2008年04月08日 熱力学第二法則を憎む [長年日記]
§ [Promiscuus] コンデンサ逝く
セッション前日の土曜日という忙しい時に部屋に異臭まきちらかしてビデオカードのコンデンサがヘビ花火のような体たらくになってたですぅ。
こんなこともあろうかとなおしてたVoodoo3をとりつけて事なきを得たですぅが、収入を得た時に限って物は壊れるものですねぇ。
§ [DnD][3.5e] 2008年03月09日
ウィッチナイフの凶手からクジャルが黒帆衆の頭目だったことを聞き出したついでに、リリシアは彼の根城を聞き出そうとするが、彼らも組織の連絡員から仕事と報酬を受け取るだけの、組織の末端に過ぎなかったことがわかる。
リリシアが尋問をしている間周囲を警戒していたイーグルオウルは、近くに何者かが潜んでいることに気づく。そちらに向かって身構えると、物影からウィッチナイフの老人が現れた。彼は凶手たちの師父だったが、数年前にクジャルが僧院を襲撃した時に完敗し、弟子たちは力に魅せられクジャルの下で凶手になってしまっていたという。
「だが、彼らを殺したことについて仇を討つなど言われても困る」
「構いませぬ。彼らが殺し殺される道に踏み込んだ時から、こうなることは覚悟しており申した。それよりも、その力を見込んで我が門派皆伝の証をお譲りしましょう。クジャルは多くの僧院や道場を破り、彼らを刺士として使役しているのです」
そう言って老師はモンクス・ベルトとバンズ・オヴ・ジ・アイアン・モンキー(Dragon Magazine #325)を一行に託し、かつての弟子を伴って朝靄の中に消えていった。
藍の塔へ帰り仮眠を取り、支部長のスクライイングが効果を及ぼさなかったという話を聞いて現場百回の格言通り、“物言わぬ手”の地下室から続く隠し通路を抜けたあたりで捜査したところ、ちょうどイーリがさらわれた日の深夜、荷馬車が荷物を積み込んでいたという情報を手に入れ、そこから芋づる式に馬車が貧民街の周りをぐるりと一周し、市場の辺りで行方をくらましているらしいという情報を手に入れた。市門での聞き込みでは問題の馬車が出入りした様子が無かったため、魔法的手段が講じられていなければ、彼女は街中にいる可能性が高い。
市場の裏路地にあるさびれた安酒場でのべつくだを巻いている酔っ払いに話を聞いたところ、黒帆衆は既存の縄張りやしがらみなどお構いなしに暴れまわり、揉め事になれば相手を暗殺するという、裏街道を歩く者たちの間でもかなり煙たがられている組織らしいということ、彼らの身軽さは街中に張り巡らされた下水道を通路にしているからではないかという情報を手に入れ、イーグルオウルが馬車の足取りをつかめなくなったあたりで下水の入り口を調べると、そこには最近出入りしたような痕跡があった。
イルダーナフは下水に詳しそうな組織は無いかと調べ、アーバン・ドルイドやアーバン・レンジャーからなる"下水教団”なる組織と接触することに成功した。彼らの主張するところによると、ヤゼインの下水道は街の拡張にあわせて既存の下水道に接続し、とりあえず水が流れるので利用されているというだけで、陸手と島手の両方から下水が流れ込むはずの最深部に何があってどこに下水を流し込んでいるかなどは謎のままの胡乱なものだという。
また、彼らは下水道の謎を調査するために探索を繰り返しているが、下水道の深部にはウィザードが下水掃除用に放したブラック・プディングや、白いクロコダイルなど恐ろしいクリーチャーが多数生息しており、先日の探索でもひとりが帰らぬ人となったと幾人かの教団員が恐怖に引きつった表情で証言した。
ともあれ、教主によればイーリらしき荷物を運び込んだ下水道は深層にかなり近いもので人でも歩いて行くことが可能であり、陸手と島手の下水道が交わる大下水道まで達すれば、かなりの広さであるため人が住んでいてもおかしくないという。かくして、イーリを助けるために一行は下水道へと踏み込むことになった。
下水道の奥へ奥へと進むと徐々に空間は広がり、やがていくつもの下水道から下水が流れ込む本流へとさしかかる。餌の気配を察知して迫るブラック・プディングの群れを潰していると、汚水の中から下水教団員を屠ったドラゴン・イールがリリシアを丸呑みにする。次にはイーグルオウルも呑まれるが、呪文を受ける場所に身を晒したせいでイルダーナフに動きを止められたうえでホーリィ・ストームの餌食となり、臓腑をイーグルオウルのバトルフィストに貫かれて命乞いも空しく絶命した。
奥の淀みにあるドラゴン・イールの塒から宝を運び出し、ガラクタの山で偽装した一行は、何度も外したような痕跡のある鉄格子を外してさらなる深遠へ。すると、そこにはランプの光に照らされた黒い帆布を腕に巻きつけた男がいた。彼をサーシャが〈はったり〉で言いくるめてクジャルの客人ということで入ろうとするが、男はいつまで経っても戻ってこない。そこで一行は勝手に入り、イーグルオウルが毒に対する完全耐性を持っているおかげで何食わぬ顔で毒ガスが吹き出る隠し部屋の宝を漁り、インヴィジビリティで斥候を続けると、フレイム・ストライクが天井から降ってきて、奥から衛兵が出てきた。しかし、身かわしを持つリリシアにとっては一足の間合い。炎をものともせずに衛兵に飛び掛り、〈Iaijutsu Focus〉の大規模ダメージで一刀のもとに首を落とし、騒ぎを聞きつけてやってきた増援もサーシャの《呪文形状変化》つきウェブで全員捕縛され、戦闘は終結した。
尋問してみると彼らは黒帆衆でもクジャル直属の連絡員だったようだが、彼らのあるじは直属の部下すら信用せず、自分と腹心のドラウ、そして護衛のスケルトン以外はほとんど部屋に入れないという。サーシャは捕らえた中にギスヤンキがいたのを気にしたが、彼女は彼女の主からクジャルに貸されているだけという。結局、彼らを殺したところでどうにもならないということで、リリシアも彼らの腕にある黒布を斬り捨てるだけでおさまり、武装と罠の解除をさせた上で一行は捕虜を開放した。
罠が解除されたことを確認し、リリシアが居合いで扉を斬り捨ててクジャルの部屋へと飛び込む。部屋は下水を下層へと落とす縦孔だったらしく、中心部は大きな空洞になっており、両側をキマイラ・スケルトンが固めていた。リリシアはセレスチャル・アーマーを起動して穴を飛び越え、ドラウが操る毒の滴るスコーピオン・チェインからの機会攻撃をものともせずにクジャルを斬り、サーシャはフィーンデイッシュ・ライノサラスを2体召喚してスケルトンを潰す。ドラウが暗黒の相棒をけしかけ、クジャルが《Fell Drain》つきのマジック・ミサイルをワンドから放つが、その程度ではリリシアを削りきれずに二の太刀を受けてあっさり膝をつくと、いきなりその身を爆発四散させた。驚愕の表情を浮かべて転がる首は、痩身のクジャルとは似ても似つかぬ脂肪まみれの中年男だった。それを見届けるとドラウはリリシアの追い討ちをものともせず縦孔に身を投げ、姿を消した。
偽クジャルが座っていた場所の背後には隠し扉があり、その奥にはプライヴェート・サンクトゥムで守られた部屋があった。そこには無数の瓶が並んでおり、カエルが飼われていた。その中のひとつにはベイルフル・ポリモーフで変身させられていたイーリの入った瓶があった。イルダーナフが呪文を解除してリリシアが外套を羽織らせると一夜を明かして荷物を纏め、テレポートで一行は地上へと帰還した。
地上に戻ったイーリの話によれば、彼女はあの場所へ連れて行かれるとすぐカエルにされたが理性は残っており、彼らの話を断片的に聞いていたという。どうやら、黒帆衆は大きな力を手に入れるためにイーリが最近発見したハビールの行方を知りたがっていたらしい。ハビールの行き先は遥か北東にあるといわれる霜と炎の群島。イーリは一行に、群島の調査を依頼した。