ネコぶんこ


2013年03月11日 もしルールが不十分なら、プレイヤーはその基盤となる世界の理解と、さらなる推論に時間を費やさなければならない。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『今週のD&D(This Week in D&D)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私がこれを書いている金曜日には、Emerald City Comiconがある。D&Dの仕事ですばらしいことのひとつに、ゲームをプレイする人には面白い人が多いことがある。フェリシア・デイが会社を訪れ、私たちは速報ポッドキャストのために席へつくことができた。私が自慢しているか? この話が重要か? どちらもそのとおり。フェリシアのGeek & Sundry Networkは3月30日の土曜日に国際卓上の日(International TableTop Day)を企画している。卓上ゲームの作り手として私は君たちにゲームを手にするよう訴えるべき立場にあるため、何人かの友人を集めて参加することになっている。ゲームは楽しみだ。それをみんなと共有してほしい。

適材適所

これはあらゆる軍が最後の戦いへ備えるための格言だ。既に行なった変更のためにもはや機能しないかもしれないシステムやゲームについての仮定に固執しがちな点で、ゲームのデベロップには似たところがある。たとえば、私たちはD&D Nextで魔法の呪文を選択を以前の版よりもゆるいやり方にしている。もし君がD&D Nextで間違い――君がファイアー・エレメンタルの群れに囲まれているのに傷つけることができないバーニング・ハンズの呪文を準備してしまった――をしでかしても、君はいつでもその魔法をアシッド・アローとして発動したり、レイ・オヴ・フロストのような初級呪文に頼ることができる。

この点において、私たちの呪文デザインは過去によく機能した哲学を踏襲している。私たちはそれらのように呪文を融通がきいて広く役立つようにしようとした。同時に私たちは何にでも使える呪文は望ましくなく、呪文が状況にきちんとかみ合うべきだともした。はたしてD&D Nextのテストでそれは明確なものとなり、私たちは呪文をより特化できる余裕を持てるようになった。

たとえば、現在のテストでフォグ・クラウドは君の敵の視界を遮るが、君と君の味方には影響を与えない。私たちは現在これの使いどころをもっと厳しくし、より使いどころで悩まないように変更しようと考えている。私たちは呪文をもう少し単純で効果をすべてに適用できるようにするだろう。君は仲間にも影響が及ぶようならフォグ・クラウドを使おうとしないだろう。それが嫌なら、君は何か別のものを発動することができる。フォグ・クラウドを準備しても、他の呪文を使う能力が使えなくなるわけではない。

この方法はプレイテストの長所のひとつだ。新たなルールのゲームを公開して1週間後にひどく複雑だったり壊れた呪文が古い前提と関係していたことがわかることほどいらいらすることはない。

オプションの管理

私たちはヒット・ポイント以外何も得るものがない死にレベルと、キャラクターの能力が積み重なることで生じる複雑性をどうするかについても話した。この議題は単純なオプションから複雑なそれへの移行を管理する面において非常に重大で、それは君がどんなキャラクターをプレイしたいかに基づくものだ。

私たちは現在、新たな能力を加えるか既存のものを強化する機会を与えてクラスに少しづつ手を入れていくようにすることを考えている。たとえば、君がファイターなら新たな武技を修得するか既存のものを強化するかを選択するというふうにだ。ファイターの武技の命中率を上げ、より大きなボーナスを得るように強化することができる。

この変化は小さいが、それはシステム曲線が受け手のやりたい事に合わせるのを助ける。これはまた、キャラクター・レベルを持ったノン・プレイヤー・キャラクターの管理をとても簡単なものにする。君はモンスターを修正したりNPCを作成するためにある出版用アドベンチャーやクラス使用ガイドラインが、本当に最低限で機能的なキャラクターを作成できると予想して構わない。たとえば、NPCのウィザードは呪文を3つだけ準備するかもしれないが、それらの呪文がレベルなりに強化されて発動するなら、君のNPCが弱体化したことにはならない。

さらなる複雑さの追求

より管理を簡単にすることの話をしたが、複雑さは私にとって大きな問題だ。私はテーブルでD&Dをプレイしてみようとしてあきらめてしまった人たちの話を非常に多く聞いている。私たちは多くの人が教えてくれる誰かを見つけることでD&Dに飛び込んでくることを知っているが、なぜそれが本当に必要できないゲームをデザインできないのだろう? 熟練のプレイヤーによる手ほどきなしでみんながゲームへ簡単に飛び込むことができ、単純なゲームから複雑なものへと移行できるようにするのは、デザインで重要なところだ。クラスと種族についてのプレイテストが終わった後に私たちが向かう先にあるのは、そういう巨大な課題だと君たちもわかっているはずだ。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。