2008年12月18日 自主規制の星 [長年日記]
§ [ALF][BRK] 2008年07月05日『白銀の翼』
いよいよ独自路線ぶっちぎり始めた『ブライト・ナイト』第三話ですぅ。
グリフィス・シュタゥク(男・16歳・ヴァグランツ1/キャバルリー1/ブライト・ナイト5):父親、マーカスからアームドギアと抱き合わせのパイロットとしてプリムローズに加入させられた少年。戦いの中で自らの道を見出せるのか。
マリア・ディープスカイ(女・15歳・ホワイトメイジ2/エイリアス3/ウィザード2):マーカスからウェストリ王国の継承者であると言われ、鷲獅子の指輪を託された少女。今回も本人に自覚が無いまま、周囲は勝手に踊っていく。
ミック・マルス(男・24歳・ファイター1/エージェント1/パンツァーリッター5):実は年齢を間違っていた元、G=M社のエージェント。戦士として、そしてヴィークル乗りとして、グリフィスを導いていく。
グレイヴ・ヤード(女・妙齢・アウトロウ5/ソーサラー1/ミッショナール1):元帝国軍のフィクサー。その人脈を請われ、プリムローズのハンス・ウィルマーが提唱する反帝国同盟の結成に暗躍する。
ノロ・ニライカナイ(女・22歳・ブラックマジシャン1/ウィザード5/オラクル1):帝国の侵略をなんとかするためにプリムローズへ身を投じたジョシュア島の時期村長。カイラス・グーデリアンとはアカデミーの同窓である。
アヤメ(女・??歳・ヴァルキリー7):マーカスに頼まれ、家族を護るためにプリムローズへ参加したヴァルキリー。若者たちを優しく見守りながらも、戦闘では黒と赤の鎧に身をつつみ苛烈に光と血の雨を降らせる。
反帝国同盟を結成したプリムローズは、ウェストリの建国王が使ったとされる天翔ける船を発掘し、同盟の旗艦にする計画を発動した。王に従った乙女がヴァルキリーとすれば、それはレリクスの戦艦。帝国の兵器にも充分に対抗できるはずである。さまざまな伝承をつなぎ合わせた結果、天翔ける船がかつて飛び立った地はノロの故郷、ジョシュア島の沖にある小島であることが判明した。そこは、ノロが物心ついた時には怪魚が島の周辺に現われ、渡ることができなくなっていた守り神の島。アヤメのメモリも、そこに何かがあることをおぼろげに告げていた。
この計画にはもうひとつ、守り神の島がミーティアと同質のものなら存在するはずのバーサーカーから完全な制御ユニットを入手、解析し、アームドギアの量産体制を整えることも含まれていた。マーカスはグリフィスに制御ユニットを持つバーサーカーを特定するレーダーを渡し、挑発とも取れる言葉で任務を命じる。
グレイヴはハンスから、G=M社からの協力者としてジール・ベルクに引き合わされ、盛大に朝のコーヒーを噴き出した。何しろ、彼はかつて暗黒街で“貌無し”ダルクと恐れられていたアウトロウだったからである。しかし、お互い脛に傷持つ身。服を着替えて顔面筋の体操について講釈を垂れるハンスが来たのを機に、お互いアウトロウの貌を隠した。
G=M社の案内人、ジール・ベルクと港で打ち合わせをしていたミックは、その様子を心配そうに見守るジールの恋人、エレンに気づいた。彼女は恋人が危険な仕事に身を投じていることを嘆いて膨らみ始めた腹を撫で、任務が終わった後の食事にミックを誘う。この辺りでプレイヤーからエレンが死神呼ばわりされるが、GMはシナリオに書かれていた内容を忠実に読み上げていたにすぎない。
その頃、ゾンバルト将軍は西部方面軍主力ごと本国に召喚され、ウェストリ基地にはアイン率いる銀十字軍が駐留した。それにあわせ帝都グラズヘイムのG=M本社でも社内クーデターが発生、パトリック・ウォンが幽閉されてしまう。
そんなことをつゆ知らぬパーティは打ち合わせでマーカスが言っていた通り、アームドギアが発する信号で聖地付近を泳いでいた潜水型バーサーカーの監視を潜り抜け、遺跡に到着。マリアに反応するかのように開いたミスリルの大扉をくぐり、遺跡へと潜入した。
その様子を見届けたジールが通信機を操作すると高高度から帝国兵が降下し、扉を爆破して中に入る。彼らと共に降りてきたのは、帝国にこの遺跡についての情報を提供したノロの叔父だった。
バーサーカーと戦いながら遺跡を進むパーティは、謎の文字で綴られた銘板を見つける。それは、あのウェストリにあるはずのミーティア竣工を記念して彫られた物だった。
しかし、なぜそういう物がジョシュア島の地下にあるのかといぶかしむ暇も無くノロの叔父率いる帝国の部隊が現われる。戦闘になるが、全員これまでの戦いで強くなっていたこともあり、さしたる被害もなく撃退したかに見えた。しかし次の瞬間、ノロの叔父がその身体を爆散させる。
最後に残っていた追っ手は、ジールだった。罠をかわされた彼は生身でパーティに立ち向かうが、敗北。エレンのためにも社内のクーデターに合わせてもっと上を目指していたと語る彼に、プレイヤーたちは爆笑しながら次の挙動を見守る。すると、遺跡の奥から《フレイヤ》で放たれた光線がパーティもろともジールを灼こうとするが、ミックがそれを《エーギル》で切り払う。曰く、「お前は死に急ぎすぎた。そういう奴を見てると逆らってやりたくなるんだ」
放たれた光線のことも気になりつつ奥へ向かうと、そこにはレリクスによる認証システムが設置されていた。マリアが指輪を乗せると、システムは彼女を“支配種”と認めて扉を開く。そこにあったのは戦艦の艦橋らしき部屋と、ひとりコンソールに繋がれているヴァルキリー。彼女はアヤメとマリアを確認すると、目を開いて言葉を紡ぎだした。
「久方ぶりです、お姉様。そして支配種の末裔よ、ようこそ。第四世代型次元間航行用超弩級戦艦都市ミーティア、第三艦橋へ」
艦橋に繋がれていたヴァルキリーは自らをスミレと名乗り、ノロたちジョシュア島の住民が聖域と呼ぶこの島がラグナロクで破壊され、地上へ不時着するとき切り離されたミーティアの第三艦橋、そしてマリアたちウェストリ王家の始祖はミーティアの主にしてヒトを造りし神、ロドウルがヒトを導くために造った支配種の末裔であると説明する。
だが、その説明に驚く間も無く海底遺跡に爆発が轟く。十年ほど前から制御不能となっていたバーサーカーが、その制御に全リソースを傾けていたスミレの覚醒によって暴走を始めたのである。レリクスの心得のある者が隔壁を閉じて時間を稼ぐが、一部は既に進入しており、艦橋内に光の雨を降らせる。その姿は、まるで巨大な黒のアームドギア。驚くパーティにスミレは言う。バーサーカーもまた、ヒトを造る途上に創造されたヒトの可能性であると。
それがヒトを模して造られたアームドギアに似るもまた、自明なのか。白いアームドギアと黒いバーサーカーが対峙する。
無数の小型バーサーカーをけしかける黒きバーサーカーにマーカスの装置が反応し、制御装置の存在を示す。小型機の壁をノロの魔術やアヤメのレーザーアンブレラ、ミックのパンツァーが薙ぎ払った隙を突いて、グリフィスが懐へ飛び込んで制御装置を引きちぎった。
制御装置を失ったことで増援は途絶え、巨大なバーサーカーも破壊されるが、艦橋のコンソールはさらなる増援を示していた。アヤメとスミレは頷きあい、同朋の墓標でもある遺跡を放棄することを決意する。
艦橋からの直通通路で無数の戦艦が吊るされた格納庫へ急行し、スミレのバトルシップ“オサフネ”のヤシマ刀を模した衝角で隔壁を突破し、パーティはミーティアの第三艦橋を脱出した。
その少し後、帝都グラズヘイムの裏路地にミックの姿があった。足下には切り倒されたエージェントたち。そして、対峙しているのは粗末な椅子に拘束されたパトリック・ウォン。
「その様子だと、罠は乗り切ったみたいですね。連絡できなくて申し訳ない」
「あんた、そもそも狙ってたんじゃねえのか」
だが、その答えはいつもの曖昧な微笑にはぐらかされる。
グレイヴはハンスと今後の方針を協議し、アヤメは妹との数百、数千年ぶりの再会を懐かしむ。そして、アームドギアの前で今後について話すグリフィスとマリアの前に、マーカスが整備のためにやって来た。
「これでアームドギアは量産体制に入る」
そのまま父は息子に目を合わせず、続ける。
「ご苦労だった。もう、降りてもいいぞ」
息子も父と目を合わせず、そのまま格納庫を出る。
一方、ハンスを伴ってカイラスの病室を訪れたノロは、そこでカイラスの記憶と自分たちの記憶に齟齬があることに気づく。
カイラスは二人が持っていない、アカデミーに“灼熱の”アインが居た。という記憶を持っていたのである。
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