ネコぶんこ


2021年05月01日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:死体蘇生者(1~3レベル)

今週の小冒険はクトゥルフ神話要素を混じらせているですぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。ただし、一部のデータは私が自作したものなので、そちらの引用はないようにしてもらいたいですぅ。

また、現在イエローサブマリンさんに第5版用のアドベンチャー集『駆け出し勇者の小冒険』を1650円(税込)にて依託中ですぅ。さくっと遊べるシナリオをお探しの方は是非ですぅ。

冒険の概要

この冒険は1~3レベル程度のキャラクター3~5人向けの短時間で終わるアドベンチャーである。

ギザル村を治める領主のオルバットは、しばらく前に奥方を亡くして悲嘆に暮れていた。常ならばそのような嘆きは時が解決するものだが、彼は村を訪れた商人から買った“使い魔”と魔道書の導きにすがってしまった。

まず彼は行きずりの冒険者が退治したオーガを利用し、死者蘇生の実験を行なった。死体から生命の本質たる塩を抽出し、ふたたび命を与えたのだ。そして、その試みは成功してしまう。

オルバットは気をよくして、次は村の墓地に埋葬されていたヒューマンを利用して実験を行ない、これも成功させた。

しかしこの蘇生の儀式を村人に見とがめられ、オルバットは脅迫をされてしまう。彼はその村人を一度殺し、儀式で蘇生させて家に戻した。蘇生された死者は意識が混濁し、まともな状態ではなくなるからだ。

だが、オルバットが脅迫者を殺して蘇生させる様子を見ていた者がいる。彼女、リリディアンはなんとかその場で息を潜めてやりすごして町へと逃げ、頼りになりそうな冒険者を探すことにした。

キャラクターたちがリリディアンの話を聞き、ギザル村へ行ってオルバットを処断すればアドベンチャーは終了となる。

冒険への導入

キャラクターたちが冒険をしてひと旗あげようと町へ向かう乗合馬車に乗っていると、それをおいかけてくるハーフエルフの少女がいる。彼女が必死に何度も声をかけるので御者は馬を止める。

少女は荒い息を整えながら馬車に乗ろうとするが、キャラクターたちが冒険者の格好をしているのを見ると、そちらの方を向いてリリディアンと名乗り、ギザル村に化け物が出たので退治してほしいと頼み込む。

彼女は着の身着のままで村を飛び出しため、ポケットの中に8sp、5cpしか持っていない。そのため、報酬や財宝は約束できないと正直に打ち明ける。

御者は彼女に同情的で、キャラクターたちにひとつ頼まれるのはどうかと後押しし、同乗している者たちに、ここにいる者たちで手付け金を出そうじゃないかと声を上げ、70spをかき集め、冒険者たちに押しつける。

御者やリリディアンのデータは一般人のものを使うこと。

一般人

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:10

hp:4(1d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)

脅威度:0(10XP)


アクション

クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。

1.ギザル村へ

キャラクターたちがリリディアンの頼みを受けると、彼女は安堵して道案内をする。

ギザル村は馬車が通っていた街道から3マイルほど外れた丘陵地帯にあり、150人ほどが住んでいる。農業が主な産業だ。

リリディアンは道すがら、事情の詳しい説明をする。彼女は領主のオルバット様が村の与太者タックを殺し、それにまじないか何かをして灰にし、その中からタックを再び起き上がらせたと話し、領主様は気がふれたか悪魔になってしまっているのだと言う。

キャラクターたちが最近何かおかしなことがなかったか訊ねると、領主様は半年ほど前に奥方を亡くしてとても悲しみ、まともに村の仕事をするのも困難なありさまで、村から街道へ行く道にオーガが住みついて通行料を要求した時も何もせず、村人たちが通りがかった冒険者に頼んで倒されるまでほったらかしだったと言う。

2.村の探索

ギザル村では村人たちから聞き込みを行なうことができる。街道から大きく離れておらず旅人が休憩に訪れることも珍しくはないので、そこまで怪しまれることはない。

村には酒造りをするシゲックの家が酒場をやっており、頼まれれば1日2spで広間の片隅に寝かせてくれる。その他はほとんどが農家である。

村人から得られる情報は、領主のオルバットは半年ほど前に奥方を亡くしてふさぎ込んでおり、オーガが村を脅かした時も何もせずに村人たちが冒険者に依頼するまで何もしなかったことなど、リリディアンとそう変わりはないが、以下の情報も得られる。

奥方が亡くなりオーガ騒動も片付いた頃、オルバットは村に逗留していた旅の商人を館に呼び、長いこと話をしていた。

オルバットがオーガが住んでいた古い小屋の方へ歩いていた。

なお、旅の商人はとっくにどこかへと旅立っている。

3.オーガの小屋

ギザル村で聞いた情報を元にオーガの住んでいた小屋へ向かうなら、村から半マイルほどの場所にそれはある。

室内には壁や柱に斬撃や殴打の跡があり、冒険者とオーガが戦った様子が残っている。

この部屋は全体が何かほこりっぽく、粉末が漂っている。

難易度15の【知力】〈宗教〉あるいは【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、粉末はオーガから抽出された生命の本質たる塩の残滓だとわかる。

生命の本質たる塩とは、かつてある魔法の学派が提唱した生命体が死んでも体に残る魂の一部で、これを使いこなせば死者蘇生すら可能にするというしろものである。

4.墓地の外れ

リリディアンが見たタック殺害の現場である。ここでは難易度10の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、物陰に粉末が溜まっているのがわかる。難易度15の【知力】〈宗教〉あるいは【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、これも生命の本質たる塩の残滓だとわかる。

5.オルバットの館~使用人部屋

オルバットの館は年老いたハーフリングの夫婦が2人で使用人小屋に住み込んで働いている。彼らは先代から仕えているため、オルバットが怪しいことをしていると感づいているが、道義としてこれを告発できないである。

彼らにものの道理を説き伏せたり、脅して口を割らせた場合、オルバットはここ数ヶ月、食事以外の世話はいらないと使用人夫婦すら館を自由に歩かせてはいないと言っており、館の中でおかしな音がしているなどを話す。

使用人夫妻のデータは一般人のものを使う。

一般人

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:10

hp:4(1d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)

脅威度:0(10XP)


アクション

クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。

6.オルバットの館~本館

館の本館には、入口の近くに食堂や広間があり、その奥に領主の私的空間がある。奥の部屋に行くと、色々な薬品や埃が混じった臭いが充満している。

領主の部屋には、瞳にらんらんとした光を宿した領主オルバット(貴族のデータを使用)と、彼の使い魔であるブラウン・ジェンキン(ヒューマンのような顔をしたラットの怪物)、彼らに従う蘇生されたオーガがおり、その周囲には蘇生実験で蘇った者たち(一般人のデータを使用)が4人、寄る辺なく立っている。

キャラクターたちが踏み込んでくると、オルバットは何が起こっているかわからずに動転する。ブラウン・ジェンキンはオルバットにキャラクターたちが敵だと耳打ちすると、彼はオーガをけしかけて皆殺しにしようとする。蘇った者たちは積極的に動こうとはせず、立ち尽くしているだけだ。

蘇った者たちとオーガは蘇生の影響で消耗状態の4段階目にあり、hpはオーガが29、一般人が2、すべての能力値判定と攻撃ロールとセーヴィング・スローに不利を受け、移動速度が半分になっている。

一般人

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:10

hp:4(1d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0) 10(+0)

感覚:受動〈知覚〉10

言語:任意の言語1つ(大抵は共通語)

脅威度:0(10XP)


アクション

クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ。

オーガ

大型・巨人、混沌にして悪


AC:11(ハイド・アーマー)

hp:59(7d10+21)

移動速度:40フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
19(+4) 8(-1) 16(+3) 5(-3) 7(-2) 7(-2)

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉8

言語:共通語、巨人語

脅威度:2(450XP)


アクション

グレートクラブ:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[殴打]ダメージ。

ジャヴェリン:近接/遠隔武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィートまたは射程30/120フィート、目標1体。ヒット:11(2d6+4)[刺突]ダメージ。

貴族

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:15(ブレストプレート)

hp:9(2d8)

移動速度:30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
11(+0) 12(+1) 11(+0) 12(+1) 14(+2) 16(+3)

技能:〈看破〉+4、〈芸能〉+5、〈ペテン〉+5

感覚:受動〈知覚〉12

言語:任意の言語2つ

脅威度:1/8(25XP)


アクション

レイピア:近接武器攻撃:攻撃+3、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d8+1)[刺突]ダメージ。

リアクション

受け流し:貴族はそれにヒットした1回の近接攻撃に2のACを加算する。そのためには貴族が攻撃者を視認可能で近接武器を使用している必要がある。

ブラウン・ジェンキン

超小型・魔獣、混沌にして悪


AC:13

hp:5(2d4)

移動速度:20フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
2(-4) 17(+3) 10(+0) 12(+1) 13(+1) 5(-3)

技能:〈隠密〉+5、〈知覚〉+3

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉13

言語:任意の言語1つ

脅威度:1/4(50XP)


鋭敏嗅覚:ブラウン・ジェンキンは嗅覚を使った【判断力】〈知覚〉判定に有利を得る。

アクション

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ、および目標が小型サイズ以上の場合、ブラウン・ジェンキンは目標にかじりつくことができる。かじりつかれている目標はターン開始時に2(1d4)[刺突]ダメージを受ける。かじりついているブラウン・ジェンキンは拘束状態で噛みつきによる攻撃を行なえず、目標が移動するとそれに隣接するように移動する。このかじりつきはブラウン・ジェンキンのターンにアクションを使わず解除できる。目標がこのかじりつきを振り払うには、難易度15の【筋力】〈運動〉、あるいは【敏捷力】〈軽業〉判定を行なうこと。

結末

オルバットを倒せば、ギザル村をこれ以上怪異が襲うことはない。

オルバットを生け捕りにしたなら、奥方を喪った悲しみに負けた彼は、ユゴスなる地より訪れた商人に魔道書と秘薬のたぐい、そして助言者たるブラウン・ジェンキンを譲り受け、死者蘇生の儀式を行なってきたと告白する。

オルバットの部屋には彼が旅の商人から譲り受けた魔道書の写本や、魔法で使われる秘薬、薬品類、50gpがある。秘薬や薬品を町で売るなら500gpになる。

魔道書のデータは以下の通り。

フラグメント・オヴ・ネクロノミコン・タイプI

Fragment of Necronomicon Type-I/死霊秘法の断章・其の壱

その他の魔法のアイテム、レジェンダリー(要同調)

これに同調している間、君は宇宙の真理の断片を感得し、死者蘇生の儀式を行なえる。

死者蘇生の儀式には目標の完全な遺体が必要で、遺体を使って8時間を費やし難易度15の【知力】〈魔法学〉を行なうこと。成功すれば本質たる塩を分離できる。こうして抽出した本質たる塩に500gpの秘薬を費やして8時間の儀式を行なうことで、目標は5段階の消耗状態を受け、1ヒット・ポイントで蘇生する。目標は1週間ごとに難易度15の【耐久力】セーヴィング・スローを行なえ、これに成功することで消耗状態を1段階取り除ける。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。