2014年06月24日 [長年日記]
§ [Promiscuus] 鼻できなこを食べる
わらびもちを食べていたらきなこをスニッフィングしてしまい香ばしかったですぅ。
§ [DnD][5e][LnL] 『生きたルール・セット(A Living Rule Set)』
6月上旬のOrigins Game Fairで、私たちはD&Dの生きたルール・セットの概念と、それがプレイヤーとDMにとってどんな意味を持つのかを解説した。いくつかのウェブサイトがそこで話されたことを報告したが、私はこのシステムの後ろにある基礎部分を要約したほうがいいと考えた。D&Dの生きたルールのセットとは何を意味するのか?
最大の変化は私たちがゲームをアップデートしていく方法への影響だ。かつて、私たちはフォーラム、カスタマー・サービスから寄せられる問題点の要約、そしてゲームを変化させてきた私たち自身の経験に頼っていた。この方法でも問題だと認識されているゲームの箇所を見つけることはできるが、それらの問題の重要さを評価する部分が貧弱だった。何が起きているか鮮明な絵を描くためにはより広い網を投げなければならないと公開プレイテストは私たちに教えてくれた。
そのために、君にはD&D第5版の開発を導くために使ったものと同じように年次調査が行なわれると期待してもらいたい。これらの調査は私たちがゲームの中にある問題点を特定できるようになるだけではなく、私たちは時間とともに意見が変化していく様子を観察できる。一年の結果を翌年のものと比較することで、私たちはゲームがどう変化しているかを感じることができる。
私たちが問題点を特定したら、次の段階は変化の大きさに依存する。いくつかの変更は単純で簡単だ。ルールが不明瞭なら、私たちはアップデートをFAQや似たようなことで行なえる。数値が間違っていたりルールから言葉が漏れていたなら、私たちは将来印刷される本をアップデートし、エラッタのリストを編纂できる。この規模の変化のために、私たちは年次アップデートを提供しようとしている。私たちは不可欠な場合にのみ、(FAQのアップデートとは対照的に)実際のルール変更を行なう。プレイヤーとDMがこれらの変化で本を買い換える必要があると感じてしまったら、私たちはやりすぎているということだ。
しかし、多くの問題は単純な変更ではどうにもならない。あるクラスが他に遅れを取るかもしれない、魔法のアイテムが強すぎるかもしれない、などなど。こうした性質の問題を取り扱うための第一歩は、ずっと多くの時間と労力を必要とする。
まず、私たちは問題のゲームへの影響を評価する。いくらかのプレイヤーがあるクラスがあまりにも弱くてプレイする気が起こらないと不満の声をあげたとする。だが、同時にそのクラスをプレイしている人たちはそれを楽しみ、高く評価している。この場合、私たちは何も変更しない。しかし、そのクラスを誰もプレイしようとしていない場合、私たちは異なるオプションを模索する必要がある。
類似した過程はあまりに強すぎるかもしれないゲームの要素にも当てはまる。あまりに多くのプレイヤーが特定のオプションを選んでいないだろうか? そのオプションを選ぶ人たちはそれを好んでバランスがいいと感じているだろうか? DMが憎む特定のルールやゲームの要素はプレイヤーに愛されているものではないだろうか? 私たちはプレイヤーだけがそれを褒める報告をし、プレイヤーに人気だが、DMはそれを問題だと感じるようなものは変更するかもしれない。
何かが問題だということを知っていれば、私たちは君にそれをどうする予定なのかを知ってもらえる。何か考えを持っている場合、どんな変更をする前にも私たちはコミュニティにそれらを提示してそれらをプレイテストする。変更点が好まれて問題を解決したなら、私たちはDMが採用できるオプションとしてそれらを実装する。
私たちにことを急くつもりはない。私たちが修正を行なうとき、私たちは年単位で問題点を俎上に乗せるかもしれない。しかし、私たちはできるだけ早くDMとプレイヤーが望むなら使えるオプションとして、その解決法を共有する。そもそもその問題点をまったく受けていなかったグループはそれを無視することができるし、解決法を探しているならそれらをよくテストし、結果を報告できる。
一部のプレイヤーはこうした過程の間、常に新たな版の影を感じてしまうかもしれない。しかし、私たちは第5版のルールを長く使い続けられるゲームと見ている。印刷された本に深刻な変化を求めるくらい重要な改定は、ゲームにいくつもの明らかな改善点をもたらさなければならない。君が新刊を買うときは、それが私たちに強いられるのではなく――君が望んだものでなければならない。理想的なことをいえば、印刷された製品へのアップデートは広く人気があるとわかったアップデートと改定を単純に取り込んで増加さていかなければならない。
さまざまな点で、この方法論はルールのこの版の寿命を長くする。長い目で見れば、問題をためておくのはプレイヤーとDMの不満を増やし、新版を求めるよりも多くの要求を作っていく。ゆっくりとゲームを変化させて無料で入手できるようにすることで、私たちはより簡単にグループが長い年月の間D&D第5版のルールを使い続けられるようにする。
最後に、生きたルール・セットの方法論はD&Dに提案された改善と変化を提供するため、R&Dに居場所を与えられている。ゲームを改善することについて考えがあるなら、私たちはそれをDM用のオプションとして表現してフィードバックを集め、そして情報に基づいた将来の製品とコア・ゲームの潜在的な変化を決断していくことができる。これらのオプションは正しく――君が取捨選択できるオプションだ。コミュニティ全体が新たなオプションを受け入れた場合だけ、私たちは有効な基本ルールとするためにゲームを変化させることを考えるだろう。
『Starter Set』プレビュー:作成済みキャラクター
発売間近の『D&D Starter SetSet』、この時間はこのセットのデザインを見ていこう。今週は、作成済みキャラクターにスポットライトを当てる。
『Starter SetSet』にはプレイヤーが選べる5体のキャラクターが封入されている。君が自分だけのキャラクターを作成したいなら、『ベーシックD&D』がダウンロードできることも思い出してほしい。キャラクターは以下の通りだ。
- 重装鎧と大きな斧を持った、ヒューマンのファイター
- 軽装鎧と弓を装備した、ヒューマンのファイター
- ドワーフのクレリック
- エルフのウィザード
- ハーフリングのローグ
キャラクターは『ベーシックD&D』のオプションを使用して作成され、彼らをプレイヤーが作成することを選んだ場合のほかのキャラクターと一緒に使うことを簡単にした。
私たちはこれらのキャラクターで、プレイヤーに1枚のシートとルールだけを与えるようにしようと決めた。特徴、弱点、そして束縛のシステムを用いることで、私たちはすべてのキャラクターが積極的に冒険へ飛び込む背景を与えている。たとえば、弓を持ったヒューマンのファイターは冒険が盛んな地域の、雷樹の町で生まれた人物だ。その町にはモンスターがはびこり、住人は数年前に離散したので、キャラクターはそれらのモンスターを追い払う目的も持って帰ってきている。
君が作成済みキャラクターを選択してアドベンチャーをプレイするなら、彼らの背景物語は押していく行動の助けとなる要素だろう。冒険者の背景と関係しているNPCはパーティを助けるか害をなす存在に解釈することができる。キャラクターが探したい場所や人物はアドベンチャーの重要な部品になる。単純なキャラクターの特徴をステータスの集合としてみなせば、このようにキャラクターのロールプレイングをすれば、より多くの冒険と多くの行動を取り出すことができる。
私たちは新たな、そして帰ってきたプレイヤーにロールプレイングがD&Dでどれだけ重要化認識してほしかったので、この方法を採用した。キャラクターの人格的特徴を与えることで新たなプレイヤーがどこから始めていけばいいのかを示すのだ。より重要なのは、キャラクターの背景という要素はすべてのプレイヤーにアドベンチャーへ積極的に取り組む明確な目的意識を定め、誘導し、自主的にアドベンチャーをプレイさせるものであることだ。線形に事件を連続させて行動を誘発させていくことに頼るより、プレイヤーが次に何をすべきか決めて積極的に動くアドベンチャーを期待している。
DMの場合、『Starter SetSet』のアドベンチャーのためにプレイヤーが『ベーシックD&D』を使ってキャラクターを作成してきても、君は作成済みキャラクターの背景と束縛をそのプレイヤーと共有することを考えないといけない。それらのオプションによって新たに作成されたキャラクターがより密接にアドベンチャーに参加することができ、プレイヤーに目的意識と、情報基づいた決断で行動を具体化し、活発に動けるものを与える。
R&Dチームは今日の午後4時(太平洋標準時)からダンジョンズ&ドラゴンズStarter Setの開封を配信する。私たちはダンジョン・マスターが『Starter SetSet』を準備する方法について紹介し、アドベンチャーの内容について質疑応答を行なう。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はD&D第5版のデザインを主導している。彼が他に名前を出している仕事は『キャッスル・レイヴンロフト』ボードゲーム、第4版『モンスター・マニュアル3』、そして第3版『プレイヤーズ・ハンドブック2』だ。