2014年09月02日 [長年日記]
§ [TRR][Oni] リプレイ『鬼の話~ミドルフェイズ:シーン6』
ミドルフェイズ:シーン6・鬼の影(銀次郎)
丈からまた毘沙門組が動いているという情報を知らされた銀次郎は、懇意にしている親分衆や博徒たちに渡りをつけていた。
だが、彼らの返事は言葉は違えど同じ内容。すなわち、銀次郎の度胸や腕っ節は信じるが、悪いことは言わんと煮えきれないものだった。
銀次郎:「さすが江戸の外まで知れ渡る畜生働きの凶賊どもだ。たやすく尻尾は掴ませねぇか」そこで、遊び人を装って情報収集してたお奉行とバッタリとかどうでしょう?
貞親:おお。それでいきましょう。「……いかんなあ、人の口に戸は立てられんというが、ここまで話がだだ漏れじゃあさすがにやりづらい」ぶつぶつ言いながら、急に顔をつっこんできます。
銀次郎:「おや、おめぇさんなにやら訳知り顔だね?」周りを押しのける感じで平賀さんの前に。
貞親:「お見通しってわけじゃあないが、何、関係者みたいなもんだよ。あんたも何か絡んでるのかい?」
銀次郎:「どうやらおめぇさんとはとっくり話しあう必要があるみてぇですね」と、あごで外を差す。
貞親:「おっと、荒事は勘弁願うよ。見ての通りの痩せ男でね」と言いつつ先に立って表に出ましょうか。
銀次郎:「兄さんたちもありがとよ。これで一杯やっとくんな」と周りのやくざ者たちに酒代程度の金を握らせて外に出ます。
やくざ者たちの歓声を背に、ふたりは夜陰に紛れる。金色に変じた銀次郎の眼を誤魔化すには、灯明の光でも明るすぎた。