2012年08月05日 二人はスポーツウェアを着ているけれど、ディスカウント屋で買ったものだ――人生が手遅れになってから、自分たちの肉体に気がついたのだ。 [長年日記]
§ [DnD][4e] 8月:『Menzoberranzan: City of Intrigue』
悪意に満ちたドラウの力ある名家は、堕ちた女神の目にかなうようそれぞれたゆみない努力を捧げており、メンゾベランザンこそそうした驕慢の頂である。だがしかし、その積み重なった利己、放蕩、そして悪徳の奥を覗けば、豊かな歴史、文化、そして芸術を持つ壮大な文明を見ることができる。このたまらない美と罪の二律背反こそ、ドラウの社会への強力な関心を呼び起こすものだ。この本で紹介される高名なアンダーダークの都市メンゾベランザンは、かの有名なドラウのレンジャー、ドリッズト・ドゥアーデンの出身地でもある。しかしこれは彼の物語ではない――これは君たちが紡ぐべき無数の物語だ。
『Menzoberranzan: City of Intrigue』は最大級の汎用性を持つようデザインされた。君が現行版はおろか、過去や未来の版のルールを使っていたとしても、君はこの本に書かれているほぼすべてのことがらがゲームで使えることを知るだろう。君はこの本でドリッズトが生まれるよりも前の年代でも、蜘蛛の女王の戦争のまっただ中でも、あるいは現代のフォーゴトン・レルムだろうが、キャンペーンを設定して運営できる。君はメンゾベランザンという都市を、君が適当だと考えてそれをなじませることができる別の地域や別の世界に移植することだってできる。メンゾベランザンは君が望むどんな方法ででも使える、君と君のプレイヤーたちが探検できるすべてを備えて待っているセッティングだ。
この本の使い方
ダンジョン・マスターのために:『Menzoberranzan: City of Intrigue』はまずダンジョン・マスターのためにデザインされている。この本は君が恐るべきドラウをテーマの中心に据えた、刺激的で思い出になるキャンペーンを作る助けになる。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のゲームをメンゾベランザン・セッティングで運営するために、君はこの本と好みに合ったD&Dいずれかの版しか必要としない。君が第4版のD&Dルール・セットを選ぶなら、さらに何冊かの本がこの製品の面白さを際立たせるかもしれない。『Underdark』および『Into the Unknown: The Dungeon Survival Handbook』は地底を舞台とするキャンペーンを作るための良い手引きになる。ダンジョン・マスターはまた、メンゾベランザンの外の設定も詳細に記述した『フォーゴトン・レルム・キャンペーン・ガイド』に価値を見出すかもしれない。
プレイヤーのために:ドラウは悪の種族――彼らはその隣人と永遠に争い続ける――だが、多くのプレイヤーはそれにもかかわらずドラウのキャラクターをプレイすることに魅力を感じている。
『Menzoberranzan: City of Intrigue』は、彼らのロルスが支配する宗教――そのすべてはドラウのキャラクターのプレイヤーに不可欠な情報だ――も含め、ドラウの社会と思想の根底について言及している。
さらに、この本にはどのドラウの家に所属するかを選択するためのガイドラインがあり、キャラクターの背景としてプレイヤーがキャラクターの背景設定と動機を肉付けする助けになる。本の補遺ではドラウのキャラクターをプレイすることについてとりわけ力を入れているが、プレイヤーはそれ以外の章でも非常に刺激的で役立つ情報を発見できる。
第2章:ドラウの派閥
『Menzoberranzan』の第2章ではこの大都市の中で力と支配を争う派閥をそれぞれ見ていく。最大の派閥はドラウの名家だ。
名家はわずかな法を執行することから交易まで、都市のあらゆる面を支配している。メンゾベランザンには常備軍がない。その代わり、それぞれの名家が抱える家人は都に軍事力を提供する。この組み合わせは堅固な城にも匹敵する。八大名家はメンゾベランザンの支配評議会に席を持っている。各家の格付けから慮外な家の粛清まで、評議会は都市の運命を決定する。
名家に列せられているのは以下の通りである(君には彼らの列に加わりたい理由があるかもしれない)。
ベンレ家
メンゾベランザンを独占的に支配している家で、都市の創立時から支配評議会の議長である。
「汝の立場を忘れるなかれ、さもなくば我は汝に誰がロルスの恩寵を得ているか知らしめなければならぬゆえに」
君が以下のどれかに当てはまるなら、ベンレ家をプレイするとよい:
- メンゾベランザンでもっとも地位が高く強大な家の子弟でありたい。
- ロルスの恩寵による典型的なドラウのありようと生まれ持った権力をプレイしたい。
- 君自身が君のきょうだいより抜きん出た地位を得るため、さまざまな社会的圧力と戦う。
ドゥアーデン家
大望を抱き、だがたったひとりの冷や飯喰らいと彼の理解しがたい分別によって失墜した。
「当家は力のために多くの要求をしているが、私はもうひとつ頼みたい」
君が以下のどれかに当てはまるなら、ドゥアーデン家をプレイするとよい:
- 都で知られる一番の武芸者に稽古をつけてほしい。
- 君の家が支配評議会での地位を掴むのを助けたい。
- ロルスの道を拒んだ裏切りの変節者が密かに生きたい。
フンズリン家
低位の家からすらいまだ軽蔑の目で見られるが、抜け目ない農業と商業の一族。
「やくたいもない考えが詰まった柔らかいのより、“石頭”におなり」
君が以下のどれかに当てはまるなら、フンズリン家をプレイするとよい:
- 政治的陰謀よりも激務に報いられる報酬を得られる商家に味方したい。
- 卑しい生まれを鼻で笑われない家でドラウの庶民をプレイしたい。
- 頭が回ってよく働く名家の若者でありたい。
メラーン家
異端の嫌疑をかけられ連合した2つの家は、ロルスの苛烈な審問者へと変わった。
「あなたはロルスの恩寵を望んでいるようですが、近ごろあなたは御方にお仕えしたのですか? 当家の信仰は疑いようないものですとも」
君が以下のどれかに当てはまるなら、メラーン家をプレイするとよい:
- 敵だらけの都で孤立した家の一員でありたい。
- 常に大逆と涜神の嫌疑をかけられながら、熱狂的な献身でロルスを信仰するプレイをしたい。
- 君が他のドラウと同じくらい邪悪で汚らわしいことを証明したい。
ゾララリン家
怪しく破壊的な呪文を操る、謎めいた仮面のウィザードたち。
「“彼”の助けで我らは支配評議会に座を得た。もっと多くのドラウが我らの声に注意を払うべきだ」
君が以下のどれかに当てはまるなら、ゾララリン家をプレイするとよい:
- 少なくとも君の家の中では、敬意を払われ権力を使える男性のドラウでありたい。
- 秘密の仮面と薄布に隠れた、謎めいた強力な魔術師や女祭をプレイしたい。
- ロルスが“魔織”を紡ぐために遠く広い範囲で秘術の力を探索したい。
オブラドラ家
他の魔法よりもサイオニックを使うことで知られる彼らは“災厄の時”に躍進しようとした。
「おぬしが当家の秘密を理解することはない、ないが、おぬしは恐怖でもってそれを理解するだろうて」
君が以下のどれかに当てはまるなら、オブラドラ家をプレイするとよい:
- メンゾベランザンでもっとも恐れられる秘密主義の家の子弟になりたい。
- 信仰魔法に支配された都で精神力を使うサイオニック使いをプレイしたい。
- 狂気と相互破壊という君の悪名によって敵を脅したい。
『August: In the Works』での『Menzoberranzan: City of Intrigue』紹介記事は、ドラウの名家についての一言紹介ですぅ。