2013年03月28日 他のキャラクターやそれを演じるプレイヤーのことをよく理解しておけば、彼らの行動のパターンや意図がわかるようになり、自分自身をグループの要とすることもできる。 [長年日記]
§ [Ludus] 『獣旋バトル モンスーノ』
先日二クール目を終えて新展開に入る『獣旋バトル モンスーノ』がここのところ妙に気になっているので、今日はその話をぐだぐだと書くですぅ。
『モンスーノ』のあらすじは謎の力モンスーノエナジーを浴びて変異した動物、モンスーノを操り、モンスーノの力で世界の覇権を握ろうとする特殊部隊や悪の科学者と戦いながらモンスーノエナジーの謎を追う、ホビーバトルもの作品として基本的な構図ですぅ。ただ、その戦いはといえばモンスーノを操る人間を直接攻撃することから始まり、敵にモンスーノを出す暇を与えない、そもそもモンスーノを使わずに戦うなど、敵味方を問わず小賢しい視聴者が考えそうな作戦で状況を動かし、破天荒で飽きさせないつくりになっているですぅ。
こうしてモンスーノ以外にも銃や爆弾、乗り物、はては兵器まで戦うための手段が他にあり、モンスーノはそれらと互角以上に戦えることを見せるのは、結果として世界に飛び込んできた謎の力を強調することに一役買っていると感じましたぁ。
そして物語が進んでモンスーノエナジーそのものが漂着した惑星で力をつけ、最終的に星を爆発させエナジーが他の星へ拡散するための媒体にする生態サイクルを持っていることが判明すると、対策するための装置を設置したり施設を破壊する目的が生まれますぅ。こうして、バトルに負けてもその場は切り抜けて目的は達成できる物語の構図を作ったことで、強敵がきちんと強敵のままでいられるようになっているのも巧みですぅ。
ぱっと見た感じでは独特の味があるキャラクタやギャグが目を引くけど、奥村よしあき監督が得意なドライだけど信頼を感じさせる友情の描写や、このご時勢に珍しく手描きで作画される地面を踏みしめれば地割れが起こり、建造物に向かって投げ飛ばされれば建物を破壊し土煙をあげて立ち上がる特撮怪獣のように重量感を感じさせるモンスーノ同士のつかみ合いなど、きちんと作ってある良作ですぅ。
そういえば奥村監督が過去に監督した『エレメントハンター』も特撮めいた描写や異類との接触など牽強付会に見れば『モンスーノ』との共通点を見出せなくもないけど、そうだとすれば、異類と接触した後にもそれを隠避やなかったことにする結末ではなく、その先に訪れるものの予感まで描いた手腕を期待せずにはいられないですぅ。