ネコぶんこ


2012年06月18日 園を開けて輝かしき薔薇を見る方法、薔薇が増殖して千倍の果実を結ぶありさま、さらには屍体を再び出現させ、不完全な躰に入り込み、その躰を浄化させ、完全な永遠なものにする力によって、不死の生をあたえる方法。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『D&D Nextでのモンスター・デザイン、その2(Monster Design in D&D Next, Part 2)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

先週、私は私たちがどうやってD&D Nextのモンスター・デザインに取り組んでいるか話した。また私は君に基本的なデザイン・コンセプトに関わる要点をいくつか紹介した。今週の記事ではより大きな視野でモンスターを見ることと、君がそれらをゲームの中でどう動かしていけるのかということに言及する。より重要なのは、それがあるデザインの領域から他の場所へ影響を及ぼす光を放つことだ。たとえば、私たちのモンスター・デザインは、私たちが作業中の戦術的なルール・モジュールともいくつかの分野で相互作用している。

力は数にあり

まず最初に、数値的成長が平らになったことはモンスターが流行遅れにならないことを意味している。この方向性は君がレベルを上昇させても、数が増えた弱いモンスターを使って戦えることを意味している。私たちはいくつかの理由によってこの方法に落ち着いた。

  • 君はパーティにぶつける敵のレベルを絶えず上昇させたり、より高いレベルのものを探さなくてもよくなるため、DMの仕事が楽になる。
  • これはD&Dの歴史、特にAD&Dの出版されたアドベンチャーにおいて悪の人型生物の大群が特徴となっていた時、有効に働いてきた。
  • それはより世界を構築しやすいものを提供する。8レベルのパーティを脅かすことのできるオークの戦団は、町の略奪をするには数が足りない。グレート・ワームは町を攻撃して破壊することができるが、町の衛兵がカタパルト、バリスト、そしてクロスボウの集中砲火をそれに加えれば、死の危険がある。私たちは雑兵が強力なモンスターからやられることはいうまでもないが、一矢報いる機会すらない世界を避けることができる。
  • もっとも重要なのは、私たちがそれらの群れたモンスターをかなり単純にできるということだ。君が多くのそれらと戦うから、それらには少しの特殊能力か、あるいはまったく持っていないかもしれない。

複雑さを操る

これの最後の点についてはおそらく一部が眉をつり上げるだろう。私が第4版で好きな部分の1つに、人型生物モンスターの扱い方がある。それらは物語と世界での立ち位置だけではなく、戦闘の間にどうプレイされるかについても明瞭になっていた。ゴブリンは転げるようにキャラクターから逃げ、ノールは飢えた集団が群がるなど。

私たちはすべてのクリーチャーに特殊能力を持たせるよりはむしろ、それらの能力を族長、まじない師、その他の指揮役へと移動させた。指揮役を欠いたノールの部隊は基本的な戦術で戦う。まじない師はイーノグフに冒涜的な祈りを捧げ、ノールはデーモンのような残虐性で攻撃してくる。彼らは狂った獣の群れのように群がり、牙と爪でキャラクターを倒すために協力する。私たちがこの方法を選んだ理由を見てほしい。

  • それは低レベルから始まって成長するごとにDMが戦闘に出したいモンスターに合わせ、一定の穏やかさで複雑になる。
  • それはキャラクター・レベルに比例し、私たちはより強力な人型生物の指揮役や勇者を作成できるようになる。
  • それははっきりとした戦術の方向性をプレイヤーとDMに提示する。DMは彼ら人型生物の指揮役の守り方を知り、プレイヤーはまず指揮役の種別を見れば何を求められるかがわかる。
  • それはまた悪の人型生物種族から特徴を取り出すのにもいい仕事をする。多くの場合、彼ら最大の脅威は強そうな姿の中に強そうな力を備えている。
  • クリーチャーの物語と背景がそれを要求する時、私たちは特殊能力を割り当てる方法についての例外も許容する。最弱のドラウだろうが、多くの魔法能力を持っている。私たちがこの目標を達成するために能力を外すことはない。

私たちは人型生物にこの方法を使うことについていくつかの考えがあり、プレイテストのフィードバックによりそれを支えられている。戦闘の速度はD&D Nextのルールでもっとも人気があるものの1つという結果が出たため、私たちはこれからもそれを保ち続けるようにしたい。

この方法は私たちのコア・ルールのためにいくつか興味深いことを示唆している。まず最初に、私たちは近接戦から逃れるための単純なルールを加えそうだ。そうすることでオークやゴブリンの軍勢が彼らの司令塔をより簡単に守れるようになる。2つめは、戦術的なルールのモジュールに、槍衾、盾の壁など、人型生物の軍団が使えそうな戦術に関するルールを盛り込むこと。君はモンスターを小さな戦術単位としてモンスターの部隊を使うことがもう少し強調されるのを見るだろう。小さな戦術単位もまたプレイの速度上昇のために動くことができ(DMは6体のホブゴブリンに戸口で槍を構えさせるより、1回のアクションで解決すると決定できる)、より戦術的な楽しさが出る。

人型生物以外のモンスター

オークやゴブリンとは対照的に、君はキャリオン・クロウラーのようにより厄介なものも予想しているだろう。特に、単独行動するクリーチャーは一般的に、敵から身を守るためにより多くの能力と特殊攻撃を持っている。

ほとんどの場合、私たちはクリーチャーの伝統的な能力にこだわっている。先週のフック・ホラーは良い例だ。基本のステータス・ブロックはその特殊能力の中心部を意味する。それに加えて、私たちの目標の1つとして彼らの高い能力値、サイズなどを増強することになる、モンスターが行なえる特殊行動の汎用的なセットを作成することがある。

たとえば、踏みつけ、投げ飛ばし、そして突き飛ばしのようなものがどんなもんスターでも修得できる戦闘動作として存在して戦術的戦闘モジュールで使えるようになる能力があるかもしれない。フック・ホラーに投げ飛ばしの能力を書き込むよりはむしろ、DMはそれを遭遇のデザインとしてそれを使ったり、戦闘になってから即興で作ることができるようになる。この目標は、ミニチュアを使わないプレイをするグループや重要なモンスターとの戦いをグリッドで行なうグループが、コアのモンスターをそのままにできるということだ。戦術的な戦闘と詳細を愛するグループではそれらを加えることで、DMはより自由で柔軟性のある予想外の戦術をパーティにぶつけることができるようになる。

発表

最後は注意になるが、私たちが先週フック・ホラーに使った書式は決して最終的なものではない。プレイテストでのステータス・ブロックも同様だ。私は第4版のモンスターへの方法論からいいとこ取りし、DMが読みやすくテーブルでの進行が楽な書式を見てみたい。個人的に私は、簡単にそのクリーチャー固有の能力を1つ選べるようなアクションの一覧を見たい。

さらに、私たちが以前行なったいくつかの投票によってMonstrous Compendiumの書式がいまだにモンスターを表現する人気の方法であると示された。私たちはクリーチャーについての物語や情報をもっと多く、特に彼らは戦い以外での特殊能力によって彼らが世界でどういう位置を占めているかなどを、面白い物語の可能性を提供するために含めるよう立ち戻りたい。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dリサーチ・アンド・デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。