2022年01月01日 [長年日記]
§ [DnD][5e] アドベンチャー:氷と炎の竜(20レベル)
今週の小冒険は少人数の20レベル向けですぅ。
データ関係はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
冒険の概要
この冒険は20レベルのキャラクター1~2人用の短時間で終わるアドベンチャーである。
世界の果て、北の大壁と呼ばれる山脈にある炎の山には、エインシェント・レッド・ドラゴンのシュザリネイゼがいる。彼は戯れにヒューマノイドの文明を襲撃し、彼らの営みをその炎と爪で“収穫”する癖がある悪の竜である。
キャラクターたちがさまざまな理由でシュザリネイゼと戦う決意を固め、炎の山にやってきたところから冒険は始まり、シュザリネイゼと戦うか、撤退したり敗北すればアドベンチャーは終了となる。
冒険への導入
世界の果てと呼ばれる場所の1つに、北の大壁と呼ばれる大山脈がある。そこの高峰、炎の山には、太古より生きてきた赤竜、シュザリネイゼがいる。彼は戯れにヒューマノイドの文明を襲撃し、彼らが築き上げてきたものを崩し、奪い取ることを習慣にしており、いくつもの国や都市戯れに滅ぼされてきた。
キャラクターたちはかような悪竜と戦う決意を固めた勇士の1人で、長い旅路を経て炎の山にやってきたところである。なお、GMは近隣の文明圏から北の大壁までの旅路をプレイするアドベンチャーを準備してもよい。
1.過酷な環境
炎の山は雪と氷に覆われ、地面の上は移動困難な地形である。また、[冷気]への抵抗、完全耐性を持っていないか、防寒具をまとっていないキャラクターは、ゲーム内時間1時間ごとに難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら1段階の消耗段階を受ける。
炎の山には近隣にある巨人などの集落がシュザリネイゼに貢ぎ物を持っていくための獣道があり、キャラクターたちはそれを頼りに進むことができる。シュザリネイゼのねぐらまではふもとから20マイルほどである。
2.フロスト・ジャイアントの集落
山道を登り始めてすぐの場所に、フロスト・ジャイアントの野営地がある。ここには戦える者が4人おり、キャラクターたちが難易度13の【敏捷力】〈隠密〉判定に失敗したなら、彼らは見慣れぬ小さき者たちを狩ろうとしてくる。
彼らは2人倒されたら500gp相当のオパールを4つ差し出すなどして、キャラクターたちに降伏を試みる。
キャラクターたちが事情を訊ねるなら、彼らはこの辺りにある集落から来た狩りの一団で、シュザリネイゼのねぐらにも何度か行ったことのある者もいる。道案内を要求するなら、キャラクターたちを間違いなくシュザリネイゼのねぐらまで案内しようとする。
フロスト・ジャイアント
超大型・巨人、中立にして悪
AC:15(つぎはぎの鎧)
hp:138(12d12+60)
移動速度:40フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
23(+6) | 9(-1) | 21(+5) | 9(-1) | 10(+0) | 12(+1) |
セーヴィング・スロー:【耐】+8、【判】+3、【魅】+4
技能:〈運動〉+9、〈知覚〉+3
ダメージ完全耐性:[冷気]
感覚:受動〈知覚〉13
言語:巨人語
脅威度:8(3900XP)
アクション
複数回攻撃:フロスト・ジャイアントはグレートアックスで2回の攻撃を行なう。
グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+9、間合い10フィート、目標1体。ヒット:25(3d12+6)[斬撃]ダメージ。
岩:遠隔武器攻撃:攻撃+9、射程60/240フィート、目標1体。ヒット:28(4d10+6)[殴打]ダメージ。
2.温かな泉
獣道に沿って歩いてきたなら、10マイルほど進んだ場所で雪が溶け、湯気を立てる泉になっている場所を発見できる。これはルモアハズが寝ている場所だ。近づけば怪物は起きてキャラクターたちに襲いかかってくる。
フロスト・ジャイアントが道案内をしているなら、こういうところにある温泉には大きな虫が住んでいるから注意しろと声をかける。
ルモアハズ
超大型・魔獣、無属性
AC:17(外皮)
hp:195(17d12+85)
移動速度:30フィート、穴掘り20フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
24(+7) | 13(+1) | 21(+5) | 4(-3) | 10(+0) | 5(-3) |
ダメージ完全耐性:[火]、[冷気]
感覚:暗視60フィート、振動感知60フィート、受動〈知覚〉10
言語:-
脅威度:11(7200XP)
熱された体:ルモアハズに触れた、あるいは5フィート以内から近接攻撃をヒットさせたキャラクターは10(3d6)[火]ダメージを受ける。
アクション
噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+11、間合い11フィート、目標1体。ヒット:40(6d10+7)[刺突]ダメージおよび10(3d6)[火]ダメージ。目標がクリーチャーだった場合、それはつかまれた状態(脱出難易度17)になる。このつかみが終了するまで、目標は動けない状態になり、ルモアハズは他の目標に噛みつきを行なえない。
呑み込み:中型以下のつかんでいるクリーチャーにルモアハズは1回の噛みつきを行なう。攻撃がヒットしたなら、そのクリーチャーは噛みつきのダメージを受け、呑み込まれた状態になり、つかみは終了する。呑み込まれた状態で、クリーチャーは盲目状態および動けない状態になり、ルモアハズの外からの攻撃および他の効果に完全遮蔽を得て、ルモアハズのターン開始時ごとに21(6d6)[酸]ダメージを受ける。
ルモアハズが中にいるクリーチャーから1ターンに30ダメージ以上を受けたなら、ルモアハズはターンの終了時に難易度15の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、呑み込んでいるキャラクターを吐き出し、それらはルモアハズから10フィート以内の空間に伏せ状態で出てくる。ルモアハズが死んだなら、呑み込まれているクリーチャーへは動けない状態ではなくなり、15フィートの移動距離を費やすことで、死体から出てきて伏せ状態になる。
3.ねぐらの入口
無事に登山を終えたら、地熱で氷雪がなくなっている山頂近くにある洞窟が見えてくる。ここがシュザリネイゼのねぐらだ。ねぐらの入口には竜を象った浮き彫りがしてある。
フロスト・ジャイアントが来ている場合、ねぐらを見てしまったら呪われるので、案内はここまでと言う。
4.スンダー兄弟
竜のねぐらの中は、天井まで50フィートはあり、通路は一番細いところでも20フィートだ。温度は外とは違って熱で暑いくらいになっている。
少し進むと部屋のように広くなった空間があり、その中心では沸き立つ溶岩を使って鍛冶仕事をしているファイアー・ジャイアントがいる。彼らはスンダー兄弟といい、シュザリネイゼに奉仕する職人だ。
彼らは侵入者を認めると、溶岩の中で仕事を手伝っていた2体のファイアー・エレメンタルとともに襲いかかってくる。
溶岩は移動困難な地形で、中に踏み込むと、踏み込んだ時とターンを開始するごとに7(2d6)[火]ダメージを受ける。
先へ進むと道は上る道と下りる道の二手に分かれており、下りる方は「5.偽の宝物庫」、上る方は「6.赤竜の部屋」に続いている。
ファイアー・エレメンタル
大型・エレメンタル、真なる中立
AC:13
hp:102(12d10+36)
移動速度:50フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
10(+0) | 17(+3) | 16(+3) | 6(-2) | 10(+0) | 7(-2) |
ダメージ耐性:非魔法的攻撃による[殴打]、[刺突]、および[斬撃]
ダメージ完全耐性:[毒]、[火]
状態完全耐性:動けない状態、気絶状態、消耗状態、石化状態、つかまれた状態、毒状態、麻痺状態、伏せ状態、
感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉10
言語:火界語
脅威度:5(1800XP)
照明:エレメンタルは半径30フィートに“明るい”光を放ち、さらに30フィート先まで“薄暗い”光を放つ。
火の姿:エレメンタルは幅1インチ以上の空間なら、無理矢理入り込むことなく通り抜けられる。エレメンタルに触れたり、5フィート以内で近接攻撃をヒットさせたクリーチャーは5(1d10)[火]ダメージを受ける。また、エレメンタルは敵対的なクリーチャーの占有する空間に入り、その空間で止まることもできる。そのターンの最初にクリーチャーの占有する空間に入る時、そのクリーチャーは5(1d10)[火]ダメージを受け、発火し、誰かがアクションとして火を消さない限り、そのクリーチャーはそのターン開始時に5(1d10)[火]ダメージを受ける。
水への過敏性:エレメンタルは水中を5フィート移動するごとに、または水1ガロンを浴びせられるごとに、1[冷気]ダメージを受ける。
アクション
複数回攻撃:エレメンタルは2回の接触による攻撃を行なう。
接触:近接武器攻撃:攻撃+6、間合い5フィート、目標1体。ヒット:10(2d6+3)[火]ダメージ。目標がクリーチャーあるいは可燃性の物体だった場合、発火する。クリーチャーが火を消すための1回のアクションを行なうまで、目標はそのターン終了時に5(1d10)[火]ダメージを受ける。
ファイアー・ジャイアント
超大型・巨人、秩序にして悪
AC:18(プレート)
hp:162(13d12+78)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
25(+7) | 9(-1) | 23(+6) | 10(+0) | 14(+2) | 13(+1) |
セーヴィング・スロー:【敏】+3、【耐】+10、【魅】+5
技能:〈運動〉+11、〈知覚〉+6
ダメージ完全耐性:[火]
感覚:受動〈知覚〉16
言語:巨人語
脅威度:9(5000XP)
アクション
複数回攻撃:ファイアー・ジャイアントはグレートソードで2回の攻撃を行なう。
グレートアックス:近接武器攻撃:攻撃+11、間合い10フィート、目標1体。ヒット:28(6d6+7)[斬撃]ダメージ。
岩:遠隔武器攻撃:攻撃+11、射程60/240フィート、目標1体。ヒット:29(4d10+7)[殴打]ダメージ。
5.偽の宝物庫
ここはシュザリネイゼが彼にとって“とるにたらない”財宝を使って作った罠の部屋だ。40フィート×40フィートの部屋の床にはぎっしりと金貨と白金貨が敷き詰められており(50000gp、25000pp)、部屋の中心には人型の像がある。
しかし、実はこの部屋は力場の床と溶岩の床の二重底になっており、中心の像はアイアン・ゴーレムである。
コインの1枚でも動かされたらアイアン・ゴーレムは起動し、20フィート先にあるスイッチを押す。そうすると力場の床は解除され、部屋の中にあったものは20フィート下にある溶岩の床へ落下し、11(2d10)[殴打]ダメージを受ける。ゴーレムが起動するとシュザリネイゼの部屋にある警報装置が鳴り、侵入者を彼に報せるが、彼がこの部屋に来ることはない。
この溶岩は移動困難な地形で、踏み込んだ時とターンを開始するごとに7(2d6)[火]ダメージを受ける。
アイアン・ゴーレム
大型・人造、無属性
AC:20(外皮)
hp:210(20d10+100)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
24(+7) | 9(+1) | 20(+5) | 3(-4) | 11(+0) | 1(-5) |
ダメージ完全耐性:[精神]、[毒]、[火];非魔法的でアダマンティンによるものではない[殴打]、[斬撃]、[刺突]
状態完全耐性:恐怖状態、消耗状態、石化状態、毒状態、麻痺状態、魅了状態
感覚:暗視120フィート、受動〈知覚〉10
言語:作成者の言語を理解できるが話せない
脅威度:16(15000XP)
形状耐性:ゴーレムはその形を変える呪文や効果の影響を受けない。
魔法抵抗:ゴーレムは呪文およびその他の魔法的効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。
魔法の武器:ゴーレムの武器攻撃は魔法的である。
火吸収:ゴーレムは[火]ダメージを受けると、それはダメージを受けずに与えられた[火]ダメージに等しいヒット・ポイントを回復する。
アクション
複数回攻撃:ゴーレムは2回の近接攻撃を行なう。
叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+13、間合い5フィート、目標1体。ヒット:20(3d8+7)[殴打]ダメージ。
剣:近接武器攻撃:攻撃+13、間合い10フィート、目標1体。ヒット:23(3d10+7)[斬撃]ダメージ。
毒のブレス(再チャージ6):ゴーレムは15フィートの円錐形に毒ガスを吐き出す。範囲内のクリーチャーは難易度19の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、セーヴに失敗したら45(10d6)[毒]ダメージ、成功すれば半減ダメージを受ける。
6.シュザリネイゼの部屋
シュザリネイゼの部屋はかつて溶岩だまりがあった場所で、直径120フィートになる半球状の空間だ。部屋は溶岩で満たされており、その中にある直径60フィートの小島に彼はいる。天井は火口の上を薄い火山岩が覆ったドームになっている。
この溶岩は移動困難な地形で、踏み込んだ時とターンを開始するごとに7(2d6)[火]ダメージを受ける。
シュザリネイゼは集めてきた財宝の上でまどろんでいるが、侵入者を見つけると目に獰猛な捕食者としての光が灯り、狩りを始める。
シュザリネイゼはヒット・ポイントが100以下になると、溶岩のドームを突き破って外へ脱出を試みる。
小島には55000gp、30000ppがある。
エインシャント・レッド・ドラゴン
巨大・ドラゴン、混沌にして悪
AC:22(外皮)
hp:546(28d20+252)
移動速度:40フィート、登攀40フィート、飛行80フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
30(+10) | 10(+0) | 29(+9) | 18(+4) | 15(+2) | 23(+6) |
セーヴィング・スロー:【敏】+7、【耐】+16、【判】+9、【魅】+13
技能:〈隠密〉+7、〈看破〉+16
ダメージ完全耐性:[火]
感覚:疑似視覚60フィート、暗視120フィート、受動〈知覚〉26
言語:共通語、竜語
脅威度:24(62000XP)
伝説的抵抗(3回/日):ドラゴンがセーヴィング・スローに失敗した場合、それはその代わりに成功したことを選べる。
アクション
複数回攻撃:ドラゴンは畏怖すべき存在を使用できる。その後、1回の噛みつきおよび2回の爪による3回の攻撃を行なう。
噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+17、間合い15フィート、目標1体。ヒット:21(2d10+6)[刺突]ダメージおよび14(4d6)[火]ダメージ。
爪:近接武器攻撃:攻撃+17、間合い10フィート、目標1体。ヒット:17(2d6+10)[斬撃]ダメージ。
尾:近接武器攻撃:攻撃+17、間合い20フィート、目標1体。ヒット:19(2d8+10)[殴打]ダメージ。
畏怖すべき存在:ドラゴンから120フィート以内にいてそれを認識しているドラゴンの選択したすべてのクリーチャーは、それぞれ難易度21の【判断力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗したら1分間恐怖状態になる。クリーチャーはそれのターン終了時にセーヴィング・スローを行なうことができ、成功すると自身への効果を終了する。クリーチャーのセーヴィング・スローが成功した場合、あるいはクリーチャーの効果が終了した時、そのクリーチャーは同じドラゴンによる畏怖すべき存在の影響を24時間受けなくなる。
火のブレス(再チャージ5~6):ドラゴンは90フィートの円錐状に火を噴射する。範囲内のクリーチャーはそれぞれ難易度24の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗したら91(26d6)[毒]ダメージを受け、成功した場合は半分のダメージを受ける。
伝説的アクション
ドラゴンは以下にある3回の伝説的アクションを行なえる。伝説的アクションは1度に1つだけ、別のクリーチャーのターン終了時にのみ使用できる。ドラゴンはそのターン開始時に、使用された伝説的アクションを回復する。
感知:ドラゴンは【判断力】〈知覚〉判定を行なう。
尾撃:ドラゴンは尾による攻撃を行なう。
翼打ち(2アクション分):ドラゴンは翼を羽ばたかせる。ドラゴンから10フィート以内のクリーチャーすべては難易度25の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわなければならず、失敗したら17(2d6+10)[殴打]ダメージを受けて伏せ状態になる。その後、ドラゴンはその飛行移動速度の半分まで飛行できる。
結末
シュザリネイゼを倒せば辺境を脅かす脅威が除かれることになり、ヒューマノイドの文明は大きく広がるだろう。
この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。