2012年05月24日 すなわち血族関係がもはや明瞭でなく、学問の対象になってしまったときには、すでに同族意識は失われ、連帯意識がもたらす近親感情は見られず、何の役にも立たなくなっているのである。 [長年日記]
§ [DnD][4e][DSH] 『ダンジョンへの帰還(Back to the Dungeon)』
デザイン&ディベロップメント
筆者:マット・ジェームズ
私は小さなころからいつも、ダンジョンズ&ドラゴンズの仕事をすることを夢見ていた。今の私はフリーランスのゲーム・デザイナだが、その仕事はまだ私にめまいを起こして驚かせてくれる。2011年6月に私はD&Dのプロデューサ、グレッグ・ブリスランドから電子メールを受け取った。最初の文で私の心は惹きつけられ、私は本当にそこから先を読むことを忘れてしまっていた。それは次のように単純なものだった。
やあ、マット。
私たちは君に現在企画されている『Dungeoneer's Handbook』に参加してもらいたいと考えている。
来た! 私は長年愛してきたゲームの原稿を書くだけではなく、懐かしい製品の新版に取り組む機会を与えられたのだ。しかし、仕事を引き受ける決断は、いくつかの制限がなくては行なえなかった。その頃、私が新しく資金提供を受けることができた映画は撮影の真っ最中で――私はこれからの慌ただしい予定をこなす方法を見つけなければならなかった。当然、私はその仕事をやりたかった。すでに私の頭の中では考えがあふれ出そうだったのだ。
ここでは私がさまざまなダンジョンの風景を深く掘り下げていった方法を紹介しよう。
ダンジョンズ&ドラゴンズにダンジョンを帰還させる
この企画は親友であり素晴らしいゲーム・デザイナのローガン・ボナーが進めていたので、私はやるべきことが魅力的で、新しく、そしてD&D史の物語に強く結びついた内容をすべて満たすデザインであるということを知った。新しい何かを導入しつつこれまでのものを尊重するのは、常に大きな挑戦だ。それはつりあいを取るのが非常に難しい天秤である。
ロバート・J・シュワルブ(もう1人の親友)と何度か話をする機会があったのは、この作業とは別の利益を得られた。ロブはこの企画のために非常に詳しい概要を書いていた(なぜなら彼はリード・デザイナを勤める予定だった)。この概要はデザイン作業でも非常に重要なもので、内容と製品の最終的なあり方について明確で重大な示唆を得られた。私はこの本でやるべきことが冒険心の実際的な方法での開放と手に汗握る興奮を呼び起こすことだと彼が強調していたのを鮮明に思い出せる。もちろん、これは私にすぐさま『インディ・ジョーンズ』のような映画のことを考えさせた。私はそういう体験を心底作りたかったので、1940年代のパルプ冒険小説に回帰した。私は激しい活劇のある探検と神秘の世界での発見を盛り上げる内容をデザインしたかった。
私はここにローガン・ボナーが私たちに送ってきた面白い写真を出しておこう。これは私たちが本についての作業の進み具合を表現している。それぞれの部分が完成したので、私たちはダンジョンのより深い場所へと向かっている。そう、ゲーム・デザインは素晴らしく楽しいと断言できる!
私は書斎でD&Dの本を熟読し、過去の感覚を覚えさせられそうでサプリメントに導入できそうなものを探した。私はあらゆる版の記事を再読し、それらのすべてを特に第4版の製品へ導入する方法を考えるのに多くの時間を費やした。それは単純に過去をなぞるだけではなく、古典的な雰囲気をつけなければならなかった。それは旧版の雰囲気と最新の技術によるきちんとしたメカニカル面で、どうなるかわからないバランスが取られていなくてはなかった。単純な作業について、私は君に語らない。
最終的に、私は私たちが第4版の新しいデザインの地平を切り拓く――ダンジョン・マスターとプレイヤーの両方が彼らのゲームを面白いものにする――本を作り出せたことを私は信じたい。私は長年のD&Dプレイヤーでさえもいくつか新しい概念を本で見つけられると考えているし、それでダンジョン探検の楽しみを再燃させくれれば嬉しく思う。なぜなら、そこにはD&Dのすべてがある心臓だからだ。