ネコぶんこ


2013年02月25日 坑道や秘密の抜穴など、こういった舞台では紙に地図を書いてゲームを進めるという方法を考えたのである。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『今週のD&D(This Week in D&D)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

先週は面白いD&Dができた。私がこの土曜日に行なったゲームは、尺を短く調整する必要はあったが成功だった。私は最初小規模なキャンペーンを一日で行なおうとし、小さな城での大規模戦闘を中心に据えた。最終的に大規模戦闘をイベントの目玉とすることになったが、それは私たちをゲームに8時間釘付けにすることに充分すぎるほどだったということがわかった。君がツイッターで私――ハンドルは@mikemearls――をフォローしていたなら、君はオークの軍勢が城の守備隊に飛び掛かる様子の実況を追うことができただろう。

私が特に満足したのはヒル・ジャイアントやジャイアント・スケルトンのようなモンスターが私の想像した役割をゲームで演じてくれたことだ。オークは生きた破城槌としてヒル・ジャイアントを雇っている。彼は数ラウンドのあいだ凄まじい一斉射撃と密集陣形の戦士が繰り出す槍衾にさらされて倒れるまで、城の防衛部隊をなぎ払い続けた。ジャイアントは充分な脅威を与えつつ、それでも倒されやすい感触を得た。そうした強力なモンスターがD&Dの世界でどう動くのだろうかという私の考えにそれは合っていた。彼らは戦いの流れを動かすことができるが、孤立したり分断されることがあれば、敵はその圧倒的な物量で彼らを圧殺することができる。

その傾向はキャラクターも同じで、もっとも危険な瞬間は孤立したキャラクターがオークに囲まれたり、オークの突然の反撃に襲われたときに起こった。ひとりの英雄は多くの弱い敵を倒せるが、無数の危険要因を抱え込むことになる。

作業中

先週は次のパックが内部向けに公開された。私たちは公開する前に原稿を内部のグループと選ばれた外部テスターで内覧する。最新のパックには他のクラスに加えてドルイドが加えられ、仕事場では役割とクラスについていくらかの議論が引き起こされた。

会話型RPGでの役割というものは、役割を選ぶという言葉が君のゲームの中で非常に多くの意味を持つためやや慎重に扱わねばならない。DMとゲームのグループは彼ら自身でキャンペーンの雰囲気と焦点を決めることを好み、デザイン・チームが決めたどの役割もプレイヤーがゲームでやりたいことに合わない可能性もまったくありうることなのだ。それは私たちがキャラクターがもっともやりそうなことに注意を向けないということではない。

戦闘を例に挙げよう。すべてのクラスには戦闘に参加できる可能性がなくてはならず、私たちが攻撃ボーナスをできるだけなだらかにしようと努力しているのは、ほとんどのキャラクターが攻撃を通して最低限の貢献ができるように意図してのことだ。どんな攻撃呪文も修得しなかったウィザードですらまだ遠隔武器攻撃を半人前の実力で行なえる。

私たちの技能への取り組みもまた同じ方法である。君が技能システムによって得られるボーナスの上限を設定することで、私たちはほとんどの難易度を10から20の間にとどめられた。不可能に近いが、ボーナスを持たないキャラクターでも最高難易度に成功する可能性もある。

この方法は基本的なことがらでものをいうが、より専門的な能力についてはどうだろう? 治療のようなことの場合、君が高度な治療の能力を持っていると考えるクラスのすべてが似たクラスと同じだけできなければならない。このように、クレリックとドルイドはこの段階で平等である。同じようにパラディンもまた回復の専門家である。

私たちはこうした方法をファイター、モンク、そしてバーバリアンのような武器を扱うキャラクターのときにも使った。それらはすべて基本的な戦闘能力の成長は同じようにコアで定めた割合で、それぞれのクラスには独自のシステム(武技、氣、そして激怒)を加えている。

回復についてもう少し

先週、私は回復について書いたが、コアの回復ルールとして挙げられた考えについて個別に追記しておこう。私の好みはレベルごとに1ヒット・ポイントを1時間の完全な休憩で回復させるような、単純に少しだけ回復させられるようにすることだ。8時間の休憩でほとんどのキャラクターは大部分のヒット・ポイントが回復する。

このルールの美点はとても簡単に君のキャンペーンに合うよう改変できることだ。君はただ回復の速度を上げたり遅くするだけでいい。君のグループにクレリックが不足していて君が多くの戦闘を行ないたいなら、君は回復を5分間隔に設定すればいい。より危険なキャンペーンのためには、回復の進行速度を4ないし8時間ごとにしよう。数値をひとつ変えるだけで、君はゲームの雰囲気と感覚に重大な変化を与えることができる。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。