既に選んでいるならテーブルの中で君を特定の方向へと向けさせる。
d6 | 束縛 |
1 | 私ははるか昔に失われた私の信仰に関わる古代の遺物を探している。私はそれを奪還したくて仕方がない。 |
2 | 私はいつの日か私に異端者の烙印を押した堕落した神殿の上層部に復讐する。 |
3 | 私は両親が死んだときに私を引き取ってくれた司祭に人生を捧げている。 |
4 | 私が行なうことのすべては私の神殿が庇護する民のためである。 |
5 | 私は自らが仕えている神殿を守るためなら何でもする。 |
6 | 私は異端と考えられている敵の破壊の手から聖典を守らなければならない。 |
束縛はキャラクターの理想と似ているが、それは君をキャンペーンの中にある特定の団体、人物、品物、あるいは場所に関連づける。理想は抽象的だが、束縛はキャンペーンの中の具体的な要素であり、キャラクターのすぐにつかみやすい部分をDMに提供する。うまくいけば、束縛はDMにキャンペーン中いくつかのアドベンチャーの導入を与えられるかもしれない。
d6 | 弱点 |
1 | 私は自分自身をそれより厳しく律しているために、他者に要求するものも厳しいものになる。 |
2 | 私は神殿の位階における有力者たちに、あまりにも大きな信頼を置きすぎている。 |
3 | 私の信仰を広げたいという願望は、時に入信を希望する者をやみくもに信頼させる。 |
4 | 私は堅物だ。 |
5 | 私は彼らが最悪であることを前提に異邦人を疑う。 |
6 | 私は一度目標を決めたら、人生の他のすべてを損なうほどそれに取りつかれてしまう。 |
とてもよくできたキャラクターは暗黒面――彼らの破滅の原因を示すかもしれず、あるいは強さと意志の力を試される重要なもの――を持つ。君の特徴と同じように、弱点は君がゲームの中で君のキャラクターをどう描写するのかを助けるものだ。DMがアドベンチャーを構想するときには、役立つ手がかりとしても活用できる。君が異邦人を疑っているなら、君たちのグループが偶然孤独なドルイドの見知らぬ領地を見つけたときに何が起こるだろうか?君はグリーン・ドラゴンに対して彼らと同盟することを選ぶだろうか、あるいは君は彼らが自分たちの原生林に迷い込んだ文明圏の人々を騙して殺していると疑うだろうか?
君のキャラクターの背景にあるこれらのロールプレイ要素は、君が君のキャラクターであるかのように思考することで、ゲームプレイの観点から“正しい”選択肢の外側へ踏み出すことを奨励し、ゲームをより面白くする。しかし、性格的特徴、理想、束縛、そして弱点がガイドラインに過ぎないことは心にとめておいてほしい。それらは君が君のキャラクターをどうプレイするかについて、君が望むときにだけ効果を及ぼす。私たちはランダム表をキャラクター作成時の軽いオプションとすることにとどめ、君のキャラクターのために君の考えを固めていく道しるべにする。
今日の結論は、これらの背景要素がロールプレイをより本能的に行なうことを助け、君がゲームをより堪能できるようにするより単純な道具ということだ。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。