2014年08月22日 [長年日記]
§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~オープニングフェイズ:シーン5』
オープニングフェイズ:シーン5・鬼の復活(銀次郎)
渡辺充との別れから数年後。銀次郎は江戸へ赴いた。
噂を聞いてから充についての調査も行ない。その途上で何度か江戸も訪れた。そして今は、探索で知り合った拝み屋の丈からのつなぎを受け、流れ者たちが集まる悪所の酒場で杯を交わしている。
GM/丈:「まずは一献やってくださいや」
銀次郎:「随分とお久しぶりでござんすね。今度はあっしに何の御用ですかい?」油断なく見つめつつ。
GM/丈:「いえね。俺はこれでも物覚えがいい。旦那が渡辺の旦那について、いろいろ調べていたことを思い出しましてね」
銀次郎:ギロッと怖い目になります。「何かわかったことでも?」
GM/丈:「毘沙門組が、また蘇りやした」
銀次郎:と酒をひっくり返して立ち上がります。「!?」
GM/丈:「先日も丁子屋ってえ廻船問屋がやられたそうです」くいっと酒を呷ります。「旦那にはつれぇ話かもしれねえが、渡辺の旦那はもしかしたら……」
銀次郎:「おい……そりゃあ確かな話なんだろうな?」興奮のあまり口元から牙が覗きかけています。
GM/丈:「確かでござんすよ。もう街のほうもその噂でもちきりですぜ」
銀次郎:とりあえず座り直すと、酒をぐいっと煽って「……つまり、あっしにその一件を探れと?」
GM/丈:「いえ、俺もこんな商売だ。心残りは作りたくないんですよ。俺はあの時、ろくに渡辺の旦那について知らせられなかったんで、せめてものナントヤラってやつで」
銀次郎:ちょっと意外そうな顔で「なんと……あんたにもそんな仏心があったとはね」
GM/丈:「なぁに、あの時貰った金の分の仕事をしただけですよ」
小柄な拝み屋は少し酔いを足に見せて立ち、小粒銀をいくらか親爺に握らせ何事か言い含める。
「金は払ってありますや。あとはお楽しみくだせえ」
「とりあえず礼を言わせてもらうぜ、拝み屋の」
曖昧に頭を下げ、丈は場を辞す。
弔い酒に、連れはいらない。
GM:【宿星:渡辺充の死の真相を追う】をあげます。