ネコぶんこ


2013年03月04日 しかしながら、ロールプレイング・ゲームのほんとうの性格を考えた場合、ルールは短すぎるものであり、また長すぎるものでもある。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『今週のD&D(This Week in D&D)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

D&DのR&Dを担当している人物がこういうのはおかしいかもしれないが、あえていおう。私たちはコア・ルールの整備を終わらせたらシステムへさまざまなものを追加することをそれくらいでやめ、物語へと軸足を移したいと本気で望んでいる。

D&Dは共通言語だ。ルールはゲームについて語ることを容易にし、何かを行なうことを助ける。それらは抽象的な概念を具体化してそれらにはっきりとした意味を与える。“5レベルのウィザード”といったとき、私たちはそれが何をできどんなものか理解できる。私たちはD&Dをプレイするからそれを知っているのだ。ゲームをプレイした経験がない人はまったくわからない。

それを使う全員に効果的な会話を可能にさせてこそ言語はきちんと機能しているといえる。もし私がキャラクターを“もっとも重要なコマ”と表現しても、君たちには通じない。私のキャラクターが何を着て、彼がどんな種類の武器を装備して、そして彼がどんな特殊能力を使うか君には想像できるだろうか?君たちのどんな答えも純粋に推測でしかない。

クラス、キャラクターのオプション、そしてその他ゲームにあるすべてを構築するときに私たちがそれが意味するものと君たちからの反響を気にする理由はそれだ。そういうわけで、私たちはたとえば専門分野と背景をゲームのルールをまとめる道具として採用した。《速射》と《精密射撃》は実際には明確ではなく抽象的なものだ。君たちはそれが何なのかわかっていなければ理解できない。それらは単体で意味を持っておくことができない。だが、君のファイターをアーチャーと呼べば誰でも意味が取れる。君のキャラクターは弓を使う。それはアーチャーという言葉によって自明だ。細かいところについては学ぶ必要があるが、ファンタジーの原型の中から一般的なものを想起できる。

この仕掛けはわかりやすい一覧がばらばらの一覧よりも簡潔なところにある。これは挑戦だが、やる価値はある。現実的に考えて、《速射》をしたいからD&Dをプレイし始めた人はほとんどいないだろう。君たちは射手、あるいは神出鬼没の盗賊などをプレイに求めていただろう。私たちの全員が慣れ親しんだもっともわかりやすい要素はゲームの外、神話や物語の中にある。

このコインの反対側では新たなルール・システムを意図的にできるだけ減らすことで、私たちが作成するものにより多くのプレイテスト、デベロップ、そして気をかけられるようにする。君がアーチャーのオプションを望むなら、それはよいオプションでなければならない。君がそれをする二度目の機会はないのだから。

そして、それこそがゲームのルールを拡張するときの基本的な哲学となる。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。