2015年01月10日 [長年日記]
§ [Ludus] 『ガサラキ』の西田さんとその周辺
私が考えるに自分の理想が現実と乖離してるし実現不可能なことも自覚したうえで、思想家として自説を曲げることはできないけど、現実の政治経済を動かす者がその原理主義に陥るのも駄目だという極めてまっとうなバランス感覚を持っている人に見えるゆえに、『ガサラキ』の西田さんが自衛隊や官僚の若手シンパと対峙する姿は老人の極論についてきちゃってるかわいそうな子を見る哀愁を感じてしまうですぅ。
だから対米経済戦争で社会の枢機にいる暴発しそうな若人を操縦しつつ冷や水を浴びせて現実を見せ、そうして軌道修正された国を自分は見たくないから死ぬ一挙両得プランに見えるですぅ。
このあたり、富野監督のアニメしか見ない子を生んでしまった後悔のように、若い子には自分を踏み台に色々見て考えてほしかったのに、極端な自説の上で止まってしまったから自作自演でカウンタをぶつけて君たちもっと自分で考えろとやってるもどかしさが、西田さんのかわいさだと感じられるですぅ。
そして、対米経済戦争の計画に協力はしていたけど一歩引いていた一清兄さんはその辺を見抜いて最後に西田さんのやったことは狂言と総括したのだろうし、西田さん最期の切腹は戦争のふりするだけでも収めるにはこれだけ手間がかかるんだと若い者を恫喝してる感じがするですぅ。