2010年07月18日 「訓練を忘れるな、ケイス。それだけが頼りだ」 編集
§ [DnD][4e][ChaosScar] Aeryn "Blackdirge" Rudel『這いずるものの神殿(The Crawling Fane)』Dungeon #178(3レベル)
『這いずるものの神殿(The Crawling Fane)』は3レベル・キャラクター向けのシナリオである。それは渾沌の痕にある荒廃したドワーフの神モラディンの寺院が舞台である。シナリオでキャラクターたちは異質な神に仕える狂った危険なドウェルガルのクレリックの陰謀と巨大な蟲と這いずるモンスターと戦う。英雄たちは古のドワーフの英雄が使った武器を奪還し、モラディンの寺院を復興し、そして新たに渾沌の痕へ出現しようとする大いなる悪を阻止するのだ。
君たちの前には渾沌の痕の荒涼とした風景からは浮いた、長い間うち捨てられた廃墟がある。その屋根は抜け、かつては頑丈だったであろう壁も今は雑草が茂るがれきに過ぎない。正門の両脇に、どちらも風化と浸食で本来の姿を知るのが困難となった2体の石像がそびえている。この嘆かわしくも忘れ去られた建物が、かつてはモラディンの聖なる信仰の場だったことを想像するのは困難だ。
§ [Promiscuus] 渚にて
2012年07月18日 『おいおい、こいつは家なんかじゃない――こいつは姿を変えたモールだ』 編集
§ [DnD][4e][Liber] ジェレミィ・クローフォード、スティーヴン・シューバート、マット・サーネット『モルデンカイネンの魔法大百貨』
『モルデンカイネンの魔法大百貨』はさまざまな魔法のアイテムに加え、新しい種類の防具や武器なども収録したアイテムについてのサプリメントですぅ。アイテムのサプリメントは既に『冒険者の宝物庫』、『冒険者の宝物庫II』があるけど、『モルデンカイネンの魔法大百貨』もほぼすべてが新規データで、しかも『ルールズ・コンペンディウム』でレアリティなどのルールが追加されてアップデートされた魔法のアイテムのルールにも対応してますぅ。
もちろん、アップデートされたルールを導入していない既存環境にもそのまま導入できるですぅ。
新しい装備と魔法のアイテム
新しい種類の武器はブロードソード、スパイクド・チェインなど『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』や『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』に収録しきれなかったものが収録されていて、防具だとスタデッド・レザーやスプリント・メイルなどなつかしの装備が帰ってきているですぅ。
術者が使う装具も『プレイヤーズ・ハンドブックIII』で導入された、特技を修得することでちょっとした力を引き出すことができる上級装具が紹介されているですぅ。
これら新装備の項では、それらを活用するための特技も同時に紹介されていて、読みながらそれをどうPCに組み込むかの想像を広げやすくなっているのがこの本のいいところですぅ。
収録されている魔法のアイテムは264種と『冒険者の宝物庫』の894種、『冒険者の宝物庫II』の632種から見ると見劣りしているかもしれないけど、アイテムがひとつひとつその来歴を説明されていたり、レアリティの導入によって“壊れた”性能のアイテムがちりばめられているので、読んだりデータをチェックする楽しみは格段に大きくなっているですぅ。
収録アイテムの中にはフレイム・タン、フロスト・ブランド、ブーツ・オヴ・エルヴンカインド、リング・オヴ・Xレイ・ヴィジョンなどもあり、昔からプレイしていたり復帰した人ならニヤリとできることうけあいですぅ。
魔法のアイテムについてもうひとつ補足しておくと、矢弾や消費型アイテム(ポーション、エリクサーなど)も豊富に掲載されてるので、買い物に頭を悩ます楽しみを低レベルのうちから愉しめる助けになるのがこの本の偉いところですぅ。
DM向け要素
この本にはプレイヤのためだけではなく、DMにとって有用なアーティファクトとアイテムの呪い、物語アイテムも紹介されてますぅ。
『ダンジョン・マスターズ・ガイド』で紹介されている、彼らに好ましく思われる行動を取ったら信頼度が上がって能力が上がる自我を持った恋愛シミュレーションゲームっぽいアイテムがアーティファクトで、そのものがキャンペーンの核となりうるキャラクタ性を持っているですぅ。
アイテムの呪いは旧版にあった呪われたアイテムについてのルールで、条件が成立すると装備者が不利になる特性がアイテムに追加されるですぅ。呪いが発動したらその遭遇では経験点を追加することが推奨されているのは、困難に直面してもきちんと報いがある今時のデザインになっていて好感が持てたですぅ。
この呪いのルールはPCに課される戒律やゲッシュにも応用できそうですぅ。
物語アイテムはデーモンを封印する小箱、存在を支配する真名など、どちらかというと今までストーリィ上のギミックとして使われてきたものをアイテムの一種として再定義して、色々な種類のそれらを紹介しているですぅ。
そして……
武器や防具だけを紹介しているのではなく、防寒具や変装道具、そしてお馴染み10フィートの棒など細々とした冒険道具もきちんと使った時のデータや、DMへの運用を助言するコラムつきで紹介されているのは実にしっかりとしているですぅ。
この本ではまだまだ、Classicの『Companion Set』や3eの『Stronghold Builder's Guide』一部に大人気だった砦や塔など建造物の購入ルール、『冒険者の宝物庫』にも収録されていたPCが特技を修得して作成できるようになる錬金術アイテム、松明持ちや書記官から同行キャラクタのデータを持つ傭兵までさまざまな部下を抱えられるようになる雇い人ルールなど、これまでDnDに存在したアイテム関係の主だったルールを細かく拾って4eというシステムの上で花開かせているですぅ。
この本はアイテム関係での最初の一冊どころか、『プレイヤーズ・ハンドブック』や『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォールン・ランズ』や『ヒーローズ・オヴ・ザ・フォーゴトン・キングダムズ』の次に何を買えばいいのかと訊ねられればこれだと即答できるくらいよくできたサプリメントなので、買って損は無いですぅ。
2020年07月18日 編集
§ [DnD][GnG][5e] アドベンチャー:ヒュドラとの戦い(1~3レベル)
今週も5e用巨大ロボサプリメント、Gears & Gigantes用の小さな冒険ですぅ。
データ系は一部OGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。
冒険の概要
この冒険は1~3レベル程度のキャラクター向けの短時間で終わるアドベンチャーである。
常に霧が立ちこめている緑沼には、ヒュドラが巣くっている。普段は注意深く気をつけていればよかったのだが、悪しきフェイがこの地で行なった悪戯で、沼に住むシャンブリング・マウンドに近くを通る者を狩ってはヒュドラに捧げるという信仰めいた習慣が生まれてしまった。これに心を痛めた街道の木に住むドライアドのマトゥラは、冒険者にヒュドラ退治を頼んでくる。シャンブリング・マウンドとヒュドラを倒せば冒険は成功である。
冒険への導入
冒険者が昼なお薄暗く霧が立ちこめる緑沼の近くを通っていると、近くの木陰に女が立っているのを見つける。彼女は冒険者を呼び止めるとドライアドのマトゥラと名乗り、悪しきフェイの悪戯で近くのシャンブリング・マウンドが人々を狩り、沼の主であるヒュドラに捧げる行動を始めたと語り、冒険者にシャンブリング・マウンドとヒュドラ退治を依頼する。
ドライアド
中型・フェイ、真なる中立
AC:11(バークスキンで16)
hp:22(5d8)
移動速度:30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
10(+0) | 12(+1) | 11(+0) | 14(+2) | 15(+2) | 18(+4) |
技能:〈隠密〉+5、〈知覚〉+4
感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉14
言語:エルフ語、森林語
脅威度:1(200XP)
樹木渡り:彼女のターン、ドライアドは10フィートの移動距離を使い、1つの生きている木の中に入り、その木の60フィート以内にあるもう1つの生きている木から出てきて、5フィート以内の何者にも占められていない空間に出現できる。どちらの木も大型サイズ以上の必要がある。
生得呪文発動:ドライアドの生得呪文発動能力値は【魅力】である(呪文セーヴ難易度14)。ドライアドは生まれつき以下の呪文を、物質要素なしで発動できる。
無限回:ドルイドクラフト
各3回/日:エンタングル、グッドベリー
各1回/日:シャレイリ、バークスキン、パス・ウィズアウト・トレース
魔法抵抗:ドライアドは呪文やその他の魔法的効果に対するセーヴィング・スローに有利を得る。
野獣および植物との会話:ドライアドは野獣および植物と同じ言語を知っているかのように意思疎通できる。
アクション
クラブ:近接武器攻撃:攻撃+2(シャレイリで+6)、間合い5フィート、目標1体。ヒット:2(1d4)[殴打]ダメージ、あるいはシャレイリで8(1d8+4)[殴打]ダメージ。
フェイの魅了:ドライアドが彼女から30フィート以内の人型生物あるいは野獣1体を目標にすると、それは難易度14の【判】セーヴィング・スローに成功しなければ、対象は魅了状態になる。魅了状態のクリーチャーはドライアドを注意深く守り、信頼できる友だと考える。目標はドライアドに制御されるわけではないが、ドライアドの要求や行動には可能な限り好意的に応えようとする。
ドライアドあるいはその仲間が目標にとって害になる行動をするたび、セーヴィング・スローをやり直すことができ、成功すればこの効果は終了する。それ以外の場合、効果は24時間あるいはドライアドが死ぬか、目標と別の次元界へ行く、あるいはボーナス・アクションで終了させるまで持続する。目標がセーヴィング・スローに成功した場合、その目標は以後24時間、このドライアドのフェイの魅了への完全耐性を得る。
1.蠢く沼地
沼地の深さは3フィートほどで、移動困難な地形である。ヒュドラのねぐらがある沼地の中心に向かって進むには、難易度15の【判断力】〈生存〉判定に成功しなければならない。失敗した場合、1d6時間道に迷う。GMはここでランダムに遭遇を発生させてもよいだろう。
沼地の中心に向かって進むと、その途中でシャンブリング・マウンド2体と遭遇する。彼らは愚かにも沼地に侵入してきた者たちを、新たな捧げ物にするため襲いかかってくる。
シャンブリング・マウンド
大型・植物、無属性
AC:15(外皮)
hp:136(16d10+48)
移動速度:20フィート、水泳20フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
18(+4) | 8(-1) | 16(+3) | 5(-3) | 10(+0) | 5(-3) |
技能:〈隠密〉+2
ダメージ抵抗:[火]、[冷気]
ダメージ完全耐性:[電撃]
状態完全耐性:消耗状態、聴覚喪失状態、盲目状態
感覚:疑似感覚60フィート(この半径から先は見えない)、受動〈知覚〉10
言語:-
脅威度:5(1800XP)
電撃吸収:シャンブリング・マウンドが[電撃]ダメージを受けるたび、それはダメージを受けずに与えられた[電撃]ダメージに等しい分のヒット・ポイントを回復する。
アクション
複数回攻撃:シャンブリング・マウンドは2回の叩きつけ攻撃を行なう。中型以下の目標に両方の攻撃がヒットした場合、目標はつかまれた状態(脱出難易度14)になり、シャンブリング・マウンドはそれに包み込みを行なう。
叩きつけ:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:13(2d8+4)[殴打]ダメージ。
包み込み:シャンブリング・マウンドはそれがつかんでいる中型以下のクリーチャーを包み込む。包み込まれたターゲットは動けない状態、盲目状態および呼吸ができず、シャンブリング・マウンドのターン開始時に難易度14の【耐】セーヴィング・スローに成功しなければ13(2d8+4)[殴打]ダメージを受ける。シャンブリング・マウンドが移動すると、包み込まれた目標も一緒に移動する。シャンブリング・マウンドは同時に1体のクリーチャーしか包み込めない。
2.襲い来るヒュドラ
シャンブリング・マウンドとの戦いが終わる頃、水の流れが変わったのをいぶかしんだのか、はたまた戦いを嗅ぎつけたのか、ヒュドラが冒険者を見つけようする地鳴りのような足音を立て、周囲を探し始める。もしヒュドラをやり過ごしたいなら、難易度16の【敏捷力】〈隠密〉判定である。
ヒュドラの腹の中には様々ながらくたに紛れ、1000gpのダイアモンド、500gpのルピーがある。
ヒュドラ
超大型・魔獣、無属性
AC:15(外皮)
hp:172(15d12+75)
移動速度:30フィート、水泳30フィート
【筋】 | 【敏】 | 【耐】 | 【知】 | 【判】 | 【魅】 |
---|---|---|---|---|---|
20(+5) | 12(+1) | 20(+5) | 2(-4) | 10(+0) | 7(-2) |
技能:〈知覚〉+6
感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉16
言語:-
脅威度:8(3900XP)
頭たちの反応:2つ以上のヒュドラの頭ごとに、機会攻撃にのみ使える追加のリアクションを得られる。
息止め:ヒュドラは1時間息を止めることができる。
常時覚醒:ヒュドラは眠っていても、少なくとも1つの頭が起きている。
多頭:ヒュドラには5つの頭がある。複数の頭を持っている間、恐怖状態、聴覚喪失状態、魅了状態、盲目状態、朦朧状態に対するセーヴィング・スローに有利を得る。
ヒュドラが1ターンに25以上のダメージを受ける毎に、その頭の1つが死ぬ。すべての頭が死ぬと、ヒュドラは死ぬ。
ターンの終了時、前回のターン以降に[火]ダメージを受けていない限り、前回のターン以降に死んだ1つの頭につき2つの頭が生えてくる。ヒュドラは、こうして生えた頭1つにつき10hpを回復する。
アクション
複数回攻撃:ヒュドラは頭の数と同じだけの噛みつき攻撃を行なう。
噛みつき:近接武器攻撃:攻撃+8、間合い10フィート、目標1体。ヒット:10(1d10+5)[刺突]ダメージ。
結末
ドライアドのマトゥラは冒険者がシャンブリング・マウンドを倒せばひとまずは安心する。ヒュドラも倒した場合、彼女はたいそう喜び、この辺りへたまに巡幸する善いフェイの領主へ紹介すると言ってくれる。
また、シャンブリング・マウンドを変成させた悪しきフェイを追いたい冒険者もいるだろうし、それは新たな冒険のきっかけになる。
この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。