2015年03月15日 [長年日記]
§ [Ludus] 『Gのレコンギスタ』「宇宙のカレイドスコープ」
フルムーン・シップで出撃を前にして交わされたマスクをめぐるバララとマニィの会話がなんとも色気があるし、やはり富野監督の描く男女関係だと感じたですぅ。
当のマスクはカバカーリーの由来を説明してたけど、黒いMSでだいたい予想はできてたけど聖地のカアバと守護神カーリーの合成語なのは、趣味が出てるですぅ。
その後ブリッジでのマスクとマニィの会話は、ジット団を軍人に憧れてるみたいだと看破したり、お互いの想いを確認したけど、ベルリと友達になることだけは拒絶するマスクには、今までの言動は自分を力づけるためではなくて本当にクンタラであることが重くのしかかっていたのだと理解できましたぁ。
ユグドラシルのテストでマスクをからかうバララは、こちらはこちらでマスクの気を引こうとしているのがキュートだったですぅ。
ベルリたちと法皇の会話では、カシーバ・ミコシやスコード教の神秘的な力が失われつつあることを暗示し、それを運行長官や総監も恐れていたことが語られ、場面が変わってアーミィから軍事基地化された第二ナットで法皇がぞんざいに扱われるところで実態が示された感じですぅ。
天才やミックと合流したときのアイーダは、ビーナス・グロゥブでの経験もあって指導者として成長しているところを相手の戸惑いで表現するいいシーンでしたぁ。その後、スルガン総監のところに行った天才がドレッド艦隊との和平に異議を唱えるも、疲れたドレッド艦隊を地球に下ろしてそこからは「自分で考えるんだな、少年」といわれたのは、天才が腹芸ではまだ成長の余地ありなところを見せられましたぁ。
ジュガン指令が戦場に出たがっているのを見て、地球人は腐りきっていると思うクンパ大佐はどこがどう動くかわかっている神の視点を持っているからこその傲慢さがいよいよ大きく出てきてるけど、加速に慣れず飲み物でむせる指令を見ると大佐のいうこともわかる暢気さだったですぅ。
出撃前に姫様が礼を言ってカーヒル大尉のことを忘れていいといったのは、最終局面に向けてついに最初のわだかまりが解消され、未来を目指し始めた雰囲気があったですぅ。また、ケルベスとリンゴがアサルトは牽制にも使える、守ってほしいと言って気持ちを転換させるのもみんながベルリを気遣っていることがうかがえたですぅ。
テンダービームを発射するバララは冒頭でかっこよくマニィに譲ったようにみえて心の底で蟠っていたものがパイロットとしてのプライドと混ざって爆発してしまい、マスクが戦場で嫉妬を見せると死ぬぞと心配したけど、案の定メガファウナ一行が突破して危機に陥ってしまったですぅ。
そしてG-アルケインのフルドレスに流されたテンダービームで撃沈しつつあるギニアビザウではドレッド将軍が使えるものはすべて使って本来の目的であるレコンギスタ、キャピタル・タワーから地球へ人を潜り込ませることを指示し「地球に降りれば願いは化ける!」という異なる環境を訪れれば新たな願いを生むことを示唆するような台詞を、まさに芽が出て樹に化けるユグドラシルのテンダービームがかき消す描写は意味の重ね合わせがうまかったですぅ。
ユグドラシルの爆発に巻き込まれ宇宙へ投げ出されてあっけなく逝ったグシオン総監は、これまでしっかりといい大人で、いい大人ではあるけど旧来型の人だということを描写していたからこそ、あのあっさりした描写で姫様の感じた衝撃と動揺に連動させた積み重ねのたまものだと感じたですぅ。