ネコぶんこ


2021年10月01日 [長年日記]

§ [DnD][5e] D&D第5版の翻訳とWotCとGF9

Damp;D第5版(5e)の2021年予定製品の発売中止、ならびにホビージャパンからの販売が2022年6月までと告知されたですぅ。

この告知は残念なれど、じゃあなんでそういうことになっているのかを知り得る情報だけで解説するのがこの記事の眼目ですぅ。

ふまえておくべき事柄

そもそも5eが発売された2014年頃、原書の販売元Wizards of the Coast(WotC)は英語だけで展開すると告知し、外国のユーザは非常にしょんぼりしたですぅ。

その後もD&Dの非英語圏ユーザはせめてベーシック・ルールだけでもと私家版翻訳をしたりWotCにメールを出したりとファン活動を続け、それが功を奏したのかWotCの気まぐれなのか、2017年にはGale Force 9(GF9)というRPGやボードゲームの会社にWotCが翻訳関係の権利を依託し、GF9が各国の会社と提携して翻訳版を出すことになったですぅ。

つまり、今までの5e翻訳体制は、WotCが翻訳版を出すための権利をGF9に依託し、その下でGF9が各国語を監修する、WotCは直接関わらない体制だったですぅ。

2020年の訴訟

GF9による翻訳監修の下、日本ではこれまで通りホビージャパンが販売などを行ない、2017年から2020年の半ばごろまでは日本語版が出ていたですぅ。

しかし、2020年の11月に、GF9がWotCを被告として裁判を起こしたですぅ。

このときGF9は、WotCは2020年6月以降に翻訳についての許可を出さず、翻訳関係の契約を本来予定されていた2021年末ではなく2020年末に短縮する通告をしてきたと主張していたですぅ。

WotCはGF9の監修体制が満足いくものではなかったなどの主張をしたものの、裁判自体は2021年2月に当事者間で和解が成立したらしいですぅ。

2021年のグローバル展開体制刷新

裁判は和解したし2021年はどうなるかと思いつつ半年、6月11日にWotCはグローバル展開するための部署をWotC内に作り、これからは各国の代理店と提携して翻訳版を出していくと告知したですぅ。

しかしこれで告知されたのはドイツ語版、フランス語版、イタリア語版、スペイン語版で、日本語や韓国語のユーザは、あるぇーこっち方面どうなってるのーという顔になったですぅ。

そして今回の告知

そんなこんなで6月以降、日本語版はどうなるのだろうと思っていたら、今回の告知なのでさあどうなるかと心配にもなるですぅ。

WotCとGF9の翻訳契約は2021年まで残ってるし、それ前に翻訳関係を動かすと違約金みたいなものが発生するのかもしれない、ドイツ語版とかも前のは絶版にして出し直すから、今回のもそういうことなのかもしれないと前向きには考えたいけど、今後の報を待つしかないのがもどかしいですぅ。