2015年03月01日 [長年日記]
§ [Ludus] 『Gのレコンギスタ』「地球圏再会」
キア隊長の解答や遺言の名の下にテン・ポリスを攻撃して出航を強行するフルムーン・シップの面々が、コンキュデベヌスを発見してキア隊長が泣いていると感極まって満艦飾で手向けとするまでの様子は、無意識に死者を持ち上げて大義名分にする高揚感が出てましたぁ。
ノレドの素人操縦で大変なことになりかけるところは、キャラそれぞれのよさを短い時間で演出してたですぅ。
ラ・グー総裁はビーナス・グロゥブをフォトン・バッテリーで満たして地球そのものを隣の銀河へ移動させるポストヒューマンな計画をアイーダに話しつつ、ジット団やクンパ・ルシータことピアニ・カルータのように人が劣化するのを防ぐために弱肉強食の戦いをさせて強化させる思惑を持っていたことなど、多くのネタばらしがされていったですぅ。そしてムタチオンである総裁がボディスーツを脱いだ姿を見た姫様は、彼の言葉通り物語の最初から比べるととても強くなっていることを実感できましたぁ。
ムタチオンによる変異を目の当たりにしたら、ビーナス・グロゥブ関係者が遺伝形質や不純物の排出について気にしていたことも納得できるですぅ。
ジット・ラボから奪ったものをクレッセント・シップに積み込んでいるとき、レジスタンスのおじさんふたりがトリニティとダーマ、ダハックをアメリアに提供するとか不穏なことをいっていたのは気になるけど、彼らにしてみればレイハントンの再興こそが目的だから、状況をかき混ぜてくれるなら誰でもいいのかもしれないですぅ。
厨房ではノベルに体重計機能までついてるのにびっくりして、相変わらずの萌えキャラっぷりにぽわわとなったですぅ。
地球圏にやってきたフルムーン・シップ内部での会話は、ジット団のアマチュアぶりを再確認させる内容になっていて、そういう印象付けをしたいのだとみたですぅ。
パーフェクトパックは飛行エフェクトといい命中箇所をそのまま消滅させるフォトン・トルピードといい、今までとは明らかに違う異形の技術なのがこれでもかと強調されてるですぅ。
ベルリが母と再会するカットは、後のシーンで語られる立派すぎる親への感情とも別に、ベルリが色々見て回ったゆえにふたりの間にできた隔たりみたいなものが距離や目線で表現されてましたぁ。そしてその場にいたクンパ大佐とジュガン指令が、ベルリたちが地球圏を離れている間にドレット艦隊が法皇を人質にしていたことや、マスクがその奪還をしたことなどが語られて物語の空白部分を補完したけど、その間にあった大佐の「事態は私の思惑などとっくに乗り越えられています」は真実を知った姫様に対応する独白なのだろうと感じたですぅ。
ジュガン指令一派もやはり大規模な戦闘には慣れていないらしく指揮系統が混乱する中、それに見切りをつけて自分たちで行動するアイーダたちと、「見ちゃいられんな。マスクにサラマンドラを沈めさせてフルムーンに向かわせればいいのに」と思うだけでお茶を飲むだけの大佐もまた、ひとつの対比になっていたですぅ。
アメリア軍にからかわれるケルベスが量産型モンテーロへ「宇宙で羽つきって恥ずかしくないのか!」と反撃するくだりは、クスリとさせられるいいくだりだったですぅ。
マニィがジーラッハを手土産にマスクのもとへ戻るときの光信号が“ル・イ・ン・リ”で、再会したときに「先輩、ルイン・リー!」と呼んだのは、彼女が見ているのはマスクの奥にあるルインだということを直球で表現したいいラブシーンだったですぅ。