ネコぶんこ


2016年02月23日 [長年日記]

§ [DnD][5e] 『ルール回答集:2016年2月(RULES ANSWERS: FEBRUARY 2016)』

Sage Advice

ジェレミー・クロフォード――2016年02月22日

Sage AdviceはD&Dのルールの公式な解説を行なう月刊コラムだ。それはまた、君のD&Dのゲームが円滑に進むのを助けるための参考文書を時々提供する。

Sage Adviceに将来答えてほしい質問があるなら、sageadvice@wizards.comに質問を送るか、このコラムの連載の合間にツイッター(@JeremyECrawford)で私に答えてほしいことを伝えてほしい。

Sage Adviceはダンジョン・マスターの裁定には優越しない。ここで提供される回答と情報は、DMがゲームについて判断することを援助するものだ。

クラス特徴

ローグは1ラウンドに1回以上急所攻撃を使える? できるが、1ターンに1回だ。戦闘で、1ラウンドは戦闘参加者ぶんのターンからなる(Player's Handbook、189ページ参照)。追加攻撃のように、ゲームに存在するさまざまな特徴は、君のターンにだけ使える。急所攻撃は君が1ターンに1回その特徴を使えると制限しているが、それは君のターンに限られていない。この特徴は、君が1ラウンド中にそれを使う回数を制限しない。

君がしばしば他の誰かのターンに急所攻撃を得るとき、このルールは関係する。これのもっとも一般的な状況は、敵が君からの機会攻撃を誘発したときだ。急所攻撃の必要条件が満たされるなら、君の機会攻撃はその特徴の利益を得ることができる。同じように、ファイターはファイターのターンに君が攻撃できるようにCommander's Strikeを使うことができ、攻撃が条件を満たすなら、それは急所攻撃を使える。これらのオプションはどちらも君のリアクションを使うので、君は1ラウンドでそれらの1つを適用することができる。

1ラウンドあたりのリアクションは1回だけなので、君は1ラウンドに2回、君のアクションによる1回と、君のリアクションによる1回以上の急所攻撃は使えそうにない。

戦闘

攻撃ロールとそのダメージ・ロールで使う能力値修正値はどこで見られる? Player's Handbookで、攻撃ロールでどの能力値を使うか(194ページ)、そして対応するダメージ・ロールに何を使うか(196ページ)かを指定している。ここでその概要を示す。

*君が習熟している武器を使っているなら、君の習熟ボーナスを加える。

**君の習熟ボーナスを加える。君の呪文発動能力値は君のクラス、あるいは君にその呪文攻撃能力を与える特徴で決定される。

攻撃種別 攻撃ロール ダメージ・ロール
近接武器攻撃 【筋力】修正値* 【筋力】修正値
遠隔武器攻撃 【敏捷力】修正値* 【敏捷力】修正値
呪文攻撃 呪文発動能力値の修正値** 効果による

たとえば、君がロングソードで近接武器攻撃を行なうなら、君は【筋力】修正値をその攻撃とその攻撃のダメージ・ロールに加える。これとは対照的に、君がファイアー・ボルトの初級呪文で呪文攻撃を行なうなら、君は呪文発動能力値の修正値を攻撃ロールに加える。君がウィザードなら、【知力】が君の呪文発動能力地なので、【知力】修正値を加えること。しかし、ファイアー・ボルトはそのダメージ・ロールに君の能力値を加えるように指示していないので、君はそれをできない。

ゲームのさまざまな特徴はルールに対するはっきりとした例外を作る。たとえば、“妙技”の特性を持つ武器は、それによって君が【筋力】か【敏捷力】修正値のどちらを使うべきか選ばせる。他の例は、Player's Handbookにある二刀流のオプション(195ページ)で、君はその修正値が負の数でない限り能力値ボーナスを攻撃のダメージに加えられない。しかし、オプションが君に指示していないので、君はまだ攻撃ロールに能力値修正値を加えることができる。言い換えれば、ゲームの細則が君に指示するまで、君は一般則に従うのだ。

Green-Flame Bladeの呪文のように特殊な場合はどうだろう?この呪文はSword Coast Adventurer's Guideで追加され、君に近接武器攻撃をするよう指示する。上の表で、君は通常なら近接武器攻撃をするときに【筋力】修正値を使うと見ることができるだろう。呪文が君に攻撃するよう指示しているのは重要なことではない。呪文が君に呪文攻撃をさせるのなら、呪文の説明にそう書いてある。たとえば、ファイアー・ボルトレイ・オヴ・フロストを見るといい。どちらにも――“呪文攻撃”――と書いている。

モンスター

ドラゴンのブレス攻撃は魔法的なもの? 君がアンティマジック・フィールドを発動したり、アーマー・オウ・インヴァルネラビリティを身につけていたり、あるいは他の魔法的あるいは非魔法的な効果から身を守るゲームの特徴を使うなら、君は自分自身に「これは私をドラゴンのブレスから守るだろうか?」と自問自答するかもしれない。典型的なドラゴンのブレスは魔法的であると考えられないので、アンティマジック・フィールドは君の役に立たないが、アーマー・オウ・インヴァルネラビリティは君の助けになる。

君は「私にとってドラゴンはかなり魔法的に見える」と考えるかもしれない。そうだ、彼らは驚異的だ! 彼らの説明には、彼らが魔法的であるとすらある。しかし、私たちのゲームは魔法を2種類に区別している。

  1. D&Dの多元宇宙の物理法則や、無数のD&Dのクリーチャーの生理学に関わる背景としての魔法。
  2. 魔法のアイテムや呪文、あるいは他の魔法的効果を作るために向けられた濃縮された魔法の力。

D&Dにおいて、最初の種類の魔法は自然の一部だ。それは風と同じように、解呪できるものではない。ドラゴンのようなモンスターは魔法で強化された自然であるから存在する。第2の魔法の種類は、ルールが関係するものだ。ルールが魔法的な存在を参照するとき、それはこの第2の種類に言及している。ゲームの特徴が魔法的かどうかについて決定するのは直接的だ。君自身にこれらの特徴について質問してみよう。

  • それは魔法のアイテムか?
  • それは呪文か?あるいはそれは呪文の解説で言及される効果で作成されたものか?
  • それは呪文攻撃か?
  • その解説にそれが魔法的とあるか?

それらの質問のどれかに対する君の答えがイエスであるなら、その特徴は魔法的だ。

それでは、ホワイト・ドラゴンの冷気のブレスを見て、自分自身にその質問をしてみよう。その1、冷気のブレスは魔法のアイテムではない。その2、その解説では呪文に言及していない。その3、それは呪文攻撃ではない。その4,その解説に“魔法的”という語はどこにも見当たらない。私たちの結論は、たとえ私たちがドラゴンが驚異的で超自然的な存在だと理解していても、冷気のブレスはゲームの効果として魔法的だとは考えられない。

魔法のアイテム

魔法の武器は攻撃とダメージ・ロールにボーナスを与える? その説明にそうだと書かれている場合だけ、魔法の武器は君の攻撃ロールやダメージ・ロールにボーナスを与える。すべての魔法の武器は非魔法的な攻撃によるダメージへの抵抗と完全耐性を無視できるが、特定の魔法の武器だけは非魔法的なそれらよりもさらに鋭く強力だ。たとえば、+1ロングソードジャイアント・スレイヤーはどちにも君の攻撃ロールとダメージ・ロールに+1のボーナスを与えるが、フレイム・タンフロスト・ブランドも、そのようなボーナスを提供しない。しかし、これら4つの武器はアース・エレメンタルの非魔法的な殴打、刺突、斬撃ダメージへの耐性を無視することができる。

ようするに、攻撃ロールやダメージ・ロールへのボーナスは、すべての魔法の武器が自動的に提供するものではなく、魔法のアイテムの特別な特性だと考えることが出来る。

Sage Advice大辞典

The Sage Advice CompendiumはSage Adviceの質問すべてを1つのPDFにまとめている。それは今回の質問と回答も含んだものに更新された。

『MONSTER MANUAL』エラッタ

私たちは最新の刷とより密に適合するよう、Monster Manual Errataのファイルをアップデートした。現在のPDFには現在の本では反映された、ウォーター・エレメンタルの項とクラーケンの項を含んでいる。

その他の資源

私たちがこのウェブサイトに投稿したその他D&Dについての参考文献がここにある。

Basic Rules for Dungeons & Dragons

D&D Spell List (version 1.01)

Monsters by Challenge Rating (version 1.0)

D&D Monsters by Type (version 1.0)

Magic Items by Rarity (version 1.0)

Conversions to 5th Edition D&D (version 1.0)

Character Sheet

著者について

ジェレミー・クロフォードはダンジョンズ&ドラゴンズ第5版の共同リード・デザイナである。彼は第5版Player's Handbookのリード・デザイナでありDungeon Master's Guideにも関わっている。彼は2007年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社して以来、多くのD&D関連書籍に携わってきた。君は彼にツイッターで連絡することができる(@JeremyECrawford)。