ネコぶんこ


2024年01月27日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:盗まれた首飾り(3レベル)

今週の小冒険も3レベルのキャラクター4人用ですぅ。

データ関係はOGLのものを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。

冒険の概要

この冒険は3レベルのキャラクター4人用の短時間で終わるアドベンチャーである。

町一番の商人の屋敷から、奥方の首飾りが盗まれた。犯人はバットに変化したクアジットで、山の洞窟に住んでいるラミアが命令して盗ませたのだ。

キャラクターたちがクアジットの行方を探り、ラミアから首飾りを取り戻せば冒険は成功となる。

冒険への導入

キャラクターたちは町一番の商人、グライクス氏に呼び出される。彼はキャラクターたちを洒落た食事でもてなし、窓辺に飾っていた妻の首飾りがコウモリ(バット)に盗まれたので、それを探してほしいと依頼をする。報酬は200gpである。

首飾りは銀にサファイアやルビーが散りばめられたもので、1000gpは下らないとグライクス氏と奥方は語る。

1.町での捜査

グライクス邸の奥方の部屋は、窓辺に花や装飾品を飾るための場所がある。首飾りを飾っていた時は窓を閉めていたが、奥方がそよ風に気づくとコウモリが首飾りをぶら下げて飛んでいたという。

大まかな話を聞いたキャラクターは難易度12の【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、使い魔として使役されるデーモン、クアジットにはさまざまな小動物に変化する力を持っていることを思い出せる。

グライクス邸の近所に住んでいる人や、屋敷が面している大通りで遊ぶ子どもたちに話を聞けば、真っ昼間にコウモリが飛んでいたのが珍しかったので覚えている者がいる。彼らはコウモリが町の外にある小山に飛んでいったと語る。

くだんの小山について古老からの話を聞いたり歴史を調べたりするなら、かつてデーモン崇拝を行なう小規模なカルトが根城にしていたことがわかる。このカルトは数十年前に滅んでいるが、居住地の場所を教えてもらえる。

2.カルトの居住地跡

デーモン崇拝をしていたカルトの居住地跡は滅びるときに大きな火事でもあったのか、ほとんどの建物が焼け落ちて炭化した柱や床の一部が草むらの中に残るだけである。

村の跡地にはところどころにぎらぎらした黒い油のような水たまりがあり、その周辺に下級のデーモン、ドレッチがうごめいている。

この辺りにいるドレッチは全部で10体である。難易度9の【敏捷力】〈隠密〉判定に成功すれば、見つかることなく村の中を探し回れる。

ドレッチ

小型・フィーンド(デーモン)、混沌にして悪


AC:11(外皮)

hp:18(4d6+4)

移動速度:6m(20フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
11(+0) 11(+0) 12(+1) 5(-3) 8(-1) 3(-4)

ダメージ抵抗:[電撃]、[火]、[冷気]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:毒状態

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉9

言語:奈落語、テレパシー18m(60フィート)(奈落語を理解できるクリーチャーのみ)

脅威度:1/4(50XP)


アクション

複数回攻撃:ドレッチは1回の噛みつきおよび1回の爪で、2回の攻撃を行なう。

噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:3(1d6)[刺突]ダメージ。

爪:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(2d4)[斬撃]ダメージ。

悪臭の雲(1回/日):不快な緑色のガスがドレッチから半径3m(10フィート)に広がる。ガスは角の向こうまで広がり、その範囲は経度の隠蔽である。それは1分か強風で飛散するまで続く。範囲内でターンを開始するクリーチャーは、難易度11の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければ、次のターン開始時まで毒状態になる。この毒状態の間、目標はそのターンにアクションあるいはボーナス・アクションのどちらかしか行なえず、リアクションを行なえない。

3.村の跡地を探索する

村の跡地はひときわ大きかったと見える建物跡、その奥の洞窟、ところどころにあるぎらつく水たまりが目を引く。

建物跡を調べてみるなら、難易度15の【知力】〈捜査〉判定に成功すれば、焼けてなくなった床板の下に壺が埋めてあるのを見つけられる。中身は17028spの銀貨である。

ぎらつく水たまりについては、難易度15の【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、デーモンたちの住む次元界と繋がった“穴”だろうと推察できる。これが大きくなったらより強大なデーモンがこの世界に出現するだろう。

奥にある洞窟へ向かうなら、「4.洞窟」へ進むこと。

4.洞窟

洞窟の中には獣脂のロウソクが灯され、毛皮が床に敷かれている。まるで貴族の屋敷のように彩られているが、そこにいるのはクアジットを肩に乗せた、女の上半身に獣の下半身を持つ怪物、ラミアだ。彼女の部屋にはさまざまな装飾品や調度品がところ狭しと並べられており、グライクス夫妻の言っていた首飾りを今まさに首にかけている。

ラミアは突然訪れたキャラクターたちを警戒するが、攻撃されない限り手は出さない。盗んだ首飾りについて交渉するようなら、3日もすれば飽きるのでその後なら1000gpで売ってやると高飛車に言い放つ。なお、グライクス氏は買い戻す費用は500gpまでなら負担するが、それ以上は出せないと言う。

戦う場合、ラミアはhpが半分になったところで首飾りを返すから命は助けてくれとキャラクターたちに平伏する。この時、彼女は持っている財宝をすべて渡すまでは譲歩する。

この部屋にはグライクス家の首飾りの他に、1000gpの装飾品が3個、500gpの装飾品が7個ある。

クアジット

超小型・フィーンド(デーモン、変身生物)、混沌にして悪


AC:13

hp:7(3d4)

移動速度:12m(40フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
5(-3) 17(+3) 10(+0) 7(-2) 10(+0) 10(+0)

技能:〈隠密〉+5

ダメージ抵抗:[電撃]、[火]、[冷気];非魔法的攻撃による[殴打]、[斬撃]、[刺突]

ダメージ完全耐性:[毒]

状態完全耐性:毒状態

感覚:暗視36m(120フィート)、受動〈知覚〉10

言語:奈落語、共通語

脅威度:1(200XP)


変身生物:クアジットはアクションを使い、バット(移動速度10フィート、飛行40フィート)、センチピード(移動速度40フィート、登攀40フィート)、あるいはトード(40フィート、水泳40フィート)のどれかの野獣形態に変身するか、元の姿に戻ることができる。いずれの姿でも移動速度以外のステータスに変化はない。身に着けていたり運んでいる装備は変身しない。死亡すると本来の姿に戻る。

魔法抵抗:クアジットは呪文およびその他の魔法効果へのセーヴィング・スローに有利を得る。

アクション

爪(野獣形態の場合は噛みつき):近接武器攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ、および目標は難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗すると5(2d4)[毒]ダメージを受けて1分間毒状態になる。目標はターンの終了時ごとにセーヴィング・スローを再び行なえ、それに成功したら効果を終了する。

脅かし(1回/日):クアジットから6m(20フィート)以内のクリーチャー1体は難易度10の【判断力】セーヴィング・スローに成功しなければ1分間恐怖状態になる。目標はターンの終了時ごとにセーヴィング・スローを再び行なえるが、クアジットの視線が通っている間は不利を受け、それに成功したら効果を終了する。

透明化:クアジットは攻撃をするか精神集中が終了(呪文の精神集中と同じように扱う)するまで魔法的に不可視状態になる。クアジットが身に着けていたり運んでいる物も透明になる。

ラミア

大型・怪物、混沌にして悪


AC:13(外皮)

hp:97(13d10+26)

移動速度:9m(30フィート)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
16(+3) 13(+1) 15(+2) 14(+2) 15(+2) 16(+3)

技能:〈隠密〉+3、〈看破〉+4、〈ペテン〉+7

感覚:暗視18m(60フィート)、受動〈知覚〉12

言語:共通語、奈落語

脅威度:4(1100XP)


生得呪文発動:ラミアの生得呪文発動能力は【魅力】(呪文セーヴ難易度13)である。これは生まれつき以下の呪文を、物質構成要素なしに発動できる:

無限回:ディスガイズ・セルフ(任意の人型生物形態)、メジャー・イメージ

各3回/日:サジェスチョンスクライイングチャーム・パースンミラー・イメージ

1回/日:ギアス

アクション

複数回攻撃:ラミアは1回の爪および1回のダガーあるいは酩酊の接触で、2回の攻撃を行なう。

爪:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:14(2d10+3)[斬撃]ダメージ。

ダガー:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1体。ヒット:5(1d4+3)[刺突]ダメージ。

酩酊の接触:近接呪文攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、クリーチャー1体。ヒット:目標は1時間魔法的に呪われる。呪いが終了するまで、目標は【判断力】セーヴィング・スローおよびすべての能力値判定に不利を受ける。

結末

ラミアからグライクス家の首飾りを取り戻せば、冒険は成功である。

次元界の“穴”については、ここで放置していても当面は何も起こらず、数ヶ月に1体くらいのドレッチが出てくるだけである。なんとかしたい場合、GMがその方法を設定して冒険にするのもよいだろう。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。