ネコぶんこ


2012年09月17日 消えてしまう。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『Nextでのマルチクラス(Multiclassing in Next)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

この夏、R&DチームはOrigins、Gen Con、そしてPAXなどのコンベンションで多くの人と接する機会を持てた。講演やとりとめのない会話の中では、マルチクラス・キャラクターのルールについての話が何度か出てきた。そこで私は今日のこの時間、君たちに私たちが思いえがくそれらのルールが目指すところを解説しようと思う。

まず、私たちはマルチクラスのルールをオプション・システムだと考えている。私たちがデザインしたいくつかの背景と専門化は、キャラクター・クラスの組み合わせを軽い雰囲気で行なうためでもあった。これらのデザインはクラス同士を混ぜ合わせるほどの深さは持っていないが、そうすることでキャラクター作成の速さを上げ、ゲームを比較的容易なものにできる便利な基準点だ。私は驚くほど多数のゲーム・グループがマルチクラス・キャラクターを許可し――私たちが主催する組織化プレイのキャンペーンでもマルチクラスがオプションとして採用される――と確信しているが、それでもシステムはそれらをキャンペーンで使うか否かはDMが選択するものであるとする。

ふたつ目に、私たちは第3版をマルチクラス・キャラクターの手本にしているからだ。この方法の中で、君はレベルを上昇させられるならいつでも、どんなクラスでも(君がクラスが持っている必要条件を全部満たしていれば)望み次第でレベルを上昇させることができる。しかし、このルールは少し違うのではないかとも思われた。まだルールについての作業に取り掛かっておらず、プレイテストの準備ができるまで二転三転することを前提に読んでほしいのだが、私たちはそう見立てている。

君はあのマルチクラスのルールでは、1つのレベルを上げ続けて能力を得ていくよりもクラスの強い能力をいくつか組み合わせるほうに走ることを考えるだろう。ほとんどのキャラクター・クラスは低レベルにその特徴的な能力を持ち、君がそのクラスをプレイするのに必要な基本的能力をすぐ手に入れられる。君がマルチクラスですべてのクラスを1レベル得られるなら、いくつものクラスから幅広くつまみ食いをするだろうし、君本来のクラスを強化するために1レベルだけ別のものを得るだろう。

こうしたキャラクター作成の原因となるふるまいを、私たちはクラスのデザインよりもむしろ、クラスごとに代替の成長表を準備することで対処しようとしている。マルチクラスのルールがルールブックの1章を占めていて、そこではすべてのクラスに標準のクラスとは異なる表とルールが紹介されていると思ってほしい。

このやり方でさらに得られる効果に、君が新たなクラスを得るとしたとき、私たちは君の現在レベルに見合ったものへ調整できる点がある。たとえば高レベルの魔法を使うクラスが本来のクラスのレベルを得る替わりに1レベル呪文をいくつか得ても、それはかなり貧弱なだけである。私たちはこの瑕疵をもう少し使える力を与えられるようなルールとして構築することができる。

最後に、マルチクラスをするルールはオプションであり、手本とした第3版のマルチクラスは上級クラスの概念とも密接な関係にある。私は組織、秘密、謎などキャンペーン・セッティングの要素を反映するための道具としての役割を強化し、上級クラスをゲームに復活させたい。それらの前提条件に古の書物を見つける、ギルドに加入する、あるいは儀式を完遂するなどの物語要素を含め、それらが本当に上級であるという感覚を持たせたい。これらがDMの判断で使えるようになるオプション・ルールであることを君は予想できるだろう。

以上が私たちが考えているマルチクラス・キャラクターの概要だ。私たちは第3版の柔軟性を持ちながら、キャラクターの公平性を保ち、君のキャラクター構想やキャンペーンで起こった出来事をもとにクラスを混ぜることができるものを届けるのが理想だ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。