ネコぶんこ


2012年12月03日 人生のあらゆる側面を、生かじりのポップ心理学を道具に使って、たいていは詳細にわたって解剖する傾向。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『クラス・デザインの骨格(Class Design Concepts)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

いま一度、この時間で最新のD&D Nextプレイテストの調査結果と現在行なわれようとしているアップデートを君たちに公開しよう。

全体的に、最新のパックに対する満足感では若干の下落があった。私たちは満足感の低下要因を、すでに把握していたローグの戦闘での役割と術者が使える呪文の数だろうと予測した。よい知らせは私たちが修正についてちょっとだけ時代の先端にいるということで、これから下で語るアップデートのいくつかを適用するまで長くなるはずがないということだ。

たとえば、私たちはモンクの能力いくつかを変更しなければならなくなっているが、それはより先のパックで次の1つに対する予測ではない。最初の話に基づけば、そこは私たちは良い考えがあって風向きも良好、すでに別の方法で変化させているところだったのだ。

ローグ

私たちが受け取ったフィードバックでもっとも多数派だったのは、ローグが劣化ファイターという印象だったというものだ。これはみんながどれくらいクラス間にある戦闘能力の格差について寛容であるかを知る鍵となるテストだった。いくらかは許容できるようだが、劇的に違っていてほしくないようだった。

率直にいえばそれは驚くべきことではなく、現在の私たちが考えを固めてしまう前に仮定へ疑問を投げかける最高の機会だったのである。

現在の計画ではローグにもファイターが得るのと同じだけの練達ダイスを与えることになっている。さらに、私たちが取り組む新たな技能の使い方は静的な修正値ではなくボーナス・ダイスを使う。ローグは基本的に武器を使った能力値判定を戦闘で使うことができる。ローグは敵の突撃を誘い込んだり、瞬きの間にダーツを影に向かって投げ消えうせるかもしれないし、ウィザードに向かっていたクリーチャーの注意を彼や彼女が呪文を発動させるまでそらせる、などができる。

これらはセーヴィング・スローや抵抗に能力値対決が必要な非魔法的効果と考えることができる。たとえば、ローグのシャランドラは彼女の【魅力】でオーガの【判断力】と対決する。シャランドラが勝利した場合、彼女はオーガをだまして突撃を行なわせて罠にかけることができる。彼女が機会攻撃で同士討ちをさせるために【敏捷力】とクリーチャーの【知力】で対決することも考えられる。これらの能力は技のようでもあるが、今のところ私たちは練達ダイスではなくローグの技能ダイスと呼ぶものを使う。

そして急所攻撃は、ある状況で得られるダメージへのボーナスとして扱う予定だ。原則しては優位を得ているとき、その恩恵を受けずに追加ダメージを選ぶことができる。命中率への重要なボーナスとダメージを得ることは少し強すぎるのではないかということがわかった。ダメージを選択制にすれば、より大らかにそれを行なう機会を与えられる。

また私は急所攻撃をすべてのローグが最初から持っているよりは、オプションとすることにこだわりたい。たとえばよりよい武器を使う、奇襲攻撃のひと刺しをより安定したダメージに置換する、あるいは与えるダメージを強化するよりはダメージを軽減することに特化した特別な回避能力を得るなど、ローグのオプションに多様性を持たせられる可能性がある。

呪文発動全般

私たちは呪文発動についていくつかの変更をした。まず第一に、術者は私たちが最後のパックで設定していたより多くのスロットを得られる。そして、無限回呪文のダメージと効果はすべてのレベルで適切となるようにされた。これらの変化からは刻印呪文が外れているが、それは私たちがもうどんな退屈も味わってほしくないためである。

無限回呪文を分離した分類や既存呪文の無限回版などで呪文の一覧を再編することもありうる。いずれにせよ、無限回呪文は他の呪文スロットや呪文の準備を必要としない。単に毎日レベルに基づいた無限回呪文を選ぶだけでそれを使うことができる。

儀式は君が呪文書にその呪文を持っていたり準備できる呪文の表に呪文があれば、無料で使えるようになりそうだ。これは効果のバランスを取るためにかなりの作業が必要になるが、金貨でそれらをなんとかしようというのは貧弱なバランス取りのシステムだった。

最後に、鎧を装備しているときに呪文を発動するルールを加える。このルールは単純にある種の鎧に習熟しているならその装備中に呪文を発動できるというものだ。そうでない場合、鎧は発動能力に干渉する。

クレリック

アンデッド退散はかなり単純化されてクレリックが使える回復の源泉(pool of healing)と結びつくことになる。クレリックは彼や彼女が伝導できるものとしてレベル毎に正のエネルギー5点を得る。クレリックは1対1の原則で回復のために伝導でき、さらに点を費やすことでより大きな回復効果を得られる(リムーヴ・ディシーズ、ニュートライズ・ポイズン)、そしてアンデッド退散(アンデッド・クリーチャーはもっともなことだが、正のエネルギーで倒される)も低い点で行なえる。点数は変わるだろうが、基本システムはできている。

鎧習熟を与えるために神格を修正する可能性もある。クレリックによりふさわしい無限回のオプションも模索している。神格の解説文も“戦をもたらすもの”のような称号が神格のある一面を表現する可能性があることについて明記する。1柱の神が異なる力を持つクレリックを持っているかもしれないが、それは彼らがどの面を信仰するか次第なのだ。

ウィザード

ウィザードもいくつか変化した。魔法全般の変更に加え、ウィザードの呪文ダメージは増加し、流派はより多くの選択肢が特徴となり、そして流派によってすべての魔法系統を再現できるめどがついた。

ウィザード最大の変更点は呪文の準備と呪文発動が切り離されそうなことだ。君はいくつか、たとえばレベル毎に発動できるものとして3つの呪文を準備できる。呪文を発動するとき、君は準備しているものならどの呪文でも選んで対応した呪文スロットを消費することでそれを発動できる。このシステムはクレリックに与えられた柔軟性とは対極をなすものだ。

ファイター

ファイターはいい感じだ。私たちはファイターに練達ダイスを使わないがほぼ同じように働く特別な受け流しのシステムを与える予定だ。問題があるとすれば、ファイターはちょっと強すぎるところだろうか。フィードバックのファイターがもっとも強いクラスだということに変動はない。他のクラスのほとんどは追いついてきたが、私たちはゲームを速く動かし続けるために高レベルでの練達ダイスを少し減らすかもしれない。

コア・ルール

大きな変化はまったくないが、私はこれからコア・ルールが基本、標準、そして上級の項目に解体され、君たちがどこにルールとゲームの中心となる複雑さを見るのか観察する段階に入ることを予測しておこう。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。